INTERPRETATION

第13回 Frankenstorm

木内 裕也

Bazinga!

 10月末はハロウィーンの季節です。今年は東海岸をSandyというハリケーンが襲い、各州が非常事態宣言を発令したり、学校が休校の決定を早くから出したりしています。日本では台風が「台風12号」と番号で一般的には呼ばれますが、アメリカでは名前がつけられます。しかし今回のように、規模の大きなハリケーンであったりすると、メディアが競うようにして関心を引く名前をつけようとします。その名前が、今回はFrankenstorm。Stormはもちろん「嵐」の意味。Frankenは、日本でも有名なフランケンシュタインを指します。ハロウィンになると、フランケンシュタインを含め、色々な仮装をして街中を歩いたりするので、ちょうどタイミングが合ったことから、このような名前がつけられました。

 2010年には、大雪が中西部で降ってSnowmageddonと呼ばれました。Snowはもちろん雪のこと。Maggedonは日本でも映画で有名になりましたがArmageddonに由来しています。

これらの表現は語学力だけではなかなか理解できないもの。これらのはアメリカの表現ですから、アメリカでどのようなことが話題になっているか知る必要もあります。また、これが他の国の例であれば、例え英語圏であっても、アメリカ人が「???」となる可能性が充分にあります。語学だけでは時に不十分である、という例の1つでしょう。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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