INTERPRETATION

第4回 Man

木内 裕也

Bazinga!

 今週の単語はMan。中学校1年生で習う「男の人」という意味の単語ですから、なんら難しいことはないのですが、違った意味で使われることが多くあります。特に話者が若い男性の場合、Hey, man. What’s up?と言った風に、Man自体に何の意味もなく、呼びかけとして使われます。Come on, man….と言うのは、ただCome on.(「お願い」「勘弁してよ」)というのと同じです。Come on, mom. Let me do it.(「お母さん、お願い、私にやらせてみて」)では明確に相手(母親)を指していますが、Come on, manであれば、男性の相手に言及しながらも、BobやJohnなどと言う場合とは違って、一般的な表現です。また、ただ単にOh man!と発することもあります。驚きの表現で使われます。カジュアルな表現ですから、ネイティブスピーカーでない話者が使うことは少ないかもしれませんが、この表現に出会うことはあるでしょう。

 さて、このManがスペイン語圏(特にメキシコや中米)で使われるようになっているとか。私はスペイン語に詳しくありませんが、スペイン語の会話の最後にManをつける若者が多くなっているようです。アメリカのTV番組などの影響なのでしょう。それをかっこいいと考えているのかはわかりませんが、コンピュータやテレビなど名詞の外来語とは違って、感嘆詞的な表現まで英語がそのまま輸入されるというのは、日本語ではないですね。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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