HOME > 通訳 > Written from the mitten > 第196回〜第200回 > 9月のキャンパス

Written from the mitten

木内裕也さんのアメリカレポート。2005年春-2006年夏まで、Hubbub from the Hubのニックネームで通翻訳者リレーブログを担当して頂きました。2009年5月にミシガン州立大学(MSU)博士課程を修了、博士号を取得された木内さんから見た、現地での生活やハプニング、大学のことなど、アメリカの今を発信します。 通訳・翻訳の話をまじえながら、幅広いテーマに沿ったレポート、毎週月曜日更新です!どうぞお楽しみに!

9月のキャンパス

 9月1日に新学期が始まって1ヶ月弱。新入生も大学生活に慣れてきたころでしょう。9月の第1週や第2週はキャンパスが大混雑でした。しかしそれも次第に様子が変わってきています。毎年のことですが、9月中旬から後半になると、キャンパスの混雑が緩和されます。別に最初に数週間で退学者が大量に出るわけではありません。たしかに涼しくなっているので、朝や夕方は10度を下回ることもありますが、かつて通っていた大学と違ってミシガン州立大学には冬に使える地下通路があるわけでもありません。キャンパスの混雑が緩和されるのは、入学したばかりのときのような「大学で頑張るぞ!」という気持ちが次第に薄れ始めるから。その結果、授業に来ない学生がだんだんと出てくるのです。そのためにキャンパスがそれほど混雑しなくなります。

 日本ではアメリカの学生が勉強を熱心にするが、日本の学生は勉強をしない、というイメージが強くあります。実際、日本の学生よりはアメリカの学生のほうが熱心に勉強するようです。また、トータルに判断すれば、このイメージは間違えともいえません。だからといって、どの学生も毎回授業に参加し、宿題に精を出しているというのも事実ではありません。特に1年生は自宅で生活した20年弱から開放され、友達と24時間一緒に寮に住むのが楽しくて、最初の1年目は勉学に集中をしない人が多くいます。その結果、「高校のときはこんな成績をとったことがなかった」という成績を受け取り、2年目(早く気づく学生は春学期)から生活を改める、ということもあります。まだその様なタイミングではありませんから、1年生は毎日の生活を楽しんでいることでしょう。

 私の友人も従妹が今年からミシガン州立大学に入学しました。かつてこのブログでも女子アイスホッケーの選手として紹介をした人です。彼女の様子を聞いていると、やはり結構遊び中心の生活をしているようです。最初に履修をしようと思った授業のうち、難しそうだった2つはより簡単な授業に取替え、すでに何度か授業も欠席したようです。その代わり週末は一生懸命(?)活発に活動している様子。1月から、もしくは来年の秋からはもう少し勉強中心の生活になることでしょう。

 またこの時期になると、すでに論文や宿題、試験の結果などから、成績が伸び悩みそうな学生がはっきりとしてきます。まだ数週間ですが、その間にミニテストや論文など、色々な成績が出ています。今のうちに学生を研究室に呼んで話をすることでなんとかその後の成績が回復することもあります。ただ授業によっては人数が多くて、本当に今の段階から落第しそうな学生以外は、手を差し伸べる余裕がないこともありますが。

 10月になると、こちらでは中間テストも授業によってはありますし、長めの論文の提出期限だったりもします。また10月末になれば、次第に学生も疲れてくる時期。教える側としては、そのあたりにも気を払って授業の構成を考えたりもします。また10月になれば降雪もあるミシガン州。どうしてもそんな日の出席率は低下しがち。そのあたりも勘案しながら、色々な予定を立てなければなりません。


Written from the mitten


↑Page Top

プロフィール

木内裕也

木内 裕也さん
フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。