HOME > 通訳 > 通訳者インタビュー

Training Global Communicators

Vol.20 「続けるということ」

【プロフィール】
橋口千枝さん Chie Hashiguchi
大学卒業後、総合科学会社に社内通訳翻訳者として就職。退職後フリーランスとして舞台関係中心に通訳業務に携わり、オペラ座の怪人、シルク・ド・ソレイユなどの来日公演通訳を経験。その後、会議通訳にシフトし、現在はフリーランス会議通訳者として多忙な毎日を送る。

語学に興味を持ったきっかけは?
私にとって言葉は「なぞなぞ」のようなものだったんです。英語に関わらず、古文なども、何となくゲーム感覚だったというか。
アメリカのディズニーランドを紹介する番組が好きで、小さい頃よく見ていました。外国といえばディズニーだと思っていたので、憧れの国だったんです。縁あって、高校2年の時に1年間のアメリカ留学が決まったときは嬉しかったです。

大学卒業後は、社内通訳翻訳者として企業に就職されたんですか?
何らかの形で語学を生かした仕事がしたいなと思っていました。大企業だとどの部署にまわされるか分からないしと考えていたところ、通訳翻訳者を募集していた企業が、通訳学校にも通わせてくれるというので迷わず入社を決めました。大学では主にドイツ語を勉強しましたが、通訳の勉強はしたことがなかったので本当に苦労しました。いきなり会議の場に放り込まれ、今考えても恐ろしいのですが、ここでは通訳のやり方だけでなく、社会常識も含めいろいろと勉強させて頂きました。

福岡では英語を教えていらっしゃったんですか?
当時、福岡には通訳の仕事がほとんどなかったんです。もともと人前で話すのが苦手で、それを克服するためにと英会話講師の仕事を始めたのですが、通訳とはまた違ったおもしろさがありました。求められる能力も全く別です。今でも毎年夏に長崎で通訳集中講座を担当しており、教えるのは割と性に合っています。人の持っている可能性や能力を引き出していくのは、わくわくしますし、がんばっている人を見ると応援したくなるんです。自分もがんばらなきゃ! って、いつも刺激を与えてもらっています。福岡には1年ほど滞在した後、私自身もっと勉強が必要だと感じて東京に戻ることにしました。

通訳の仕事を再開してみていかがでしたか。
私にとっては、福岡から東京に戻ってきた時が本当の意味でのスタートでした。再び通訳学校に通いながら、電車に乗っている間中シャドウイングをし、夜はいろんな勉強会に参加しました。下手すると、1週間のうちほとんど夜は勉強会で埋まっていたこともありました。少しずつ舞台関係のお仕事を頂くようになりましたが、一番嬉しかったのが、福山雅治に会えた時です! ミーハーな話ですが、実は昔からファンなんです。3年ほど前に、ある俳優のファンクラブ向けトークショーがあったんです。アメリカの写真家とのコラボレーションということで、通訳を担当しました。とにかく急な依頼だったので、打ち合わせする間もなく会場に入ってみてびっくり! 確かに「福山さん」と名前だけは伺っていましたが、まさか福山雅治本人だとは思ってもいなかったので。実物はかっこよかったです......。

長期的な目標を持って、勉強してこられたと伺いましたが。
学校でもずっと言われ続けてきたんですが、「継続は力なり」なんです。最初の学校では、「石の上にも3年」と言われ、とにかく3年我慢した人は何かモノになっていると。トップレベルの力ではないにしても、何かしら英語を使った仕事で食べていけるぐらいにはなると言われました。私自身は3年だとちょっと自信がないから、5年やってみようと思ったんですよ。もしも5年でモノにならなかったら辞めようって。実際5年経ったら通訳の仕事に就けたので、じゃあもっとがんばってみようと思いました。その次は、XX歳で会議通訳のチャンスに恵まれなければ辞めようと決心しました。大切なのは長期的な目標を持つことなのかもしれません。続けていけば力になっていきますし、それに見合った結果はついてくると思います。

舞台通訳から会議通訳に転向されたのは?
舞台の仕事はとっても楽しかったんですが、時間的な拘束が長く、時間も不規則なんです。丸2日間缶詰になることもあり、ある時ふと、この仕事を20年後も続けていけるだろうかと不安になったんです。年齢的なことも視野に入れて、今後は会議通訳を目指すことに決めました。舞台通訳と会議通訳では、求められる要素が全く違います。両方とも違った意味での大変さがあると思います。もちろん面白さという点においてもそうですが。

通訳をしていて一番やりがいを感じるときはどんな時ですか?
やりがいを感じるのは、お客さんに「よかった」と言われた時ですね。逆に難しいなと思うのは、「資料なし、ブリーフィングなし」でいきなり本番の時です。もちろん最大限に準備して本番に臨みますが、必ずしも満足いく結果が出るとは限りません。今日はいまいちだったなという時もあるんです。ただ、お客さんにとっては、その1回が私の評価になります。今日は調子が悪かったので......なんて言い訳はできません。私たち通訳者のパフォーマンスに対して、お客さまは対価を払うわけですし、その他にも事前準備、服装、立ち振る舞いといったことも重要だなと思います。

非常に多趣味だと伺いましたが。
そうなんです。たぶんそうでもしていないと、ストレスを発散できないのかもしれません(笑)。自分が年老いたときに、通訳だけの人生だったというよりは、いろんなことをやっておきたいと思っているんです。いずれ私にも引退の時が来ますし、その時に何か他にも夢中になれるものがあれば素敵だなと思って。今一番熱中しているのが、沖縄の三味線「三線(サンシン)」です。去年の暮れ2週間沖縄に滞在した時に、MY三線を注文し、毎日海辺で練習しました。他には、ワインスクールとパン教室にも通っています。

今後のプランは?
通訳も続けつつ、パン作りももうちょっとがんばっていきたいなと思っています。今一番上のクラスにいるんですが、実技がまだまだなんです。コースを終了したら、試験を受けてパンの講師もありかなと考えています。それから半分冗談ですが、三味線で民謡酒場デビューするとか(笑)。ワインも資格が取れたら、生かしていきたいと思っています。将来的には、通訳翻訳からお酒関係にシフトしていけたらいいなと。なにせB型ですから、何でも始めたら突き詰めていきたいタイプなんです。

編集後記
通訳以外の活動も積極的に行っていらっしゃると伺ってはいましたが、まさかこれほどまでとは! どれ一つ取っても、趣味の域を超えているのもすごいことです。橋口さんが将来どこかで素敵なバーをオープンされたら、是非お訪ねしたいと思います。
橋口千枝さんへメールを送る


弊社から転送させていただきます。
件名には「●●様」と宛先人を明記してください
内容によっては転送できませんので予めご了承ください

Vol.19 「ことばが私の原動力」

【プロフィール】
高橋美佐さん Misa Takahashi
明治大学文学部仏文科卒業後、大手アパレルメーカーに勤務。6年間の勤務を経て、フランスに渡る。2年間の滞在中、パリ・安田火災ワールドアクセスセンター、米国系コンサルティング企業に勤務。帰国後、国際間コーディネーターとして独立、主に芸術分野の日/伊/仏/英通訳者として活躍する傍ら、ナレーション、翻訳、仏語講師など、枠にとらわれない活動を展開中。著書に、『はじめてのイタリア語』、『絵でわかるイタリア語基本単語』(明日香出版)、『しっかり学ぶフランス語』(ベレ出版)がある。

外国語との出会いは?
小さい頃、外国=アメリカというイメージがあり、どんな国なのかなぁと漠然と思っていたんです。英語の勉強という意味では学校のThis is a pen.から入ったんですが、これは向いているかも! と思いましたね。フランス語は、フランスポップス歌手のミッシェル・ポルナレフを好きになったのが始まりです。私の中学生時代のアイドルで、この人のお嫁さんになるんだ! と思っていたんです(笑)。本格的に勉強を始めたのは、大学生になってからなのですが。イタリア語を勉強し始めたのは、フランス滞在を終えてからです。もう1つ何かできると強みになるかもしれないと感じたこと、フランス語と似ているので効率もいいかなと思っただけなんですが、思いの外うまく進んで今では仕事の半分がイタリア語なんです。
パリに渡ったきっかけは何だったんですか?
企業で6年働いたんですが、とにかく毎日忙しくて気が付いたら結構お金が貯まっていたんです。年齢的なこともあって、30才になる前に新境地を! と思ったんですよ(笑)。何となくこのままではダメなんじゃないかと感じていました。中学生の頃からパリの街に恋こがれていて、一体どんなところなんだろうって常々思っていたんですが、ただ観光で訪れるようなことはしたくなかったんです。フランスという国に対して敬意を示したかったというと大げさかもしれませんが。街について勉強し、言葉もある程度できるようして、「この街や文化が好きで、子供の頃から勉強していました」と胸を張って言えるようになってから行きたいと思っていたんです。
そんなわけで、28年間の片想いを経てパリに渡りました。
帰国後、国際間コーディネーターとして独立されたと伺いましたが。
最初は知り合いの紹介でお仕事を頂き、徐々にフリーランスとしての活動を始めました。イタリア語の勉強を始めた頃でもあったので、通訳を目指すというよりは、イタリア語を日本で一番できる人になろう! と思っていたんです。もう挫折しましたけれど(笑)。昼間働き夜学校に通う生活を1年半続け、とにかく自分で自分のお尻を叩かないとと、無理矢理名刺にイタリア語もできますって書いちゃったんです。30才になっていたので、このままでは実績も作れないまま時間だけが過ぎていくんじゃないかと焦燥感を覚えたんですよ。それからイタリア語の仕事が来るようになったんですが、今考えるとかなりの冒険でした。
「3ヶ国語単語帳」
舞台通訳の魅力は?
「普通」じゃない人達に会えることだと思います。一番印象に残っているのは、新国立劇場でのオペラ通訳です。振付家に付いて通訳するのですが、最初は通訳するタイミングがうまく掴めず本当に大変でした。分厚い脚本を見ながら進めていくので、例えば「何ページのこの歌の部分の、この歌い出しのところで躍り手さん動いて下さい」、と振付家が言うのをそのまま通訳しても何だか変な感じなんですね。私自身オペラに関する知識が全くありませんでしたので、正直自分でも満足のいくパフォーマンスではありませんでした。すごくくやしくて、次に同じ仕事が来たときは1ヶ月前からCDと台本を付き合わせて必死に勉強したんです。3時間分の台詞を全部調べ、有名なアリアはCDで覚えるなどして徹底的に予習して行きました。練習が始まって、振付家が「楽譜何ページ何小節目のところから」と言ったとき、私は「テノール歌手の『光が』という台詞から」と通訳したんです。通訳時間もぐんと短縮されるし、日本人出演者にも的確に伝わったようで、大変感謝されました。私自身もすごく達成感があって、初日舞台終了後打ち上げのビールのおいしかったこと! 大変だったことなど全て忘れて、本当に嬉しかったです。それ以後もリピートを頂いていますが、甘んじることなく毎回同じように勉強しています。この5年でかなりオペラに詳しくなりましたが、お金を頂きながら知識を増やしていけるなんて、本当にありがたいことだと感謝しています。
多言語が話せるのを「強み」と感じるのはどんな時ですか?
例えばいろんな国の方を交えて英語で会議をしたときに、私一人でイタリア語・フランス語・英語・日本語がカバーできるので、お客様には重宝がられますね。微妙なニュアンスの確認を取りたいときに、「高橋さん、今のをちょっとフランス語で聞いてもらっていいですか?」と頼まれることもあります。翻訳では、VOGUE NIPPONというファッション雑誌の翻訳を長い間担当させて頂いております。各国からいろんな面白い記事を集めてきて日本に紹介することが多いのですが、例えばアメリカ版VOGUEの中に、フランス語やイタリア語がファッションのキーワードとして出てくることがあるんです。そういうときには、重宝されているようですね。
新しい単語は、3言語関連づけて覚えるのですか?
無意識にやっているところがあります。例えばフランス語で何か新しい言葉に出会ったら、これってイタリア語だとどうなんだっけ? と、頭が自動的に反応するんです。そうなると、ついでだから英語も調べておこうかという気になるんですよね。アフリカの言語、韓国語、ランス語とかだと、違うかもしれませんが、ヨーロッパ言語ということで、関連づけて覚えられる利点はあります。
「困った時のお助けメモ」
プロとして心がけていることはありますか?
健康管理のため、サプリメントを毎日飲んでいます。コラーゲン、緑黄色野菜、フルーツ(笑)。こういう仕事をしていると食事が偏りますし、バランスよく食べてよく寝る!、なんてなかなか難しいんですよね。私の自慢は基礎体力と、やれと言われたらやれるという根性、それを裏付けるためにきちんと食べて必要な栄養を摂ることです。月に2回はプールで泳ぐようにもしているんですよ。
1週間のスケジュールは?
今週のスケジュールをお話しましょうか。月曜はこのインタビュー後に渋谷でお買い物。帰宅すると、インタビュー原稿のテープ起こしが待っています。ちなみに納期は明日までなんですけれど(笑)。火曜日は、午前中に語学学校で教えて、木曜は語学教材作りに関する打ち合わせと、ビジネス関係のディナーがあります。金曜はプールで泳いだ後、日頃お世話になっているオペラ団体の公演を観にいきます。今週は割と穏やか且つバラエティ豊かなんですが、週によってはテレビ通訳が1週間続き、舞台通訳で缶詰になっているときもあります。
ワイン関係のフランス語講座も担当していらっしゃるんですね。
日本ソムリエ協会さんからのご依頼で、1年に3回講座を行っています。最近、世界大会に出場したいという人が増えてきているんです。ワインにまつわるフランス語を勉強したい方も多いので、ワインのコメントの仕方などについて授業を行っています。最初お話を頂いた時は、真っ青になりました。色合いがどうとか、泡の具合がどうとか、とりあえず全部頭に詰め込んで、授業に挑んだのを覚えています。どうなるかと思いましたが、やってみたら好評でもう6年目になるんです。ハッタリが効いたんでしょうか......。本人は結構どきどきしながらやっていたんですが(笑)。
休日はどのようにお過ごしですか?
友人や業界仲間と会って情報交換していますが、何かしら連絡が入るので、朝から晩まで100%休日! はなかなか難しいですね。たまに1週間ヨーロッパに行くんですが、思いっきり遊べばいいのに、何となく情報収集している自分がいて、何やっているんだと思うこともあります。
クラッシックバレエを25年やっているんです。「バレエをやっています」と言いたいが為に、必死で体重を維持しているようなところもありますが(笑)。先日仕事先の方に、何気なく「バレエをやっている」と話したところ、「高橋さんに対する見方が変わった」と言われたんです。コツコツ子供の時から努力を続けている姿勢を頼もしく感じたらしいのですが。時々言うといいかもしれませんね(笑)。言うからにはバレエを続けておかないといけませんが!
今後も通訳者として?
通訳という仕事を続けるかどうかは正直なところ分かりませんが、言葉にはこだわっていきたいと思っています。外国語に限らず、日本語に対しても、もっともっと深く理解できるようになればいいですね。外国語を使う時には、日本語に対する理解力が一番重要になってくると思うんです。そういう意味でも、言葉に対する勉強は一生続けていきたいです。

編集後記
たくさんのエネルギーをありがとうございました! 美佐さんとお話していると、私もどんどんポジティブになっていく気がします。目標実現までの努力、常に前へ前へと進んでいく姿勢、とにかく圧倒されっぱなしの1時間でした!
高橋美佐さんへメールを送る


弊社から転送させていただきます。
件名には「●●様」と宛先人を明記してください
内容によっては転送できませんので予めご了承ください

Vol.18 「自分の言葉で伝える喜び」

【プロフィール】
小谷みゆきさん Miyuki Kotani
幼少時代をドイツにて過ごす。高校卒業後ベルギー、フランスに滞在。帰国後、上智大学外国語学部比較文化学科入学。在学中より、英会話講師、通訳のアルバイトを経験。卒業後、英会話講師、フリーランス通訳翻訳業を経て、現在はボーダフォン株式会社国際市場営業部所属のバイリンガルスタッフ(スーパーバイザー)としてボーダフォンショップ八重洲北口店に勤務。
バイリンガルサービスを提供する傍ら、スタッフ教育も担当しており、後輩からの信頼も厚い。

海外での生活が長いようですが、小さい頃から語学に対する関心は強かったのでしょうか?
そうかもしれません。ドイツ語が母国語のようなところもありますし、家ではドイツ語と日本語の両方で会話していました。私にとっての外国語とは、教科書で勉強するものではなく、直接耳で聞いて覚えるものでした。今は英語が一番得意な外国語ではありますが、ドイツ語もフランス語も「勉強して習得した」という自覚はそれほどありません。

学生時代から、通訳翻訳や英会話のお仕事を?
大使館などからご依頼を頂き、本当にいろいろと勉強させて頂きました。通訳翻訳には昔から興味がありましたし、もともと話すことが好きなので、毎回楽しかったという印象しかありません。英会話も教えており、卒業後も継続して働くことになったので、何となく就職活動のタイミングを逃してしまったような感じでしたが(笑)。

現在のお仕事は、未経験分野へのチャレンジだったと伺いましたが。
エージェントの方からこのお仕事を紹介して頂いたときは、正直驚きました。接客の経験もありませんし、自分にできるのかと不安でしたが、実際始めてみたら、もしかしたら向いているかもしれないと思いました。

具体的なお仕事内容を教えて頂けますか。
携帯購入サポートから、品質管理、外国人を含むお客様への応対、資料の翻訳、新人スタッフのフォロー、他支店でのスタッフ教育などです。イベントを行うこともあり、先日はインターナショナルスクールを訪問しました。スタッフ教育も担当することになったので、店頭に出る時間も少なくなりましたが、デスクワーク、メールのやりとり、翻訳などやる事が山積みです(笑)。仕事の枠を超えて、いろんな形で動けるのが楽しいですね。

やりがいを感じる瞬間は?
「ここへ来れば、英語でも分かってもらえる!」とおっしゃって頂くことがあり、そういう時はこの仕事をやっていて本当によかったと思います。お客様からの反応が直接返ってくる仕事だけに、やりがいもあります。何度も通って下さる方も増えてきました。通訳は人の言葉や意思を伝える仕事ですが、今は自分の言葉、自分のサービスによって、お客様に感謝して頂けることに喜びを見出せました。そのことを嬉しく思っています。

他支店で教育指導もされていると伺いました。
バイリンガルスタッフ導入は、八重洲北口店が初めての試みでした。パイオニアとおだてられながら入ったのですが、その後は横浜、名古屋、渋谷店でもバイリンガルサービスをスタートし、だんだんと人数も増えてきました。各店舗での情報共有が必要になり、たまたま私が選ばれました。面接段階から同席させて頂いておりますが、一番重要視するのは接客に向いているかどうかです。海外経験やTOEICの点数も考慮に入れますが、英語だけではなく、仕事に対する姿勢、一緒に働きたいと感じる雰囲気も大切なことです。

気をつけていることは?
直営店ということで、他支店で解決できないトラブルがあると、最終的にこちらで対応することになります。何か聞かれた時に、自分で100%確信が持てないときは、必ず周りに確認してからお客様に答えるようにしています。直営店の意見=ボーダフォンを代表することになりますので。
サービスも日々新しくなっています。社名変更もあり、いろんな変化を常にアップデートしていかないといけません。毎日覚えることばかりですが、お客様に聞かれたときに、きちんとお答えできるようベストを尽くしています。

皆さんとても仲がいいようですね。
誰かがミスした時は皆でフォローし、お互いに助け合いながらやっています。雰囲気もとてもいいですし、こういうところで働けること自体、大変嬉しく思っています。他のスタッフには、ママと呼ばれており、よくお昼休みには晩御飯の相談をされます(笑)。英語に興味がある方が多いので、Today's Englishと題して、時間がある時にミニレッスンを行っています。例えば、外国人のお客様がいらっしゃった時に、いきなりバイリンガルスタッフにバトンタッチではなく、「これから英語を話すスタッフを呼んで来ます」と言えるよう、フレーズを覚えてもらったり。皆さんできることはやりたいという気持ちがあります。電話がかかってきた時には、'Hold on, please'と言えるようにしておくなど。無言で他の人に変わるのとは、随分印象も違いますよね。その他場面ごと対話集も作ってあるので、時間のあるときに皆で練習しています。英語を覚えていこう! という雰囲気がある店なので、私もいろんな意味で触発されます。

もともと携帯には詳しかったんですか? 
機械音痴ではありませんが、携帯に関しては、話せればいいかなぐらいの気持ちでした。電波基準や技術的なことに関しての知識は皆無でしたので、最初は覚えることばかりで本当に大変でした。今も新製品が出る度、説明会に必ず参加します。

ご趣味は?
サッカー観戦が好きです。スタジアムに行けないときは、欠かさずテレビを見ます。ワールドカップの時は海外まで応援に行きます! オリンピック日本代表が決まったときも見に行ったんですよ。お客様ともサッカーの話題で盛り上がることもありますし、私にとってはサッカー観戦がストレス解消になっているのかもしれません。

語学を生かした仕事に就きたいと考えている方へのアドバイスをお願いします。
何が自分に合っているのかを、見つけてください。私自身は海外経験が役に立って、英会話講師、通訳翻訳を経て現在の仕事に巡り会いました。まだまだ自由に英語を操れる人は、それほど多くないので、いくらでも需要はあると思います。ただ「話せる」だけではダメなので、人間としての勉強もして頂きたいですね。

今後の目標は?
仕事面では、今後全国どこでもバイリンガルサービスが受けられるようになったらいいなと思います。プライベートでは、最近海外に行く時間がないので、ゆっくり旅行に行きたいです。再来年はドイツワールドカップですし!

編集後記
近未来的な制服が、とっても素敵でした。私の携帯を見て、「これは古すぎます! 2タイプ以上前の型ですよ」と小谷さん。お勧めのものがありますから、とご案内頂きましたので、近々八重洲店にお邪魔しようと思っております。
小谷みゆきさんへメールを送る


弊社から転送させていただきます。
件名には「●●様」と宛先人を明記してください
内容によっては転送できませんので予めご了承ください

Vol.17 「Just Carry On」

【プロフィール】
Stirk坂本三千代さん Michiyo Sakamoto Stirk
静岡大学人文学部人文学科英文学専攻卒業後、英語教諭として県内の高校へ赴任。退職後、エセックス大学Department of Languages and Linguistics(英国)に留学、Post Graduate Diploma in Applied Linguistics課程修了。2年間の英国滞在後帰国、インハウス通訳翻訳者を経て1983年にフリーランス会議通訳者に。政治、経済、金融、投資、科学技術、法律、知的財産、保険、環境、医学、社会、教育、
文化関係など、多くの国際会議にて活躍中。

高校の先生から通訳者へ転向されたと伺いましたが。
高校では約7年間教えていましたが、これまで読み書き中心に勉強してきたので、英会話は苦手だったんです。何か違うこと、新しい仕事をしたいと考えていましたし、英語力もこのままではいけないという気持ちもあって、イギリス留学を決めました。
2年間の留学後、ある会社の通訳訓練コースが大阪で始まることを知りました。通訳には昔から興味があって、もしかしたら何か新しい糸口になるかもしれないと入学を決めまました。

すぐにお仕事を始められたんでしょうか?
学校で6ヶ月間勉強しましたが、自分があまりにも物事を知らないことに愕然としました。英語教授法や「語学」に関する勉強はしてきたものの、通訳者になるには政治、経済、社会といった「世の中」に対するさまざまな知識が必須だということを痛感しました。
当時は通訳者の数も少なかったので、あらゆるチャンスに恵まれていたと思います。通訳者として必要な知識や技術は、実際に仕事をこなしながら現場で身につけていきました。先輩と組ませていただくことも多く、その都度いろんなことを教えて頂きました。今思うと、非常に恵まれていたと思います。

通訳者としての修行時代は?
企業の社内会議、レセプション、製品の売買、文化交流、提携や特許侵害に関する話し合いなどの通訳を担当しました。まだ仕事を始めたばかりの頃、ある外資系証券会社の担当者に随行してまわったことがありました。その時はじめて証券や投資に関する本を買って準備をしましたが、非常に難しかったです。初めて同時通訳のブースに入ったときも、すごく緊張して、普段できることもできなくなったのを覚えています。最初の数年は、仕事に行っても自分の力不足を感じることばかりでした。

緊張をほぐす方法は?
事前準備をすることです。準備ができていれば、当日ゆったりした気持ちで臨めます。準備不足の時は、「あ、ここはあまりよく分かってないな」と思うことで、余計に緊張しますから。今は本当に便利になって、インターネットでいろいろな資料を容易に入手できるのでありがたいです。検索すればするほど無限に情報が出てきますから、いかに効率的に探すかが大事だと思います。

印象に残ったお仕事はありますか?
長く続けている仕事の1つに、エネルギー関係の契約交渉通訳があります。もう15年になるでしょうか。多くのことを勉強させて頂きました。国全体のエネルギー環境など、本当に様々な問題が絡んできます。利害の対立で決裂しそうになったこともあります。話し合いの中にいると、問題が起きたときの対処の仕方から、最終的に合意に到るまでの過程を身近に見ることができます。世の中でビジネスがどのように行われているかを幾分なりと知ることができました。

この仕事をしていて、困ることは?
困る、というかとにかく思いがけない事が起こります。シナリオ通りにいかないのが、この世界の特徴だと思います。打ち合わせに演者が来ない、用意していた資料と全然違う内容の話しをする、機材不良で雑音が激しい、この部分は通訳しなくていいと言われていたのに、突然「やっぱり訳してください」と言われる、午前中で終わると聞いていた会議が夕方まで延びてしまうなど。いちいち数えあげることができないくらいです(笑)。どうこう言っていても仕方がないので、状況に応じてその場を切り抜けることが必要だと思います。私たちの仕事は裏方で、表面には出ません。会議を主催する人、聴衆、講演者が主役であって、その裏でいろいろと不測の事態が起こっても、会議が滞らないようにしなくてはなりません。とにかく皆さんに、この会議はうまくいったと感じてもらえるよう、できる事を精一杯やるのが私たちの仕事だと思っています。

通訳でよかったと思う瞬間は?
通訳の仕事を続けられることを、自分自身とても幸せだと思っています。人間が考えることの基本は言葉にあると思いますので、言葉に直接関わる仕事ができることが嬉しいんです。この仕事は、常に自分の前に乗り越えなくてはならないハードルが置かれるようなものかも知れません。ハードルを跳び越えながら一歩ずつ前に進んでいく仕事とでもいいましょうか。例えば、非常に難しい資料を読まないといけない、調べることがたくさんある、準備の時間がいつもいつもたくさんあるとは限らない、短時間で用語を覚えないといけない、きついスケジュールでつめて仕事をすることもある、睡眠時間が足りない等、すべての通訳が等しく経験していることだと思います。後で振り返って、自分で満足いくようなパフォーマンスができたと思うことは、ほとんどありません。毎回こうすればよかった、あの時の言葉はこう訳すべきだったと考えてしまいますから。通訳の仕事って、後で取り消したり、やり直しがきかないからいわば後悔の連続なんですが、だからこそいつも目標が持てるわけです。そのことを幸いだと思っています。

スキル維持の秘訣は?
普段使う言葉に気を付けるようにしています。日本語、英語問わず、毎日話す言葉は仕事の基本です。そして、「読む」こと。いろいろなものを見たり、人と会うことも大事ですが、言葉は本質的に読むことで培われると思うんです。

1週間のスケジュールは?
春秋は会議シーズンなので、結構ぎっしり埋まっています。オフシーズンはもう少しゆとりがあります。春と秋はとにかく忙しいですね。その代わりといっては何ですが、主人が毎年夏には国に帰りたいと言うので、私も休暇をとって、一緒にイギリスに行きます。休暇のあいだ、毎日山を歩きます。こう言うと優雅に聞こえるかもしれませんが、1年間一生懸命働いたあと、英気を養い、また一生懸命働くためです。

ご趣味は?
読書、映画、音楽です。自宅で本を読んだり、音楽を聴いたり、ケーブルテレビで映画を見て過ごすのが大好きです。
実は今、ジャズを習っているんです。本当に難しいんですよ。つくづくリズム感がないなと思います......。いつかジャズのスタンダードナンバーが歌えるようになれたらと思っています。

通訳を目指す人へのメッセージをお願いします。
自分にいつも課題が与えられるので、非常にやりがいのある仕事です。それだけに難しい仕事でもありますが、本当になりたいと思っているのであれば、諦めないで続けてください。JUST CARRY ON! 私の好きな言葉です。向かないなと思ったら、早めに切り上げるほうがいい、でもそれでもやりたいと思うのであれば、どんなことがあっても続けて頂きたいです。道が開けるかどうかは、運も左右しますが、とにかくこれだ! と思ったのなら是非とも追求してください。

編集後記
言葉の端々から、この仕事に対する愛情が伝わってきます。このコーナーでは、毎回人生勉強をさせて頂いている気がします。スタークさんや皆さんを目標に、私自身も道を切り開いていく努力を続けていきたいと思います。
Stirk坂本三千代さんへメールを送る


弊社から転送させていただきます。
件名には「●●様」と宛先人を明記してください
内容によっては転送できませんので予めご了承ください



Vol.16 「趣味は勉強?」

【プロフィール】
島田彩子さん Ayako Shimada
関西学院大学社会学部卒業後、松下電器産業株式会社入社。出産を機に退社、通訳の勉強を始める。通訳学校在籍時から通訳の仕事を開始、在阪テーマパーク建設プロジェクト、大手メーカー社員研修セミナーでの通訳をこなす。2002年通訳技能検定準1級合格。現在は、フリーランス通訳者として活躍する傍ら、コングレ・インスティチュートにて講師も務める。


通訳を目指そうと思ったきっかけは?
大学生の頃、就職活動するのに何か一つくらい特技があった方がいいかなと思って、英語の勉強を始めました。卒業後、メーカーに国際要員として採用されたものの、実際にはあまり英語を使う機会がなくて。出産退職後、子育てだけだとノイローゼになりそうだったので、何かやろう! と通訳学校に通い始めました。仕事として具体的に考え始めたのはそれからですね。
英語は昔から得意だったのかと聞かれるんですが、実は恥ずかしい話、大学生の時に初めて受けたTOEICの点数が580点でした。本格的に勉強を始め、社会人になってから再受験した結果、930点。読み書きはできても、会話はままならず、外国人を見たらいつも逃げ出していました(笑)。

通訳学校では常に優等生だったと伺いましたが。
当時は入学テストも読み書きのみだったので、同時通訳科を薦められたんです。さすがに無理だろうと思って本科1に入れてもらいました。いざ授業が始まったら、本科1でもアップアップでした。とにかく先生に誉めてもらいたい一心だったんです。宿題を完璧にこなすわけではなかったのですが、衛星放送を毎日聞いて、逐次通訳の練習をしました。先生に「いいですね」なんて言われるとすっかりその気になって、おだてられたというか......(笑)。

分娩室に辞書を持ち込んだというのは本当ですか?
とにかく英語を何とかしたかったんです。妊娠中もずっと勉強を続けていて、出産当日は大学生の頃から作っていた単語帳を一冊握りしめて陣痛室に入りました。陣痛の間も暇になったら困るなぁと思って。実際のところ、すぐに生まれたので見る時間もなかったんですが。もともとアバウトな人間なのですが、英語だけは例外でした。いろんな表現を吸収して、どこかでうまく使えた時が嬉しいんですよ。

仕事の前は緊張しますか?
あまり緊張はしません。同時通訳のブースも入ってしまえば、やるしかありませんから! 前日は心臓バクバクです(笑)。できるだけの準備をして仕事に臨むよう心がけています。帰国子女ほど耳がいいわけでもないし、通訳技術もまだまだだと思っています。だからこそ、事前準備で誠意を尽くしたいんです。資料は出ないことが多いので、インターネットで情報を集めたり、例えばその企業のHPがなくても、同業種の会社を調べて使えそうな単語をリストアップします。

今だから言える失敗談は?
いろいろあります。固有名詞を取り違えて見当違いな訳出しをしてしまったことがあります。「松下」を「マサチューセッツ」とか! 気を使ってか、どなたも指摘して下さらないと、自分で立ち直るしかないというか......(笑)。おそらくこういったことは、通訳者なら必ず経験しているのではないでしょうか。

プロとしてこころがけていることはありますか?
睡眠をとることです。集中力をキープするために夜10時半には寝ます。朝4時半に起きて、6時半に子供を起こすまでが勉強時間です。『朝2時起きで、なんでもできる!』という本に影響されて2時に起きてみたんですが、お昼の12時ぐらいから眠くて眠くて(笑)。いろいろやってみた結果、私には4時半が一番合うようです。この生活はもう5年ぐらい続いています。

もう外国人を見ても、逃げませんか?
いえ、逃げます(笑)。通訳はできても、フリートーキングは今でも緊張気味です。楽しそうにお喋りしている仲間をみるとうらやましいんですが、会議に入ってからが勝負と考えるようにしています。長いプロジェクトになると、みんな仲良くなって世間話をするんですが、私はあまり率先しては加わらないほうですね。

ご趣味は?
仕事です(笑)。平日子供がいなくて、仕事も入っていない時は、明け方プラス朝の9時から夕方4時まで勉強しています。不思議と嫌にならないんですよ。もちろん一日中通訳練習をしているわけではなくて、新聞や本を読んだり、ニュースを聞いたりと、いろんなことをしています。自分でもバカみたいだなぁと思うんですが......。

現在は、通訳学校で教えていらっしゃると伺いましたが。
皆さんいろんな事情があるとは思いますが、「半期休んで、次のタームから来る」のは本当にもったいないと思います。英語や通訳の勉強は、毎日続けないと維持できないので、半年休んでしまうと次が大変です。それまで勉強してきた事が無になってしまいますから。「半年前までやっていたから!」と思っていても、知らない間にレベルが落ちていたり、以前分かった単語が分からなかったりというショックで、ストレスをためることになると思うんです。
継続は力なりだよといつも授業で話しているんです。通訳になるのは「諦めなかった人」です。誰でもスランプ、結婚、転勤などいろんな状況があると思います。学生ではないので、勉強だけしていればいいというわけにもいきませんよね。勉強を続けるのが困難な理由は100も200もあると思いますが、それでも「続けたい!」と思える人だけが、通訳になれるのではないでしょうか。


編集後記
今回は大阪でのインタビューでした! 毎回、お会いするたびに「太ったの」とおっしゃいますが、私の半分ぐらいにしか見えません。趣味は勉強という話を聞いて、成功する人は、皆さん本当に努力しているんだなぁと再確認しました。
島田彩子さんへメールを送る


弊社から転送させていただきます。
件名には「●●様」と宛先人を明記してください
内容によっては転送できませんので予めご了承ください



《 前 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 次 》


↑Page Top