INTERPRETATION

片づけでストレス発散!

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

仕事や日々の生活でストレスがたまったとき、みなさんはどうしていらっしゃいますか?おいしいものを食べに行く、マッサージを受ける、カラオケで歌いまくる、映画で感動するなど、その方法は人それぞれでしょう。私はかつて仕事で多忙な日々が続いていた時、ある人から「通訳業は左脳ばかり使うので、右脳を使うようにすると良い」とアドバイスを受けたことがありました。つまり「感動する」「五感を使う」ということを心がけるだけで、ガチガチになった脳みそがリラックスできるというわけです。以来、コトバばかりを追い続けているなと思った時は、極力「活字以外」の作業で緊張感を解きほぐすよう心がけています。

中でも私にとって一番効果があるのが「片づけ」です。実は春先から今まで色々とあわただしかったこともあり、家の中はかなりメチャクチャでした。捨てなければと思いつつ処分できなかったり、新聞や本などが積み重なっていたりと、家の中の「気」が淀んだ状態だったのです。そこで先日、思い切って片づけをしてみました。

まず用意するものはゴミ袋(大)を4枚。これを「捨てる」「保存」「判断保留」「寄付」に分けます。そしてターゲットとする片づけエリアを決めたら、どんどんこの袋に投げ込んでいくのです。

台所の戸棚を例にとってみましょう。子どもたちが使わなくなったキャラクターのスプーン。絵柄もはがれてかなりくたびれています。これは迷わず「捨てる」の袋へ。一方、ジップロックの未使用分はまだまだ使えますので「保存」の袋に行きます。同じようなタッパーが二つある場合、一つは「保存」、もうひとつは使うか使わないか迷ったので「判断保留」とします。景品で貰ったお弁当箱(未開封)は特に柄がお気に入りでないため、「寄付」の袋へ入れます。このようにしてとりあえず4つに分類していくのです。そしてすべてのものを戸棚から取り出して分類したら、いったん掃除機で棚のホコリを吸い取り、濡れぶきんで掃除します。

「保存」の袋の中身を再び戸棚に戻してみると、先ほどよりもかなり棚に余裕があることがわかります。整理収納の世界では、実は「7割収納」が一番効率的だそうです。ギチギチに詰め込んでしまうと取り出しにくくなりますが、7割ならば空間があるので、棚の奥や上にあるものも余裕を持って取り出せるからです。

「判断保留」の袋には保管期限日を記しておくと便利です。たとえば半年後の日付を書いておき、袋を縛って押し入れなどの見えないところに入れてしまうのです。もし半年以内にその中のものが必要となって取り出したならば、そのアイテムはやはり自分にとって要るものとなりますが、もし半年間開封しなければ、その中のものはそのまま処分しても構わないということになります。判断に困るものはこうして一定期間の猶予を設けておくと良いでしょう。

不用品の寄付については、地元小学校・幼稚園のバザーを始め、チャリティー団体や、商品によっては自治体が引き取ってくれますのでぜひ調べてみてください。ちなみに私の住む街では地元のチャリティー団体が定期的に地区巡回しており、不用品を引き取りに来てくれます。私の場合、ネットオークションやリサイクルショップへの売却も考えたのですが、その時間がなかなか取れないため、こうして引き取りに来ていただけるだけでも大助かりです。

いかがでしたか?「片づけ」と聞くとそれだけで「うわ!大変そう!」と思う方もいらっしゃるかも知れません。一気にすべてやろうとすると疲れてしまいますので、「今日はこの引き出し」「明日はこの棚」という風に細分化して取り組んでみると、少しずつ片づいてきます。梅雨で外出がおっくう、という日にはぜひ片づけにチャレンジしてみてくださいね。

 (2010年6月14日)

Written by

記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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