INTERPRETATION

第181回 「ギリギリの生活をする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

live on the edge(ギリギリの生活をする)

We must not forget about the refugees. The have lost everything and are living on the edge.

(私たちは難民のことを忘れてはいけません。すべてを失ってしまい、ギリギリの生活をしているのです。)

live on the edgeという表現を初めて聞いたのは、車を運転していたとき。私はエンジンをかけると必ずラジオのAFN(米軍放送)をオンにします。シャドーイングをしたり同時通訳をしたりと車内でもあれこれ楽しみつつ勉強に結び付けようと思っているのです。珍しいフレーズが出てきた際には頭の中で記憶し、赤信号で止まった際、大急ぎでメモ用紙に書き出しています。上記の表現もそのようにして書きとったものです。

live on the edgeを辞書で引くと「きわどい人生を送る」「危険と隣り合わせの人生を送る」などの意味が出てきます。edge自体は「刃物の刃、縁、へり」などの他に「危険、瀬戸際」などの語義も存在します。また、動詞としても使うことができ、たとえばedge one’s voiceは「語気を鋭くする」という意味です。

ところで日本語でも「エッジの利いた」という表現がありますよね。この場合のアクセントは「ジ」が強く読まれます。一方、英語のedgeは冒頭のeに強勢が来ます。考えてみればスマートフォンのLINE(ライン)も後半の「イン」が強いですよね。英語と日本語の強勢の違いを調べてみると色々あり、興味深く思います。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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