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放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第110回  「金銭面で支援する」

bankroll 金銭面で支援する

The event will be bankrolled by contributions from wealthy benefactors.

そのイベントは裕福な寄付者たちによって金銭的な支援を受ける予定です。

 今回ご紹介するbankrollには「金銭面で支援する」という意味があります。bankroll自体はアメリカ英語で「札束」のことですが、動詞にしても使えるのです。ちなみにイギリス英語で「紙幣」はbanknote、アメリカ英語であればbank billとなります。

 ところで相変わらず私は紙辞書を家でせっせと引いては「ことばの世界」を楽しんでいます。愛用しているのは大修館書店の「ジーニアス英和辞典第5版」で昨年末に発行された最新のものです。今回この原稿執筆のためにbankrollを引いたのですが、せっかく調べたので前後の単語や反対側のページに出ている語も読んでみました。

 中でも興味を引いたのが、bankruptという単語。bankruptは「破産する」という意味が有名ですが、実は「好ましい資質を欠く」という意味もあるのだそうです。例文としてShe is intellectually bankrupt.(彼女にはまったく知性がない)と出ています。また、その次の単語bankruptcyにはthe moral bankruptcy of the movie industry(映画産業におけるモラルの欠如)も出ています。

 資格試験のために単語集を一生懸命やるのも学習法の一つですが、こうして自分であれこれ探しては「へえ!そうなんだ!」と楽しむことも、学習継続のポイントです。


第109回  「意見を出す」

chime in 意見を出す

If you would like to chime in on this topic, please access our website.

このトピックについてご意見を述べたい方は、弊社のウェブサイトにアクセスなさってください。

 chime自体は「チャイム」という名詞や「チャイムで知らせる」といった動詞がありますが、chimeに前置詞のinを付けることで「意見を出す」という意味になります。英語はこのように基本単語に前置詞が付くことで句動詞となり、元の単語とは異なる語義が生じます。それを知るのも英語学習の楽しみですよね。

 ところで日本の小中学校で使われている授業のチャイムはロンドンの「ビッグベン」の鐘が元となっています。インターネットで調べたところ、日本だけでなく台湾の学校でも使われているようです。ちなみに私が幼少期に過ごしたイギリスの小学校にチャイムはなく、非常ベルを10秒ほど鳴らすというものでした。業間休みの終わりの際には、係の児童がハンドベルを鳴らしており、風流でした。

 さて、ベルの鳴る音は英語でding-dongと言います。英和辞典を見ると「(鐘の音の)ゴーンゴーン、ガランガラン、ジャンジャン」などとあります。ただ、同じ「ゴーンゴーン」でもこの場合、日本のお寺の鐘とは明らかに異なりますよね。音の表し方や動物の鳴き声なども英英辞典で調べてみると、ネイティブのニュアンスが伝わってきます。


第108回「印象」

takeaway 印象

After listening to the speech, what is your takeaway?

スピーチを聞いてみて、印象はいかがですか?

 今回ご紹介するのはtakeawayという単語です。単体で聞くと、一瞬「食べ物の持ち帰り」という意味が浮かびます。アメリカ英語ではtakeout、イギリス英語はtakeawayと言います。一方、上記の例文では「印象」という意味になります。

 私が愛用しているのは大修館書店「ジーニアス英和辞典第5版」(紙版)です。そちらでtakeawayを引くとtakeoutを参照するようにとあります。そこでtakeoutに目をやると、文字通り「持ち帰り」の意味のみがつづられています。しかし、さらに手間をかけてインターネットの英英辞典を調べてみると"conclusions, impressions, or action points resulting from a meeting, discussion, roundtable, or the like"とあります。つまり、話し合いなどの末に抱く「印象」という意味であることが分かります。

 ところでインターネット上にはたくさんの辞書があります。利用者が意味を投稿する、いわばWikipedia辞書版ともいえるアルクの「英辞郎」は多くの学習者にとっておなじみでしょう。一方、英英辞典ではOxfordやCambridge、Merriam-Websterなどの老舗辞書会社も無料で辞書を公開しています。世界では英米のみならず、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど英語が普及している国がたくさんあります。そうした国々の英英辞典を見てみるのも楽しいものです。


第107回「詳しく説明する」

spell out 詳しく説明する、明確に説明する

Could you please spell out why that team is making a huge success?

あのチームがなぜ大きな成功を収めているのか、詳しく説明していただけますか?

 spell outは英語学習でよく出てくる句動詞です。単語の綴りがわからないときなど「スペルアウトする」と言いますよね。一字一字言う様子を表します。と同時に、今回ご紹介するような「詳しく説明する」という意味もあります。

 spellは辞書を引くとほかにもいくつか意味があります。たとえば「呪文、まじない」もspellですし、sunny spellsのように天候などの「ひと続き」を表すときにも使われます。ただ、綴りは同じでも語源はそれぞれ異なります。単語の「スペル」の場合、古フランス語から来たようです。

 ところで最近はコンピュータの文書作成ソフトにスペルチェック機能が搭載されています。間違えても自動的に直してくれますので、急いでいるときなどは実に便利です。けれども最終的にはやはり人間の「目」が一番確実だと私は思います。と言いますのも、以前、授業の課題を添削していた際、farとすべきところがfurとなっていたり、fanがfunのままだったりしたことがあったのです。こうなるとスペルチェッカーも賢いのか否か怪しくなってしまいます。私たちが「空耳」ならぬ、「空目」状態になるのかもしれません。


第106回「ひどく緊張させるもの」

white-knuckle ひどく緊張させるもの、ハラハラさせるもの

The next election is going to be a white-knuckle race since we have a rising star.

次の選挙は期待の星が台頭しているので、ハラハラする戦いになりそうですね。

 アメリカの人気歌手Pinkの曲の中にwhite knucklesという言葉が出てきます。初めて聞いたときは「白い指関節とは何?」と疑問に思いました。そのときは特に調べずにいたのですが、のちにニュース番組でwhite-knuckle raceという言葉に遭遇したのです。辞書を引くと「ハラハラする戦い」と出ていました。体の一部をこうしてフレーズにするのは興味深いですよね。

 white-knuckleは名詞で「ひどく緊張させるもの、ハラハラさせるもの」という意味です。こぶしを握り締めると指の関節の皮膚が白くなりますよね。そこから「緊張」というニュアンスを伴うようになりました。上記の例文では形容詞として用いられています。

 遊園地には絶叫マシンがありますが、ジェットコースターのような乗り物を英語ではwhite-knuckle rideと言います。また、不安でびくびくしている人のことをwhite-knucklerとも表現します。なお、英語でwhiteは日本同様、「潔白さ」を表しますが、それと同時に「病気や恐怖で青ざめた」という意味も持ちます。日本語では「青」ですが英語では「白」です。こうした色の持つニュアンスも調べてみると奥が深いことがわかります。



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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 現在は通訳学校でも後進の指導にあたる。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」を更新中。