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放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第113回  「迅速に」

in short order 迅速に

We have to be ready in short order.Otherwise, we will miss the train.

迅速に準備しないと。さもないと電車に乗り損ねますよ

 CNNの放送通訳をしていると、毎回さまざまな表現に出会います。私は自分の出番中あるいは控室で準備中に新しいフレーズに遭遇するとできる限りメモを取るよう心掛けています。知らなかったことを新たに知るというのは英語学習のみならず、すべての学びにおける喜びだと思います。

 さて、今回ご紹介するin short orderもCNNに出てきたものです。意味は「迅速に」で、quicklyやwithout delayと言い換えることもできます。辞書でorderを引くと一般的な語義がまずは紹介されており、このような句動詞、つまり前置詞と単語の組み合わせからなるフレーズは見出しの後半に登場します。orderを使った句動詞は実にたくさんあり、それらを眺めているだけでもorderの持つ多様性を改めて感じることができます。

 ちなみにorderの語源を調べたところ、「聖職者の階級」と出ていました。そこから派生して「順序」という意味になったのだそうです。私は大修館書店「ジーニアス英和辞典第5版」を使っているのですが、例文を眺めていると興味深いものもありました。たとえばa genius on the order of Einstein (アインシュタイン級の天才)やThe meeting will please come to order. (ご静粛に願います)、An apology is certainly in order.(当然謝罪が必要だ)などです。既知の単語からも改めて学べることがあります。


第112回  「時流の先端に」

ahead of the curve 時流の先端に

Our consultant has given us an excellent advice so that we can stay ahead of the curve

私たちが時流の先端にいられるようにするため、コンサルタントは素晴らしい助言をしてくれました。

 ahead of the curveは主にアメリカで使われるビジネス関連の口語イディオムで、「時流の先端に」という意味です。「時代を先取りして、先手を打って」というニュアンスです。反対語はbehind the curveでこちらは「時代に取り残されて」という意味になります。ちなみに経済学では「需要供給曲線」ということばがあり、これはsupply and demand curveと言います。日本語では「需要(demand)」「供給(supply)」の順番ですが、英語の場合、supply が先に来ることにも注目しましょう。

 さて、curveは「曲線、カーブ」といった意味が主に知られていますが、派生語もいくつかあります。curveballは野球の「カーブ」のほかに、「ごまかし、策略」という意味もあります。また、throw someone a curveは「人に難問をぶつけて困惑させる」です。また、教育分野における「相対評価」はcurve evaluationと言います。

 なお、Oxford Advanced Learner's Dictionaryでcurveを引くと、bend, curled up, twisted, waxy, curlyなどの単語との違いがイラストで示されています。てっとり早く英和辞典で意味を知ることは時間短縮でもありますが、その一方で、こうしてあえて英英辞典を引き、図で見て確認をするというのも楽しい作業です。オックスフォード英英辞典は学習者向けですので、ぜひみなさんも慣れ親しんでみて下さいね。


第111回  「危険な」

dicey 危険な

Following some dicey moments, the team finally scored a point.

いくつかの危険な瞬間を経て、チームはようやく得点を決めました。

今回ご紹介するdiceyは「危険な」という意味です。サイコロのdiceから来た表現で、1945年ごろから使われ始めたとされています。かつては航空業界用語だったそうです。同義語としてはriskyがあります。

この単語はどちらかといえばくだけた場面で使われます。なお、辞書を引くと活用もきちんと出ており、dicey / dicier/ diciestとなることがわかります。形容詞はその都度活用形まで辞書でチェックすると、確認作業になりますよね。

さて、dice(サイコロ)はもともと単数形のdieとして使われていました。しかし、複数形のdiceが今では主流になったそうです。ちなみに「サイコロを振る」はthrow a dice またはroll a diceと言います。「振る」であっても英語の場合、shakeではありません。

ここでさらに辞書を読み進めると、料理用語の「さいの目に切る」がdiceであることも説明されています。Dice the carrot into small cubesであれば「ニンジンをさいの目に切りなさい」です。「さいの目=賽の目」であり、「賽」はサイコロのこと。実は日英同一だったのも興味深いところです。


第110回  「金銭面で支援する」

bankroll 金銭面で支援する

The event will be bankrolled by contributions from wealthy benefactors.

そのイベントは裕福な寄付者たちによって金銭的な支援を受ける予定です。

 今回ご紹介するbankrollには「金銭面で支援する」という意味があります。bankroll自体はアメリカ英語で「札束」のことですが、動詞にしても使えるのです。ちなみにイギリス英語で「紙幣」はbanknote、アメリカ英語であればbank billとなります。

 ところで相変わらず私は紙辞書を家でせっせと引いては「ことばの世界」を楽しんでいます。愛用しているのは大修館書店の「ジーニアス英和辞典第5版」で昨年末に発行された最新のものです。今回この原稿執筆のためにbankrollを引いたのですが、せっかく調べたので前後の単語や反対側のページに出ている語も読んでみました。

 中でも興味を引いたのが、bankruptという単語。bankruptは「破産する」という意味が有名ですが、実は「好ましい資質を欠く」という意味もあるのだそうです。例文としてShe is intellectually bankrupt.(彼女にはまったく知性がない)と出ています。また、その次の単語bankruptcyにはthe moral bankruptcy of the movie industry(映画産業におけるモラルの欠如)も出ています。

 資格試験のために単語集を一生懸命やるのも学習法の一つですが、こうして自分であれこれ探しては「へえ!そうなんだ!」と楽しむことも、学習継続のポイントです。


第109回  「意見を出す」

chime in 意見を出す

If you would like to chime in on this topic, please access our website.

このトピックについてご意見を述べたい方は、弊社のウェブサイトにアクセスなさってください。

 chime自体は「チャイム」という名詞や「チャイムで知らせる」といった動詞がありますが、chimeに前置詞のinを付けることで「意見を出す」という意味になります。英語はこのように基本単語に前置詞が付くことで句動詞となり、元の単語とは異なる語義が生じます。それを知るのも英語学習の楽しみですよね。

 ところで日本の小中学校で使われている授業のチャイムはロンドンの「ビッグベン」の鐘が元となっています。インターネットで調べたところ、日本だけでなく台湾の学校でも使われているようです。ちなみに私が幼少期に過ごしたイギリスの小学校にチャイムはなく、非常ベルを10秒ほど鳴らすというものでした。業間休みの終わりの際には、係の児童がハンドベルを鳴らしており、風流でした。

 さて、ベルの鳴る音は英語でding-dongと言います。英和辞典を見ると「(鐘の音の)ゴーンゴーン、ガランガラン、ジャンジャン」などとあります。ただ、同じ「ゴーンゴーン」でもこの場合、日本のお寺の鐘とは明らかに異なりますよね。音の表し方や動物の鳴き声なども英英辞典で調べてみると、ネイティブのニュアンスが伝わってきます。



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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 通訳学校で後進の指導にあたるほか、大学の英語学習サポートルームにて英語学習アドバイザーも務める。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」を更新中。