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知ってトクするシゴトの韓国語

ハイ・キャリアの韓国語コラム。アイケーブリッジ外語学院の幡野さんがお届けする、日常生活やビジネスシーンの活き活きとした韓国語表現集。 旬の話題や、日本語と比較したときの興味深さなど、多彩な内容です。

第52回 「わたしの「恨(ハン)」とロシア語(その2)」

ロシア語は私にとって「恨(ハン)」である、と前号のメールマガジンで触れました。「恨(ハン)」って、何?と思う方は、是非前号をご覧ください。

大学は文学部で、入学するとまず、英語以外の外国語を誰もが選択します。2年生になるときに、どの学科に入るか選択するのですが、入学時はすでにロシアに興味があったので迷わずロシア語を選択し、そして2年生になったらロシア文学を専攻するつもりでいました。

当時は人と人とのコミュニケーションは家電(いえでん。家庭用の電話)が中心。姉のサークル関係の電話を取った時に、姉がおらず、その電話口の男性の先輩の話に少し付き合うことになりました。

「妹さん? へぇ、1年生? いいなぁ、僕そろそろ卒業なんだけど、いまほんとに後悔していることがあってね...。せっかく大学4年間もあったんだから、何か外国語を極めておけばよかったと思ってるんだよ。だから、あなたはこれから絶対に何か、外国語を極めるべきだよ。」

わかっています。わたしはロシア語を極めるんです、と思いながら、話を聞きました。

大学3年の夏、モスクワに短期語学留学をしました。ロシアの文学、芸術を自身の誇りのように思い、恋し、その地に足を踏み入れたのですが、現実のロシアは、ソ連崩壊直後の政治・社会の大混乱期でした。

初日のオリエンテーションに来てくれた、当時モスクワ大学で研究をしていた学部教授の先生から「治安がものすごく悪いです。皆さんの中で3分の1は何かの犯罪に巻き込まれると考えていたほうがいい。」と言われ、驚きました。結果から言うと、3分の1では済まなかった、というところでしょうか。

スリ、強盗、恐喝、周囲で起こったことは枚挙にいとまがありませんが、ロシアに恋していた私が失望し、残念ながら縁が途絶えてしまったのは、頼れると思っていた人々...例えば、入管の公務員、警察官、お医者さんなどが頼れなかった出来事のためです。悪いと思っている人が悪いことをするのは分かるのですが、それらの職業の人が助けてくれなかったのは、心の底からショックで立ち直れませんでした。その人たちも、生きるのに精一杯だったのでしょう。今なら理解できる気がします。

大学卒業後、韓国語の学習を始めたのですが(以前、経緯をコラムに書きました。こちら)、それでも、一時期心の底から好きになったロシア、ロシア語は、恨(ハン)として残り続けていました。

時を経て、昨年、とある機関からの委託研修で、韓国語、中国語、ロシア語を3つセットで受注したことが縁となり、ロシア語の授業を開始。ロシア語を聞いていたら、欲が出てきたのです。そこで、ロシア語講座に チャレンジすることになりました。

ロシアに恋していた、と言いましたが、異性というものに例えるならば、

한국어는 서로가 사랑해서 결혼한 생대
(ハングゴヌン ソロガ サランヘソ キョロナン サンデ
/韓国語は、相思相愛の結婚相手)

중국어는 언제나 곁에 있어 주는 좋은 친구
(チュングゴヌン オンジェナ キョテ イソ ジュヌン チョウン チング
/中国語は、いつもそばにいてくれる良き友)

러시아어는 실연당한 짝사랑 상대
(ロシアオヌン シリョンタンハン チャk サラン サンデ
/ロシア語は、失恋した片思いの相手)

こんなところでしょうか。それぞれの言語が私にとってこのような位置付けなので、よく周囲から「最近、韓国語(中国語)に興味がないのでは」と心配されたりすることもありますが、この3言語は私にとって、どっちに興味が傾いているとか、そんなに簡単に片づけられる次元のものではないんです。

ロシア語には一度失恋しましたが、韓国語、中国語の世界で得た経験を活かし、時を経て新しい関係性になれたら、と願ってやみません。


知ってトクするシゴトの韓国語


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プロフィール

幡野泉

幡野泉さん
アイケーブリッジ外語学院」代表および「All About 韓国語」ガイド。 1998年、韓国・延世大学校韓国語学堂修了。同年コリア・ヘラルド新聞社主催「第33回外国人韓国語雄弁大会」にて最優秀賞・文化観光部長官賞受賞。 2004年に「シゴトの韓国語講座(現・アイケーブリッジ外語学院)」を開設。 同年、延世大学校韓国語教師研修所 第20期研修過程修了。 2016年 韓国雄弁人協会主催「第21回世界韓国語雄弁大会」にて国務総理賞受賞。 著書に『明日から使えるシゴトの韓国語』(アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編応用編』(三修社)、『リアルな表現が話せる!韓国語フレーズブック』(新星出版社)などがある。 2010年の中国語講座開講をきっかけに中国語の学習を開始し、2014年にHSK(新漢語水平考試験)最上級6級で181点獲得(合否なし)。 2015年 第32回全日本中国語スピーチコンテストにて第2位入賞。 2016年NHK World Chinese主催 第3回中国語ラジオパーソナリティコンテストにて会場賞を受賞。

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