INTERPRETATION

大人のためのやり直し英文法

上谷覚志

やりなおし!英語道場

今回のタイトルにあるように、来月から『大人のためのやり直し英文法』という講座を行うことにしました。コラムでも何度か文法について書いていますが、いろんな方から“どうやって文法をやり直したらいい?”とか、“文法をやり直したいけどお勧めの本ない?”などの質問をよく受けます。きちんと答えられるようにと思って書店に行き勧められる本を探してみたものの、いいと思う本は厚すぎたり、適切な薄さである場合は内容が偏っていたり、なかなか適切なものがなかったのでそれなら自分でやってしまった方が・・・という経緯で開講することにしました。

大人が英語をやり直す場合、やはり基礎となるのは文法と単語力です。この二つがある程度整えば英語の素地としては十分だと思います。あとはいろいろな訓練をしていけばどんどん伸びていきます。逆にここがしっかりしていないうちから、いろいろな訓練をしたところで空回りするか、思ったような伸びが感じられないことが多いと思います。

文法というと受験で嫌な思いをした人と、クイズ感覚で楽しめた人と大きく分かれると思いますが、前者の人は“受験”という縛りを意識し過ぎて、本来文法とは英語を使いこなすためのルールであり、文法を勉強しながら“これで〜が表現できるとか”“自分なら〜みたいな英語を話したいな”というように自分に置き換えて知識を習得しなかったからではないでしょうか?

これまで言えなかったことが言えるようになる、聞けなかったことが聞けるようになるということは単純に楽しいものです。それは大人にとっても同じではないでしょうか?“あ〜、これも覚えるの?細かい規則ばっかり。文法面倒くさい!”ではなく、“へ〜ぇ、この文法でこんな気持ちが表現できるんだ!”というように、どうやって自分の英語の幅を広げるために、そしてより正確に自分の気持ちを伝えられるかという観点から文法を見れば楽しみながら勉強できるはずです。今は受験という縛りはないわけですから、もっと自由に楽しみながら勉強してもいいのではないでしょうか?

また、文法というと膨大な量の情報を覚えないといけないというイメージもあるようで、基礎を覚えたらいきなり例外の説明をされ、混乱した経験のあるかたもいると思います。もちろん言葉ですから例外はつきものですし、覚えることも確かに少なくありません。ただそれをある程度法則化したものが文法ですから、学生のときには理解しにくかったことでも大人は論理的な情報に対しては強いので、案外やってみると“あれこんなもの?”と感じると思います。それに文法学者になるのでないなら、全ての規則を完全に覚える必要はないわけで、私も全ての文法を把握しているわけではありません。一般の人が普通に使う範囲で必要な情報となるとかなり絞り込むことができます。例えば電化製品を買って分厚いマニュアルが付いてきたとしても、普通の人は全部読まずに必要なところだけを読み、使いながらまたマニュアルに戻るように、英語も必要なところだけを勉強して後はまた使いながら確認していくというスタンスでいいと思います。

ただその“必要なところ”というのはなかなか個人では判断できないので、この講座では“これとこれは覚えてください”というように、一般の方が英語を使う上で必要なポイントだけに絞って説明していこうと思っています。

これまで文法で痛い目に合ってきた方、苦手意識のある方、もう一度やり直してみたい方ぜひ一度ご連絡いただければと思います。

よろしくお願いします!

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記事を書いた人

上谷覚志

大阪大学卒業後、オーストラリアのクイーンズランド大学通訳翻訳修士号とオーストラリア会議通訳者資格を同時に取得し帰国。その後IT、金融、TVショッピングの社での社内通訳を経て、現在フリーランス通訳としてIT,金融、法律を中心としたビジネス通訳として商談、セミナー等幅広い分野で活躍中。一方、予備校、通訳学校、大学でビジネス英語や通訳を20年以上教えてきのキャリアを持つ。2006 年にAccent on Communicationを設立し、通訳訓練法を使ったビジネス英語講座、TOEIC講座、通訳者養成講座を提供している。

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