INTERPRETATION

第17話 同通エンジニアのお仕事

吉岡余真人

通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

みなさん、こんにちは

今回は前号までとは趣向を替え

第17話では、私達、同通エンジニアのお仕事をご紹介したいと思います。

1.同時通訳制御器とは

まずは機器の種類をご紹介します。

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2.エンジニアの役割

① 通訳音声を一定音量に調整する。

② 通訳操作器の誤操作をフォローする

  

例えば

CH-1日本語・CH-2英語の場合で日本語通訳にする際

CH-2英語のボタンに押し間違いの場合、

参加者には英語チャンネルに日本語が聞こえてしまいます。

エンジニアは通訳音声をモニター(検聴)しているため、すみやかに通訳者の押し間違いをフォローします。

フォローの方法は

ブースの窓をたたいて通訳者にメッセージする

通訳ブースに行き、正規のボタンを押す

などがあります。

日本無線製の同時通訳機材は

CAUTIONボタンがあり、ランプでメッセージすることができます。

③ 録音業務

現在はデジタル録音が主流でUSBやDVDで納品します。

以前はカセットテープでしたが、デジタル録音で音質が向上しました。

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弊社エンジニアの業務風景です。

緊張感がありますね

通訳のみなさんへ一定の音

通訳音声を参加者へ安定して、届ける

当たり前のことですが、

これからも

私達は裏方として、最善を尽くします。

ではまた!

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記事を書いた人

吉岡余真人

東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年から2017まで株式会社テンナイン・コミュニケーションに在籍し
2017年8月からバルビエコーポレーション株式会社を設立し現在に至る。

END