INTERPRETATION

第1回 Bazinga! へようこそ。

木内 裕也

Bazinga!

Hi Careerのあたらしいコラム、Bazinga!にようこそ。このコラムを担当する木内裕也です。これまで、Hubbub from the HubやWritten from the Mittenのコラムを担当し、昨年末まではAmerican Culture and Globalizationのレクチャーを担当しました。今日から、月に2回ずつの更新でBazinga!を担当します。

このコラムは日本ではなかなか学ぶことのできない最新の表現を皆さんに紹介します。特に今のアメリカ人がよく使っている表現や単語をお伝えできればと思っています。私が日本で通訳をしている時によく感じたのは、「自分で使うことは無いけれど、知っていなければならない表現」というのがたくさんあると言うことです。例えばビジネスの席で通訳をすることが多い場合、カジュアルな表現が公式の場で出てくることは少ないでしょう。しかし休憩時間の会話では、思わぬ表現が出てくることもあります。通訳案件がITであれ、財務であれ、もしくは文学であれ、思わぬ局面で「教科書や学校で学ばない表現」に出会うことは数多くあります。ある先輩通訳者が、「休憩時間に突然、星座占いの話が出たのだけど、星座の名前を知らずに困ったことがある」と言っていたのを思い出します。ですから、このコラムでは「思わぬ局面で役に立つかもしれない英語表現」を中心にご紹介します。

さて、このコラムのタイトルであるBazinga!もそんな表現の1つです。Bazingaという単語を耳にしたことがありますか? 多くのアメリカ人は耳にしたことがあります。特に若者層や、TVのコメディー番組の好きな人々は聞いたことがあるでしょう。この表現は今アメリカで人気のある、The Big Bang Theoryという番組でSheldonという名前の登場人物が使っている表現です。そもそも、Bazingaという単語は存在しませんが、Sheldonが使うようになってからGotcha!という意味で使われます。Gotcha!はGot you!の短縮形。Fooled you!という言い換えもできます。何か冗談を言って、相手がそれを信じたときに「冗談だよ!」と伝えるときに使います。Just kidding!と似ています。

私の友人で英語学の博士号を持っている人がいます。彼は英語のニュースや新聞はきちんとわかるけれど、TV番組になると理解度が急激に下がる、とはなしをしていました。これは聴解力の問題ではないでしょう。しかし聞き慣れない表現があまりに多すぎて、理解できないのではないでしょうか。たとえば経済に疎い人が日本語で経済ニュースを聞いても理解できないのと同じです。

このコラムでは、そんな聞き慣れない単語や表現を2週間に1度、いくつか紹介できればと思います。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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