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放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第103回 「飾り立てた」

flowery (文体や話し方が)飾り立てた、美辞麗句を重ねた

Flowery speech sounds nice but it is better to use simple sentences.

飾り立てたスピーチは心地よく聞こえますが、シンプルな文章を使う方が良いですよ。

 そろそろ桜の開花が楽しみな季節となりましたね。ちなみに日本の国花は桜と菊です。イギリス(イングランド)はテューダー・ローズ、オランダはチューリップ、スイスはエーデルワイス、アメリカはバラだそうです。それぞれの国らしさが表れていますよね。一方、桜を県花としているところは京都府の「しだれ桜」と奈良県の「奈良八重桜」だそうです。
 さて、今回ご紹介するfloweryは名詞「花(flower)」から派生した形容詞です。「花のような、花模様の」という意味を持ちます。一方、「(文体や話し方が)美辞麗句を重ねた、飾り立てた」という比ゆ的な意味もあります。
 ところで本稿執筆に当たり私は毎回いろいろなサイトをのぞくのですが、今回とても興味深く活用したページがありました。辞書会社Merriam-Websterのホームページです。こちらは辞書サイトなのですが、単語を入力すると意味や類語、反意語などが出てきます。中でも面白かったのが「韻を踏む単語」を紹介していたことでした。Floweryと同じ韻を踏むのはcowrie(貝の一種。コヤスガイ、タカラガイ)やfloury(粉のような)なのだそうです。詩の執筆などに役立ちそうですね。興味がある方は以下にアクセスなさってください。

http://www.merriam-webster.com/dictionary/flowery


第102回 「(法案など)の通過を遅らせる」

bottle up (法案など)の通過を遅らせる

Since the content was so unpopular among the people, the bill was bottled up in the Diet.

中身があまりにも人々から不人気だったため、その法案は国会での通過が遅れました

 私は放送通訳の早朝シフトに入ることが多いのですが、そのような日は朝4時からのラジオニュースに耳を傾けています。聞いているのはAFNという米軍放送です。ちょうどこの時間帯にはアメリカNPRの番組が転送されており、毎回興味深く聞いています。今回ご紹介するbottle upという表現もNPRのニュースに出てきました。
 bottleは「瓶」のことですが、口が細いタイプの瓶を指します。取っ手が付いているものはjug、「ガラス瓶」はjarです。最近は瓶に野菜などをぎっしり詰めたジャーサラダもはやっていますよね。
 上記例文のbottle upは「(法案など)の通過を遅らせる」という意味です。他にも「(感情など)を押し殺す」「(問題など)を棚上げする」という語義があります。私など「upが後ろに付くので、downもあるのかな?」と気になるのですが、調べてみたところ、bottleの場合はupかoutぐらいしか見当たりませんでした。ちなみにbottleの原義は「小さな(le)+たる(bott)」から成り立っているそうです。


第101回 「(進行を)妨害する」

throw a spanner in the works (進行を)妨害する

During the final stage, our budget was cut in half. That really threw a spanner in the works.

最終段階になって予算を半分にされました。あれで本当に妨害されましたよ

 今回ご紹介する表現はthrow a spanner in the worksです。主にイギリスで使われる略式表現で、アメリカの場合、throw a wrench in the worksとなります。意味はいずれも「(進行を)妨害する」です。 

 spannerは工具の「スパナ」「レンチ」のことです。エンジンなどにスパナを投げ入れてしまえばエンジンが壊れてしまいます。そこから「妨害する」という意味になったそうです。初めて使われたのは1930年代とされています。

 ところでスパナとレンチに違いはあるのでしょうか?spannerはイギリス英語、wrenchはアメリカ英語で、同じものを指します。一方、日本語の場合、幅を調整するタイプのものは「モンキーレンチ」と呼ばれています。また、家具などの金属部分で六角形の留め具がありますが、そのネジを止めたり緩めたりするものを「六角棒スパナ(英語ではhex key)」と言います。自分で組み立てるタイプの本棚やイスなどにL字型のネジ締めがありますよね。あれが六角棒スパナです。英語のhexはhexagon(六角形)から来ています。

 私たちの日常生活でよく見かけるものも、改めて調べてみると新しい発見があります。インターネットで画像検索をすればすぐに分かりますので、本当に便利な時代になりましたよね。


第100回 「コツを教える」

show someone the ropes コツを教える

You seem to be struggling with the tool. Let me show you the ropes.

どうやらその工具に苦戦しているようですね。コツをお教えしましょう

 本コラムもおかげさまで第100回目を迎えました。ここまで長く続けることができましたのも、読んでくださる読者のみなさまのおかげです。改めまして心より御礼申し上げます。みなさまの英語学習に少しでもお役にたちたいというのが私の願いです。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
 さて、今回ご紹介するのはshow someone the ropes、「コツを教える」というフレーズです。ropeは文字通り「ロープ」のことですので、文字通り訳せば「ロープを見せる」となります。これは航海関連が語源のようで、帆船がロープを多用しているところから誕生したとされています。経験ある船員が未熟な者に教える、という意味から来たようです。show以外にもteach someone the ropesと言うこともあります。
 さて、英語学習に「コツ」はあるのでしょうか?私自身の経験を振り返ると、ひたすら試行錯誤の連続で今に至っているという感じです。通訳の仕事をしていても、まだまだ学ぶことは果てしなくあり、学習法や時間の使い方など、自分に合いそうなものはトライし続けています。英語上達の最大のコツは、とにかく「続けること」なのかもしれませんね。


第99回 「大損する」

take a bath 大損する

Since the company wasn't careful enough, it took a bath investing in their new project.

その会社は十分注意を払わなかったため、新規プロジェクトへの投資で大損しました

 私は「記念日」と名の付くものが好きで、カレンダーなどに書かれている「○○の日」という記述に注目しています。国民の祝日や業界団体が設定する記念日など、その内容も多岐にわたりますよね。ちなみに毎月26日は「ふろの日」なのだそうです。そこで今回は「お風呂」に関連した英語表現を見てみましょう。
 take a bathは文字通りであれば「お風呂に入る」という意味です。一方、略式表現では「大損する」という意味にもなります。ビジネスや投資などで巨額の損失を出す様子を表します。このフレーズが誕生したのは1900年代の始めだそうです。
 ところで日本語では「お風呂に入る」という具合に動詞の「入る」が使われます。英語で「お風呂に入る」はtake/have/get a bathです。「浴槽そのものに入る」のであれば、get into a bathとなります。同じ行為でも動詞が日本語と英語で異なるのは興味深いですよね。
 私はこの原稿を書くに当たり、紙版の辞書「オーレックス英和辞典」(旺文社)を今回は活用していますが、bathを使った表現がもう一つありました。take/have an early bathです。これはイギリスの口語表現で「(サッカーなどで)退場させられる」という意味だそうです。ちなみにan early exit from the World Cupは「ワールドカップからの早期敗退」となります。これを機にスポーツ用語を学ぶのも楽しそうですね。



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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 通訳学校で後進の指導にあたるほか、大学の英語学習サポートルームにて英語学習アドバイザーも務める。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」を更新中。