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ハイ・キャリアの韓国語コラム。アイケーブリッジ外語学院の幡野さんがお届けする、日常生活やビジネスシーンの活き活きとした韓国語表現集。 旬の話題や、日本語と比較したときの興味深さなど、多彩な内容です。
第47回 「野次馬」
当校は官公庁の集まる霞が関に近く、たまに周辺で行われるデモの音が建物の中まで聞こえてきます。
ちょうどデモの音が界隈に響き渡っているとき、通りに面した窓ガラス近くのキャビネットに物を取りに行きました。封筒を持って席に戻ろうとする私に、先生が、
「그거 보러 오신 줄 알았어요.」
(クゴ ポロ オシンジュル アラッソヨ/あれを見に来たのだと思いました)
とおっしゃいました。私がデモを見に来たのだと思ったのですね。そこで、「あ、違いますよ。野次馬(やじうま)かと思いました?」と言いながら、「野次馬」の韓国語は?と聞いてみたところ、
「구경꾼」(クギョンクン/見物人)
とのこと。なるほど、ナントカ馬、にはならないわけですね(笑)。
구경は「見物」。꾼は大きく分けて、
1.そのことを専門的・習慣的にする人を表す
例:술꾼(スrクン/酒飲み、のんべえ), 장사꾼(チャンサクン/商売人)
2.その場に集まる人の意
例:구경꾼(クギョンクン/見物人)
という2つの意味があります。Naver辞書には、上記のように「見物人」という日本語が出ていました。
「구경꾼」が「野次馬」の持つニュアンスを持っているかが気になります。例えば、オリンピックのメダリストパレードを見る人は、日本語では「野次馬」にならず、「見物人」ですよね。
そこで聞いてみたところ、「구경꾼」のニュアンスはまさに野次馬。何か騒ぎがあったときに「なんだなんだ?」と(騒ぎを逆に楽しむような好奇心を持って)見に来る人々のことを言うそうです。
例:시위대 근처에 구경꾼들이 모여 있었어요.
(シウィデ クンチョエ クギョンクンドゥリ モヨ イッソッソヨ
/デモ隊のそばに野次馬たちが集まっていました)
とはいえ、私たちはもう外のデモの音には「慣れっこ」になってしまい、余程のことがない限り窓際にはなかなか集まらず、外で大きな声がしてもBGMのように淡々と業務をこなしております......。
(レッスンがおこなわれる教室までは聞こえてきませんのでご安心を!)
プロフィール

幡野泉さん
「アイケーブリッジ外語学院」代表および「All About 韓国語」ガイド。
1998年、韓国・延世大学校韓国語学堂修了。同年コリア・ヘラルド新聞社主催「第33回外国人韓国語雄弁大会」にて最優秀賞・文化観光部長官賞受賞。
2004年に「シゴトの韓国語講座(現・アイケーブリッジ外語学院)」を開設。
同年、延世大学校韓国語教師研修所 第20期研修過程修了。
2016年 韓国雄弁人協会主催「第21回世界韓国語雄弁大会」にて国務総理賞受賞。
著書に『明日から使えるシゴトの韓国語』(アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編・応用編』(三修社)、『リアルな表現が話せる!韓国語フレーズブック』(新星出版社)などがある。
2010年の中国語講座開講をきっかけに中国語の学習を開始し、2014年にHSK(新漢語水平考試験)最上級6級で181点獲得(合否なし)。
2015年 第32回全日本中国語スピーチコンテストにて第2位入賞。
2016年NHK World Chinese主催 第3回中国語ラジオパーソナリティコンテストにて会場賞を受賞。
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