INTERPRETATION

アイスホッケー

木内 裕也

Written from the mitten

 いつもはサッカーばかりの私で、アメリカでメジャーな野球、バスケットボール、フットボールなどには非常に疎い私ですが、先日アイスホッケーの試合を観戦する機会がありました。2003年に1度だけ大学リーグの試合をボストンで観戦したことがあるだけで、ミシガン州にはNHL(アイスホッケーのプロリーグ)のチームがあるのですが、観にいったことは一度もありません。しかし先日、友人の従妹がプレーするチームがミシガン州の州大会に進出しました。私の友人、彼女の両親、従妹の両親など総勢10名で金曜日から日曜日まで、合計5試合を応援しました。選手たちの多くは17歳、18歳の女子の高校生です。皆、ユニホームでないと普通の高校生にしか見えませんが、パッドやプロテクターの入ったユニホームを着るとがっしりとしたアイスホッケー選手に見えます。

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 金曜日の1試合は敗戦したものの、それ以外は全て順調に勝利し、最終的にはミシガン州のU-19(19歳以下)チャンピオンとして来月行われる全国大会に出場することになりました。この全国大会は偶然にもミシガンで行われるため、また私も観戦に行くことになるでしょう。昨年もミシガン州のチャンピオンになったのですが、主力選手がチームを離れた為に、今年はそれほどよい成績を残せない、と思っていたらしく、喜びも一層のようでした。ただ私の友人の従妹本人は、まさか全国大会に出場するとは思わず、カリフォルニア州に友人と遊びに行く予定をすでに立てていたらしく、嬉しい誤算、といったところのようです。

 アイスホッケーはチーム対戦型であり、ゴールに1つのパック(ボール)を入れることを目的とする点では非常にサッカーと似ていると言う感じを受けました。選手の数が少なく、リンク(フィールド)のサイズも小さいという違いはありますが、戦術的には似ているところがあるようです。アイスホッケーでは相手選手に体当たりすることを「チェックする」と言いますが、女子の試合ではこのチェックがルールで許されていないとのこと。とはいっても、ちょっと熱くなった選手が相手にチェックをしてファールをとられるシーンが複数ありました。

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 今の時期のアメリカはアイスホッケーとバスケットボールがTVでも視聴率を集めます。大学のキャンパスでも大学リーグが盛んに行われている時期です。面白いことに多くのスポーツはプロリーグも大学リーグも人気ですが、野球は大学リーグの人気がいまいち。逆にプロリーグが圧倒的な人気です。今は春季キャンプ中ですが、すでにシーズンの展開の予想などがあちらこちらで聞こえてきます。アメリカとスポーツは切っても切り離せない関係にあると感じる瞬間です。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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