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武藤順子の「一生青春」

働きながら博士号をとる方法(2)

大学院って何をするところなのか
分野によって違うと思うけど
まずは、自分の研究テーマを決めるわけ
研究テーマって言っても
大概その研究室でテーマはすでに決まっていて
その中で自分の興味に近いものを選ぶって感じかな?
「好きなことをすればいいよ」
なんておっしゃる教授もいらっしゃるけど
それはそれで、後からとんでもなく大変なことになるわけ

選ぶって言ってもさ
カルチャーセンターの講座を選ぶのとはまるで違って
たとえば
「この果物が体にいいらしいから、それを研究しようかな~」
なんて言ったとしたら、
「体のどこにいいの?いいっていう定義はなに?この果物丸ごと?主成分は?」
と、山のように質問される
「記憶力とか、うつとか、脳への影響を調べたいな~」
というと
「もしかして、ほかの人が研究してたりして?測定項目は?測定はこの研究室でできるの?試薬は高いの?」
と、またまた山のように質問される

ようするに
「ほかの人がやっていない研究を探して、そこそこの研究費と院生で実験をこなして、それなりのデータが出る」そういうテーマを探す必要があるってこと
そうなると、まず最初にやる作業が
「論文のデータベースから、関係する論文をひっぱて来て
かたっぱしから読む!」

私は論文博士だったから、授業はなく研究だけ
周りの人に聞きながら、必要なスキルを少しずつ覚えていった
大学院の過程博士コースに入学すると
研究者への道をもう少し細やかに教えてくれるのかも
大学院の授業は、大学や研究室によって全く違うと思う
教授を中心とする独特な組織があって
その風土も教授の人柄で決まるんだと思うよ
教授の人柄のリサーチが実は相当重要だ

研究室によっては論文を読む勉強会がある。
この勉強会が無いところは修士2年、博士3年の5年の間に
かなり差がついてしまうかも
この地獄の勉強会は本当に地獄で
まず書いてある技術がわからないし
英語もわからない(ネイティブが書いているわけでない)
図が理解できない
だいたい、いつも前日の夜になって
「まったく理解できない・・・」とコーヒーばかり飲むことになる

いい論文にあたって
「それ、いいじゃないか!武藤さん、この測定してみたら?」
なんてことも時々ある。
ところが、論文のとおりにやっても
全く測定できないこと ありありです
小保方さんのような難しそうな実験じゃなくて
本当に簡単な原理なのに・・・
何度も挑戦して
ようやく出来た時は、ものすごい研究をしたかのような
達成感ですわ

こんなことを繰り返しつつ
徐々にテーマが決まってきたのであります


働きながら博士号をとる方法(1)

長かった~
ほんとに長かった~
だって大学院に入った時は
こどもが研究室のかたすみでポケモン並べて遊んでたのに
いまや、私に携帯の使い方を教えてくれる

9年っす
大学院卒業まで9年もかかってしまった。
小学一年生が中学三年生になる長い期間を
私はネズミの解剖や統計アプリの使い方を学ぶことで費やしたのか
うぉ~~ もったいない
その間、同級生は山登り、陶芸教室
歌舞伎、演劇、ミュージカルで文化的な時間をすごしたはず

でも自分で望んだ道だ
えっ ちょっと待って 
もともと修士で2年間、肥満の研究の真似事でもしようかな~
って思ったのだった
「ちょっと大学院で勉強してます」なんて
ペラッペラな思いつきで大学院にはいったのに

それでもって9年
「ここまで来たら博士号」っていう
よくある重圧にのまれてしまったのか

私みたいに流された人もいると思うけど
中には目的を持ってがんばって博士を目指している人もいる
研究したいテーマがある人もいる

そんながんばっている人に
私のつたない体験をお伝えしたいと思って
この文章を書いてます。

社会人が博士号を取るために必要なスキルって
あります!

まず、私はなぜ大学院に入ろうと思ったのか
それは、母校の社会人向講座でアルバイト講師をした時のこと
実は、受講生の学歴の高さにビックリ
しかも、偏差値の高い大学ご出身だったりして・・・
こりゃ、学部卒じゃかっこつかない!
修士くらい出ておかないと・・・

こんな軽い気持ちでした 笑

だいたい、大学院ってどうやって入るんだろう
この年で試験とかいやだな・・・
とりあえず、有名な教授にお願いしてみようかな?と
直接、大学に電話しちゃいました。
今思うと、なんとずうずうしい!
でも、これ正解

大学院って、入れてくれる研究室のめどをつけるのが大切
こうして、何にも知らない私は
とある大学院の研究室の無給研究員になったのであった。
つづく


佐藤可士和さんの言葉

クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんご存知?
国立新美術館やユニクロのロゴや
沢山の広告を手がけている
もう、超かっこいい才気あふれるデザイナーさんなのよ

この方の発言
私だいだいだ~い好きで
雑誌の対談とか見つけると嬉々として読むんですね

きっとね
いつも物事の本質とか、よーーく考えているんだと思うの
少ない言葉に、深い意味を凝縮しちゃうのよね~

健康に対する考え方もなかなか筋が通っているわけ

今朝、新聞見てたら
「盛らない勇気」ってタイトルのコラムを発見

内容は新しいレストランの話でね
奇をてらった料理よりも
食材と向き合ったシンプルな料理が
潔くエネルギーにあふれていたって
まあ、めちゃ短縮するとこんな感じだったんだけど

私この文章を見た時に
健康もまさにそうだって思ったのよ

どこかをもむだけで健康になるとか
ぼけないためにはこの食材が決め手とか
簡単で誰でもできそうで
新しい健康法が次々繰り返しでてくるけど

はっきり言って
健康になりたかったら

バランスいい食事
適度な運動
早寝早起き

これだけっす
はい、以上って感じ 笑

色々とかっこいいことをつけて
もっともらしいこと言う人多いけどさ
「盛らない勇気」を持って言っちゃうと
こんなシンプルになっちゃうのね

問題なのは健康になるノウハウよりも

シンプルだけど大切なことに気づく知性をなくしているか
シンプルな生活ができない環境や精神構造になっているか

そんな風に、自分と向き合う時間を持つことかもしれないわよ

向きあってる?自分と
健康に注意を向けるために新しいコンセプトの本を読むのも
けっして悪いことじゃない

でも、本質はやはりシンプルで昔から言われていること

食事、運動、睡眠

佐藤可士和さんの文章からは
いつも本物のオーラを感じるのよね~
私も裸で勝負できる女になるって誓ったわ


緊張感で体が引き締まるメカニズムはこれ

セミの声を聞きながら
「運動と脳内麻薬」の論文を読んでます。
この夏は、前半が異常に暑かったから
涼しくなった今ころに
私みたいに、疲れがでてる方、多いと思います。
皆さんはいかがですか?

さて、論文
走ると、エンドカンナビノイドっていう物質が出て
なんだか気分がよくなるんだけど
この不思議ななまえ
聞いたことありますか?

この物質は
一過性に脳内濃度が高くなるだけなのに
ランが終わっても
あ~爽快だったな~って思わせてくれる

エンドカンナビノイドが出ると痛みも感じにくかったりする
なんたって別名が「大麻様物質」
すごいでしょ。

こんな風に、脳内の物質の濃度が変化すると
体にも変化が出て
痛みが減ったり、体が軽くなったり
うれしい効果があるわけです。

話は変わるけど
先日、お洋服の交換会をしまして
そのときに一人の女性が
「生活に緊張感がでると、体も変わるのよね」って

確かにヒトに見られることを意識するだけで
背筋が伸びたり
O脚がなおったり
体が引き締まったりする
これ、本当

当たり前のようで不思議な現象だなって思ってました。
これも脳内物質の変化が体に現れるひとつ

人って
落ち込むことがあったり
人を好きになったり
生まれ変わりたいって心から思ったり

なにか強い思いがあるときは
脳内物質の濃度も当然、変化します
やる気が出て、自分を好きになれる
報酬系のドパミンとかドバーって

その影響は体に反映されて
動きが俊敏になったり
行動範囲が広がったり
自分がきれいに見えたり

そう
たとえ一過性でも錯覚でも
「私、まんざらでもない!」
って思える瞬間がくるんです。
そうなると、本当にきれいにまっしぐら
体はプログラムを組みなおして
遺伝子までも変えちゃうかもしれない

人の可能性を開く論文ってステキです


勝地涼を葉っぱに乗せる

この春は、ま~あ 忙しかったのでございます。
PTAの総会が2つでしょ
学位論文の書き直し
ファッションと脳科学のブランディング
やり直しの実験 などなど

そのほかにね
夕飯がいつも同じ問題や
口内炎が舌にできて治らない問題や
わたくし、もうだめかと思いました。

電車に乗っている間もやることの目白押しで

このままじゃ、いつか大失敗をやらかすわ。

そんな時に、NHKの「あさいち」で
「ぼんやりのパワー」というのを拝見したのでございます。

何も考えない瞑想の時間が脳を休めるとか

「寝るんじゃダメなのかしら?」

とおもいつつ見ていたら
理系の私の脳に響くこのお言葉

「瞑想をすると背内側前頭前野が活発になり
自分を客観視でき元気になる。」

え~~~そうだったの

前頭前野は頭の前側
「人間として大切な部分」なんだけど

時間の無駄みたいな瞑想に
そんな効果があったなんて知らなかったわ。

そして、電車で座った時に瞑想とやらをやってみたら
どうでもいい考えが次々と

総会の料理 → 今日の夕飯 → 母の日のプレゼント → 論文の構成 → 眉カットの予約 → 大島裕子 ・・・

連想ゲームともつかないわけのわからない考えが
どんどん湧いてくるのね。

こりゃだめだわ、とネットでやり方を探したら
「川をイメージして考えが出てきたら川の葉っぱに乗せて流す」と

次に電車に乗った時に
すぐに、川をイメージしたわよ。
そしたら、俳優の勝地涼さんが出てきましたの。

すぐさま、葉っぱに乗せて流したんですが
流すにはもったいなくてね~
なんだか一人でふっと笑ってしまい、おしまい。


そんなわたくしも
ある時、20分ほど瞑想に成功したのでございます。
そして 驚いたことに
目を開けたら3分しかたっていなかったのよ。
そのうえ、お風呂に入ったみたいに、すっきり元気

背内側前頭前野が活発になると

すごいわよ。
あなたもやってごらんなさいよ。



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プロフィール

武藤順子

武藤順子さん
博士(体育科学)、薬剤師(東京理科大学)。
製薬会社などで働き、医薬翻訳者として独立。メーカーの申請資料、ドクターの論文などの翻訳をする。現在スポーツ医科系大学院の博士課程研究生。脳・運動・ストレス・肥満などの研究を行う。株式会社ビーフィジカルの代表として講演、執筆、エージングマネージメントセミナー講師などとして活動。主な翻訳物:ライフサイエンス選書「米国最新治験事情—臨床研究者の成功までの道のり」。
所属学会:日本体力医学会、日本肥満学会、臨床栄養学会
運動と脳とキレイを科学する女性研究者のブログ武藤順子オフィシャルサイトB-PHYSICAL