INTERPRETATION

第136回 「ようやく意味が分かった」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

the penny (has) dropped  ようやく意味が分かった

After a specific explanation from her, the penny dropped. Now, I can respond to her idea.

(彼女の具体的な説明でようやく意味が分かりました。これで彼女のアイデアに私からも反応できます。)

the penny (has) droppedは「ようやく意味が分かった」という意味です。主にイギリスで使われる略式表現です。hasは入れても省いても構いません。

イギリスの通貨はポンド(pound)とペンス(pence)からなっています。pennyの複数形がpenceです。ただし、「ペニー硬貨」の複数形はpenniesとなります。少々ややこしいですよね。たとえばThis notebook costs 70 pence. とは言いますが、70 penniesとは言いません。一方、細かい小銭に両替するときなどは、Please give me 10 pennies for 10 pence. (10ペンス硬貨をペニー貨10個に換えて下さい)となります。

私が過ごした1970年代のイギリスでは「シリング(Shilling)」という硬貨もありました。シリング自体は1960年代で鋳造が打ち切られたのですが、それでも流通しており、たとえば2シリング硬貨は10ペンスに相当しました。当時のイギリス硬貨は種類が多い、分厚い、重いという特徴があり、お財布があっという間に型崩れを起こしていましたね。

pennyを使ったフレーズは他にもあります。Every penny counts.(どんなに小額でも大切にせよ)、to the penny(正確に計算して)、turn up like a bad penny(歓迎されないのにしょっちゅう顔を出す)などです。ちなみにアメリカ・カナダの「1セント硬貨」もpennyです!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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