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通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

第17話 同通エンジニアのお仕事

みなさん、こんにちは
今回は前号までとは趣向を替え
第17話では、私達、同通エンジニアのお仕事をご紹介したいと思います。

1.同時通訳制御器とは

まずは機器の種類をご紹介します。

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2.エンジニアの役割

① 通訳音声を一定音量に調整する。
② 通訳操作器の誤操作をフォローする
  
例えば
CH-1日本語・CH-2英語の場合で日本語通訳にする際
CH-2英語のボタンに押し間違いの場合、
参加者には英語チャンネルに日本語が聞こえてしまいます。
エンジニアは通訳音声をモニター(検聴)しているため、すみやかに通訳者の押し間違いをフォローします。

フォローの方法は
ブースの窓をたたいて通訳者にメッセージする
通訳ブースに行き、正規のボタンを押す
などがあります。

日本無線製の同時通訳機材は
CAUTIONボタンがあり、ランプでメッセージすることができます。

③ 録音業務
現在はデジタル録音が主流でUSBやDVDで納品します。
以前はカセットテープでしたが、デジタル録音で音質が向上しました。

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弊社エンジニアの業務風景です。
緊張感がありますね

通訳のみなさんへ一定の音
通訳音声を参加者へ安定して、届ける
当たり前のことですが、
これからも
私達は裏方として、最善を尽くします。

ではまた!


第16話 近況報告

みなさん、お久しぶりです。
今年最初のコラムでは、先日参加したスキー大会の報告から
スタートいたします。

 1.スキー大会に参加
 2月7日に長野五輪の同窓会に参加した翌日の2月8日
長野戸隠スキー場の50歳以上のシニアカップの写真です。
17年前の1998年2月7日は長野五輪の開会式でした。
そのことはいまでも鮮明に覚えており、その時に経験したことは、
いまでも私の原点になっています。

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競技の結果は中級レベルで17人中、5位でした。

その時に感じたことがあります。
それは、スタート時の緊張感です。
日頃の筋トレなど準備をしていますが
最初のポールのコースや速度をどうするか
など、すべての準備を整えて、スタートに臨めたかを想い出しました。
これはみなさんの通訳業務にも通じると思います。
この緊張感を持って、国際会議のエンジニアとしての取り組むことを
再度、自分に言い聞かせた次第です。

 2.テンナインの最新機材環境
 最近現場で通訳のみなさんより、お褒めの言葉といただくことが増えてまいりました。
ありがとうございます。

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これは現在の環境です。
特長は以下です。
1. 照度の高いLEDライトを3個採用
2. 空気清浄機2号機はピンク
3. カップフォルダー
4. お水やチョコレートもご用意させていただきます。
(繁忙期など、すべて行き届かない場合もありますので、お許しください)

上記以外にもみなさんより、いただきましたアイディアの具現化を務めております。

後日、報告させていただきます。

次回は簡易型同時通訳システム(パナガイド)と本式の同時通訳システムの大きな違いについてお話したいと思います。

ではまた!


第15話 通訳ユニットのマイクの使い方

みなさん、こんにちは
秋も深まってまいりました。
繁忙期ですが、体調はいかがでしょうか

第15話は、通訳ユニットのマイクの使い方について
現場で気になりましたので、おさらいという意味でお伝えしたいと思います。

通訳ユニット(同時通訳ブースに備え付けの機器)は
みなさんのお仕事とは密接に関係していますね!

どんなにいい通訳をしても、マイクから離れていては折角の音声も良く聞こえません。

ではまず先に悪い使い方を、弊社所属通訳の雨海さんに実践してもらいましょう!

NG例

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弊社所属通訳:雨海 麻由


ではいい例を!

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BOSCHやDISなど最近導入されている機材は
マイクの作動状況を表示するランプや音質や機能を重視して設計されており
コンデンサーマイクが採用されております。
そのため、風圧(声の風圧)に弱い部分があります。

通訳ユニットの性能をフル活用することで、クライアントの反応も向上します。
機会がありましたら、ご自身の音声がどのように聞こえるか、現場でお相手の通訳さんとテストされてはいかがでしょうか

テンナインではそのようなチェックが可能なように
現場運用が少ない場合、機材を設置し、通訳のみなさんに触れていただけるようにしております。
(機材が稼働中の日もありますので、事前にご連絡いただければ幸いです。)

ではまた次回!


第14話 通訳現場の思い出

みなさん、こんにちは
9月も後半に入り、やっと涼しくなってきましたね

第14話は、本年12月で取り壊しになる
東京商工会議所 国際会議場の思い出について、お話しします。

私がこの業界に入った1989年は
横浜博覧会 Yes89開催の年で、非常に国際会議が多く
新人の私は、毎日数多くの現場に飛び回る日々でした。

その最初に行った現場が、東京商工会議所 国際会議場です。

当時、新人の私は、同時通訳エンジニアの勉強中で
ハイエースであちらこちらの現場へ機材を運搬し
運んだ現場で、先輩が機材をセッティングしている姿を、見よう見真似で覚えました。

当時のハイエースはパワーステアリング(ハンドルを油圧で軽い力で回すことができる装置のこと)がなく、1日5現場も運転をすると非常に疲れました。
駐車場も狭く、大変でした。

それから25年を過ぎ
本年12月末で閉館になり、来年より取り壊しがはじまります。
そのことを思い出しました。

東京商工会議所 国際会議場は
天井が高い、会場の解放感
金メッキを多用した、手すり、毎日丹念に、磨きかれピカピカでした。
触ったときの鉄の香が懐かしいです。

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そのつぎに通訳ブースですが
下記の写真の通り、音響調整室と隣あっており
通訳さんが、通訳音声の出力ボタンを押し間違えたときなど、急いでフォローに行きました。
現在のBOSCHやDISなどは装備されておりませんが

日本無線製(JRC)同時通訳機材は、
通訳者が押し間違えたことをを知らせるランプが装備されていました。
通訳者はその点滅により、出力(CH)ボタンを切り替えます。

これは日本と、欧州の機材設計の考えかたが異なるためです。

通訳者操作器(Interpreter Operation Unit)
日本の考え方⇒通訳者の押し間違えはエンジニアがフォローする
欧州の考え方⇒通訳者の押し間違えは通訳者の業務
          それでも復旧しない場合はエンジニアがフォローする
これは多言語通訳の多い、欧州ならではの考え方であると思います。

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この国際会議場が取り壊しになることは残念ですが

今後、2020年の東京オリンピックに向け、
たくさんの国際会議が行われていることでしょう

私たち、テンナインテクニカルチームは
おもてなしの精神をモットーに通訳のみなさんと一緒になって、円滑に会議が行われるよう、最善を尽くします。

どうぞよろしくお願いいたします。


第13話 ピンマイクの使用方法

みなさん、こんにちは
夏休みに入り、神谷町界隈も人が減り、静かになってきました。

第13話は、大好評のパナガイドを使用する際のマイク使用方法の
ピンマイクバージョンです。

パナガイドのマイクには下記のような、ヘッドセット型と
もう一つ、ピンマイクタイプがあります。

いずれの形も、さまざまなノイズを拾います。
今回はパナガイドのマイク使用方法その2として
ピンマイクタイプの使用方法を説明いたします。

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ピンマイクの使い方
写真のようにピンマイクを持って通訳する場合は
爪や指の摩擦音をマイクが収集するためNGです。
通訳の音声だけではなく、摩擦ノイズも聞こえてしまいます。

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最善の使い方 その1
下記のように、ボールペンの芯など細いもので
ピンマイクに止めてご使用ください。

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使い方は下記の通りです。
マイク本体に接触しないため、摩擦ノイズも軽減されます。

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下記のように胸元につける方法もありますが、前述に比べ、
マイクが口元から離れるため最善とは言えません。
また、ストラップの上方に付けた場合、髪の毛にもあたり、ノイズの発生原因にもなります。

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ご参考までに!
ではまた!



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プロフィール

吉岡余真人

吉岡 余真人さん
東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年に帰国後は25年の経験を生かし、テンナインコミュニケーション会議部にて海外との懸け橋になる。