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21世紀の通訳 -Interpreting in the 21st Century-

第26回 2015年を振り返って

みなさん、こんにちは。2015年も終わりに近づいていますね。社内通訳者の方は外国人がクリスマス休暇に入ってしまって少し落ち着いているでしょうか。翻訳者の方は年内に終わらせておきたいという仕事でお忙しいかもしれませんね。

私の勤務先も外国人が休暇に入ったため、私も12月25日で仕事を切り上げて、冬休みに入ることにしました。と同時に、来年からは勤務先を変えることになったので、今の会社での半年間を振り返ってみたいと思います。

結果から言うと、半年間とてもいい経験をさせていただきました。特に、社内通訳者を務めた会社では役員、それぞれの事業部長など通訳を必要とする方が多く、民間も外資系企業も初めてでしたが、色々な側面から1つのビジネスを理解することができました。特定の部署の特定の役職付きのポジションだったらこうはいかなかったと思います。また、周りの方がみなさん親切で辛抱強く、至らないところも多かったとは思いますが、あたたかくご指導いただきました。色々な用語にも慣れ、準備もだんだん楽になっていきました。

テンナインの工藤社長によると「通訳者はいつも崖っぷちでいるくらいでないとダメ。あまり準備をしなくても仕事をこなせるようになってきたら、次のステップに進むといいかもしれない」ということです。私は今の職場で「準備をしなくても仕事がこなせるか」と言われると全然そんなことはないのですが、少し経験の幅を広げたくて、次の会社に移ることにしました。新しい勤務先はまた分野が違うので、成長に繋がればと思っています。

今回は色々なことが「最後」だということにちなんで、ひとつ書いておきたいのですが、ウィスパリングの仕事が多い中で、最近久しぶりに逐次通訳の仕事をしました。逐次通訳では、メモを取りながら通訳をするのですが、多くの通訳者が抱える問題の1つに、「一番最後の部分を忘れてしまう」ということがあります。これは私も訓練中によく抱えていた問題なのですが、大学院で学んでいるうちに、自分だけの問題でないことを知りました。逐次通訳をするときには、話し手は話をまとまりごとに切りながら話をしますが、まとまりの終わりが近づくと、通訳者は少し油断してしまうのだそうです。また、まとまりの最後に来た部分は、記憶が新鮮なため、覚えておけるだろうと、最後の部分についてはメモを取らずに、メモを最初から読みながら通訳に入るわけですが、終わりに近づくころには記憶が薄れてしまっているため、最後があやふやになってしまうという現象に陥ります。話が終わりが近づいたときこそ、集中力を一層発揮して、結論をきちんと覚えたり、メモに残しておかなければいけないというわけです。

それではみなさん、よい年末年始をお過ごしください!


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プロフィール

佐藤 祐大

佐藤 祐大さん
日英会議通訳者。熊本大学英文科卒。 公益財団法人日本英語検定協会に4年半務めたのち、ロンドンメトロポリタン大学に留学し、会議通訳の修士号を取得。 製薬会社、経営コンサル会社での社内通訳者を経て、2016年7月より現職。