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放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第116回 「~へ出発する」

ship out ... ~へ出発する

Although I like living in the east coast, I'm shipping out west to do my master's degree in California.

東海岸で暮らすのは好きなのですが、カリフォルニアで修士課程の勉強をするため、西に向けて出発します。

ship out ... は「~へ出発する」という意味です。口語表現ですが、アメリカ英語ではよく出てきます。ship out westと言った場合、これは西、つまり西海岸の方を指していることになります。例文の前半に「東海岸」とありますので、文脈から想像することもできますよね。

shipを学習者向け英和辞典で調べると、boatやvesselとの違いが出ています。私が愛用する大修館書店「ジーニアス英和辞典第5版」ではshipの見出しの下に「通例boatより大きくvesselより小さい」とあります。ちなみに「ラクダ」はthe ship of the desertsとも言うそうです。辞書を引いたついでに例文や注意書きを読んでみると、思わぬ発見がありますよね。

なお、動詞としてのshipは列車やトラック、飛行機などを使って貨物を「送る、輸送する」という意味です。名詞では「飛行船」「宇宙船」という語義もあります。熟語では「今の仕事を辞める」がjump ship、「(会社の苦境をよそに)さっさと見限って去る」はleave a sinking shipです。

shipは中学校で学ぶ基礎単語ですが、調べてみると奥が深いですよね。ぜひみなさんも簡単な単語をあえて辞書で引き直し、多様な世界を楽しんでください。


第115回 「ものすごく」

monstrously ものすごく

The actor found the reporter's question monstrously difficult.

その俳優は記者の質問をものすごく難しく感じました。

今回ご紹介するmonstrouslyに初めて出会ったのは、放送通訳の現場でした。CNNではニュースの合間に別番組の予告が流れます。そのとき画面に映ったのは俳優のベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)。映画「SHERLOCK(シャーロック)」で一躍有名になりましたよね。本人のセックスアピールについて記者に問われた際、"I feel monstrously uncomfortable talking about this"と答えています。

monstrouslyはmonster(怪物)から派生した単語です。monster自体の語源はmonstrumというラテン語で、monere(警告する)から来ています。monsterも元は「警告するもの」という意味があり、怪物が神の警告と考えられていたことから、怪物という意味になりました。

monstrouslyにはほかにも「巨大な (gigantic)」という意味もあります。たとえばa monstrously fat animal(巨大な動物)などです。monstrousと形容詞にした場合は、a monstrous sum of money(途方もない金額)、a monstrous wave(巨大な波)という使い方もできます。状況を強調する副詞というのもいろいろあり、興味深いですよね。


第114回  「大勢の」

an army of ... 大勢の

In order to deal with the situation, we need an army of helpers.

状況に対応するため、大勢の助っ人が必要ですね。

 an army of ... は「大勢の」という意味です。a lot of と同じ意味になります。army の語源はarm(武装した)とy(集団)で、army 字体は「軍隊」のことですよね。ただし、「陸・海・空軍」という観点から見た場合、armyは「陸軍」のことになります。ちなみに海軍はnavy、空軍はair forceです。
 今回an army of ... というフレーズに出会ったのも放送通訳現場でした。こうした単語が出てくると、つい「ではnavyやair forceを使った表現は?」と気になります。表現力増強に大切なのは、こうした小さな疑問を解消すること。早速調べたところ、それほど珍しい意味を持つフレーズはなかったのですが、navy beanという単語に惹かれました。こちらは「白インゲンマメ」だそうです。注釈を読むと、「昔米海軍の貯蔵食料だったことから」とあります。そういえば日本には「海軍カレー」というものがありますが、こうして何かの由来がきっかけで単語が生まれることがあるのですよね。
 ところで「非難の嵐」は英語でa barrage of criticismと言います。barrageは「集中砲撃」という意味です。今回のコラム執筆を機会に軍事用語を使った表現をいろいろと調べたくなりました。


第113回  「迅速に」

in short order 迅速に

We have to be ready in short order.Otherwise, we will miss the train.

迅速に準備しないと。さもないと電車に乗り損ねますよ

 CNNの放送通訳をしていると、毎回さまざまな表現に出会います。私は自分の出番中あるいは控室で準備中に新しいフレーズに遭遇するとできる限りメモを取るよう心掛けています。知らなかったことを新たに知るというのは英語学習のみならず、すべての学びにおける喜びだと思います。

 さて、今回ご紹介するin short orderもCNNに出てきたものです。意味は「迅速に」で、quicklyやwithout delayと言い換えることもできます。辞書でorderを引くと一般的な語義がまずは紹介されており、このような句動詞、つまり前置詞と単語の組み合わせからなるフレーズは見出しの後半に登場します。orderを使った句動詞は実にたくさんあり、それらを眺めているだけでもorderの持つ多様性を改めて感じることができます。

 ちなみにorderの語源を調べたところ、「聖職者の階級」と出ていました。そこから派生して「順序」という意味になったのだそうです。私は大修館書店「ジーニアス英和辞典第5版」を使っているのですが、例文を眺めていると興味深いものもありました。たとえばa genius on the order of Einstein (アインシュタイン級の天才)やThe meeting will please come to order. (ご静粛に願います)、An apology is certainly in order.(当然謝罪が必要だ)などです。既知の単語からも改めて学べることがあります。


第112回  「時流の先端に」

ahead of the curve 時流の先端に

Our consultant has given us an excellent advice so that we can stay ahead of the curve

私たちが時流の先端にいられるようにするため、コンサルタントは素晴らしい助言をしてくれました。

 ahead of the curveは主にアメリカで使われるビジネス関連の口語イディオムで、「時流の先端に」という意味です。「時代を先取りして、先手を打って」というニュアンスです。反対語はbehind the curveでこちらは「時代に取り残されて」という意味になります。ちなみに経済学では「需要供給曲線」ということばがあり、これはsupply and demand curveと言います。日本語では「需要(demand)」「供給(supply)」の順番ですが、英語の場合、supply が先に来ることにも注目しましょう。

 さて、curveは「曲線、カーブ」といった意味が主に知られていますが、派生語もいくつかあります。curveballは野球の「カーブ」のほかに、「ごまかし、策略」という意味もあります。また、throw someone a curveは「人に難問をぶつけて困惑させる」です。また、教育分野における「相対評価」はcurve evaluationと言います。

 なお、Oxford Advanced Learner's Dictionaryでcurveを引くと、bend, curled up, twisted, waxy, curlyなどの単語との違いがイラストで示されています。てっとり早く英和辞典で意味を知ることは時間短縮でもありますが、その一方で、こうしてあえて英英辞典を引き、図で見て確認をするというのも楽しい作業です。オックスフォード英英辞典は学習者向けですので、ぜひみなさんも慣れ親しんでみて下さいね。



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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 通訳学校で後進の指導にあたるほか、大学の英語学習サポートルームにて英語学習アドバイザーも務める。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」を更新中。