INTERPRETATION

第126回 「最初から」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

from the get-go 最初から

Sorry, it was my mistake. You were right from the get-go.

(ごめんなさい、私のミスです。最初からあなたが正しかったです。)

from the get-goは「最初から」という意味で、主にアメリカで使われる口語表現です。初めて用いられたのは1966年だそうで、アメリカの著作家で公民権運動活動家のToni Cade Bambara(トニ・ケイド・バンバーラ)が小説の中で使ったとありました。その後このフレーズは主にスポーツニュースでよく登場するようになっています。一説によれば、get up and goを縮めたものだそうです。

ところでgetは中学で習う基本単語ですが、辞書を引くとたくさんの意味がありますよね。get in, get through, get offなど、組み合わせた前置詞によってgetそのものの意味からは想像できないような語義になります。こうした「句動詞」は口語表現でよく使われます。学習者向け英和辞典には例文が出ていますので、私自身、早く身につけるためにも英文と訳文をしっかりと「音読」するようにしています。

ちなみに「位置について、用意ドン!」は英語で”On your mark, get set, go!”と言います。また、陸上競技の「フライング」(和製英語)はfalse start、スタートの際に鳴らす「スターターピストル」はstarting pistolです。日本では「400メートルリレー走」と言いますが、英語では4 X 100 metres relay(読み方はfour by one hundred metres relay)となります。一つの語を機に関連用語を調べるとボキャブラリーの構築につながります。ぜひ皆さんも試してみて下さいね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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