HOME > LIFE > 武藤順子の「一生青春」

武藤順子の「一生青春」

ドラキュラは知っていたのかも


面白い論文はないか~ってネイチャーのサイトを見ていたら
あったあった
うひゃ~信じられない~

若いネズミと高齢のネズミの二匹の横っ腹を
ちょうどタラコみたいにくっつけたそうな
(タラコって一箇所がくっついていて、そこを引き裂くと中身が出てくるじゃん、そんな感じ)
血管も吻合して
二匹はなかよく暮らしたそうな(併合結合parabiosisという)
こんな風に血液をまぜこぜにする実験が昔からあったそうな
見た目はちょうどべトちゃんドクちゃんのよう

そしたらビックリ
若いマウスの記憶力が悪くなり
逆に 年寄りの記憶力がよくなった

これって 若さの秘密は<血液>にありってことじゃない?
まあね、どんだけお年寄りのマウスの記憶力がよくなっても
若者マウスには勝てないけど
なんだか励まされるのよね~

もう一つの実験では
同じようにマウスの横っ腹をくっつけて
若いマウスも年寄りマウスも、筋肉にちょっと傷をつけさせてもらう
傷って、若いうちは治りが早いけど
年取るにつれて、治りが遅くなるらしいのよ(知らないふり)

でも、若い血液が入ってくると
傷も早く治るっていう
夢のようなお話でさ

これって実はものすごい発見
若い血液が入るだけで若返るってことは
インフラはだめになっていないってこと
体の機能はちゃんと保存されているんです、みなさーーん

加齢とともに悪くなるのは
血液中の情報伝達に関わる物質
「怪我してるから早く治せぇ!!」って号令がかからないから
傷がなかなか治らない

血液中の何がだめになっていくのか
論文の著者は
サイトカインの一種の「ケモカイン」っていう物質だと言っています。

ケモカイン???

名前は笑っちゃうけど、アレルギーに関わる普通の物質です。

ってことは・・・若い子の血液を入れてもらえば
全身が若返るってことじゃん 
私 思いました。若いときの血液を保存しておいて
年取ったら点滴するってよくない?もしかしてこれから流行るかも!!

そこでドラキュラ
ドラキュラというと、中山優馬くんのドラマを思い出しキュンッとしますが
若い女性の血を飲むなんて、絶対にカラダによさそうですね!

昔の王女様が若い娘の血を絞って飲んだとか 飲まないとか
どこかの博物館には、絞る道具を展示しているとか いないとか
年取ったら輸血もわるくありませんな~と言ったとか 言わないとか(これは私)

血液が無理でも
若い子の近くの空気を吸うのもいいんじゃないか
いや、肌に触るだけでも違ってくるかも
妄想が広がり、悲しくなってきましたが
こんな妄想をさせてくれるネイチャーの論文はエライ 
やっぱり夢のある科学はいいわぁ
今日の話、あなたの生活にどう応用しますか?


自分に聞く


「インターセックス」という本を読みました。
医師でもある帚木さんの文章は好きですねぇ。
説明がうまくて、深い。

世の中には、男と女がいるけれど
テレビでよく拝見するオネエ系の生殖器がどうなっているのか

考えたこと  なかった・・・

オネエ系がどうなっているのかは不明だけれど
両方の生殖器をもって生まれてくる赤ちゃんの数は
思いのほか多いらしい。

昔は早いうちに手術でどちらかの性に決めてあげれば
気持ちはそれに沿っていくだろうって
思っていたようです。
(今もそうなのかなぁ・・・)

でも実際は、ある人は70%女で30%男の心だったり
ある人は60%40%の割合だったり
つまり、形を整えても心がそれに合うのではなく
やはり、もって生まれた心は一生変わらないのだと。

無理やりどちらかの性に勝手に決めてしまったら
そのコは生涯自分らしさについて悩むだろうな

私も時々自分らしさって何だろうってわからなくなります。

「インターセックス」を読んで、
ジョルジオ・アルマーニの言葉を思い出しました。

「ファッションで大切なのは、人形のように自分を閉じこめないで済む服を選ぶこと。私はいつも濃紺のTシャツとシンプルなパンツのスタイルです。私自身が一番心地良くいられるから。」

自分が一番心地よい
これは、だらけているわけではなく
積極的な選択です。
でも案外、見栄や知性がじゃましちゃうかも!

あなたにとって自分らしさを閉じこめない
心地よいファッションってなんでしょうか?

そして、話は飛んで遺伝子研究。
エリートアスリートの遺伝子を調べる研究が最近目に付きます。

ジャマイカの短距離選手は遺伝子に特徴があり
その部分の遺伝子をマウスに投与すると
ミトコンドリアが増えたり
筋肉の割合が増えたりするそうです。

誰でもトップアスリートになれる?
なんだかSFじみてて怖いけど
そう簡単に人に応用することはできない。
(日本はこの分野では遅れているような気がするけど、私は別にそれでいい)

逆に、マラソンでなかなか芽が出ない選手に
「あなた、意外と短距離走がむいてるかもよ!」
なんていえる日が来るかもしれない。

でも私はやっぱり
自分の心に聞いてみるのが
一番正しいような気がする。

今売れている「こんまり」さんの「人生がときめく片付けの魔法」
ここでもまた
「ときめくかときめかないか、自分に聞いてみる。ときめかなかったら捨てる。」
と明快に書かれている。

自分の心って、こんなにすごかったのか!!!


チョコレートは心臓にいい?


チョコレートお好きですか?
わたし、ときどき無性に食べたくなります!
女性は、心が傷つくと甘いものを食べて即座に癒され
お酒のしめに甘いものを注文して、スッキリするのです。

その甘いもの代表のチョコレートに朗報! パチパチ

「チョコレートをよく食べる人は心血管系の病気になりにくい」

正確に言うと、1日1.7から7.5gチョコを食べてる人は
心血管系の病気になる危険性が30%ダウンするんだって。

このブログの読者は
心血管系の病気の人 少ないような気がしますが・・・

この情報は
British Medical Journalという格式のたかーーい雑誌の論文が出所

昔から不思議に思っていました、この手の話

驚くほどのピンポイントの関係があばかれ
テキトーな調査してんじゃないの~
って気がしてました。

もしかして、チョコレート業界が大金をつぎ込んで
「実は、チョコレートに有利なデータを出してもらいたい」
なんて、ダークな取引をしている、とか(笑)

そういうことが本当にあるかどうかは知らないけれど・・・

この手の「〇〇は〇〇にいい的データ」は
「疫学調査」という手法で得ることができます。
チョコレートに関しては、4000以上の論文からデータを集め
雑多な情報の中のチョコレートに関するまともなデータを取り出して
「何か面白い関係はないのか?」とデカが嗅ぎまわるのであります。

デカとは、つまり統計処理のこと
やはり、統計に強いとですね
串刺し的横断的にデータが読めて
大づかみに色々なものの関係が把握できる。

疫学調査はこれまで沢山データがあって
「コーヒーを1日1杯以上飲む人は、肝臓ガンで死ぬ危険率が、飲まない人の半分」
などコーヒー好きが喜ぶ情報があったり

「1日2~3杯の赤ワインを飲むとさまざまな病気による死亡率が3割減る」
という、アバウトな結論のものがあったり(さまざまな病気ってなんだ?)

静岡の掛川市というピンポイントのデータで
「がんの死亡率の低さは、男性では2位、女性では1位と共にダントツに低い」
という"やっぱりお茶はカラダにいいのね"的なデータがあったりする。

おそるべし、疫学調査の説得力

チョコは、言ってみればカカオのフラバノールがいいわけだから(たぶん)
純ココアを水で溶いて飲むのが本当はいいのかも(やりたくないけど)

ちなみに1.7から7.5gっていうのは板チョコのひとかけら(15分の1)

フランス人の心筋梗塞が低いのはワインのおかげみたいに言われてるけど
日本人の心筋梗塞はもともと、ずっと少ない
ほんとは、ワインより日本酒のほうがいいんじゃない?
日本酒好きな私は、ひそかに疑いの目を長期にわたり向けている。

とにかく疫学調査は
石ころの中から宝石を見つけるがごとく
面白いのでした。


スポーツ観戦の楽しみ方

夢はみるものではなく叶えるもの by 澤穂稀

なでしこJapan 中国にも1対0で勝って
堂々ロンドンに向かって再スタートです!

このところのなでしこフィーバーで
急にサッカーに興味を持った女子は多いのではないでしょうか。
もちろん、私も「にわかなでしこファン」の1人です。

あれだけのリーダーシップを持つ澤さんは
どうやら行動でみんなを引っ張っていくタイプらしい。
どんな人柄なのか、興味津々です。

小さい頃は人見知りで
おてんばで
もちろん運動神経バツグンだったそうです。
お兄ちゃんについて行ったサッカーレッスンで
「妹さんも蹴ってみない?」
と言われて
蹴ったボールがいきなりゴール!

やっぱりサッカーの女神が導いてくれた瞬間としか思えません。
澤穂稀は、そういう星のもとに生まれたのでしょうか。
レディ・ガガの歌詞じゃないけど
I was born this way hey
って感じ!!

スポーツ観戦の楽しみ方って女性が増えた分広がったなって思います。

ルールを覚えて、ゲームを楽しむ
そのスポーツを始める
雰囲気を楽しんでお酒を飲む
選手のファンになるおっかけ

にわかファンでも
運動ど真ん中ファンでも
スポーツに興味を持ってもらえるのはホントに嬉しい。

川澄奈穂美が好きっていう女子中学生に
どこがいいのか聞いてみたら
「おしゃれ番長だし、先読みして動くところがカッコイイ!」
とのこと。
わかってるねぇ~

私も単純に試合を見てて楽しんでるけど
興味は筋肉
あれだけ走り続けられるって
いったいどんな筋肉なんだろう?
疲れを短期間でとる方法は?

そういえば昔は疲れは乳酸が原因だって言われていたけど
最近はリン酸かもしれないって言われています。
実はまだまだ不明

エネルギーは糖を原料として
ミトコンドリアが作っている。
でも、ミトコンドリアの処理能力以上の原料(糖)がくると
処理しきれない糖が乳酸に分解されるんです。
この乳酸もエネルギーの元として使われているとか。

なでしこ達はトレーニングでミトコンドリアの量が増えてるから
エネルギーをたくさん作れるんだろうな。

試合前に見るモチベーションビデオで流れる曲に
ベリンダ・カーライルの「Heaven is a place on earth」が使われていたとか
今はどの曲なんだろう
ピッチに出るときに
みんな何の曲を聴いているんだろう
怪我をせず、ロンドンで思い切りプレイしてほしいです。


ほんまでっか!?TVで学べること

さんまさんと科学者や各分野の専門家が繰り広げる番組
ほんまでっか!?TV って見た事ありますか?

細切れの情報が専門家から井戸端会議みたいにポンポンと出てきて
さんまさんと科学者とのからみが絶妙で
先生方のとんでもないコメントがおかしくて・・・

わたくし、この番組が大好きで
科学の授業としていつも拝見させていただいております。はい

番組作りの点からなのか
出演されている先生方は
とても断定的にものごとをおっしゃいますね。

「メニューがすぐに決められないヒトは器が大きい」

(そこまで言い切るんか?)

「傷がすぐに治るヒトは女々しい」

(ええっ うそでしょ?)

あんなに肩書きのある先生が言っているから
本当なんだろうなぁって思っちゃうけど
これはある意味「真実」で、ある意味「うそ」。

どういうことかって言うとね
たとえば、白い車をいろんな角度から1ミリの隙間で観察する。
上から見ると
「車は真っ白い壁である。」
でも、横から見ると
「車はガラスと鉄で出来ている。」

これどっちも科学的であり真実。
でも、自分の立ち位置、つまり
どこから見たのか、
どういう目的で観察したのか、などによって
得られた結果の解釈は異なってくる。
本当の姿を知りたければ、全方向からの検討が必要。

番組では、ケースバイケースの解釈をしている時間は無く
一般論で話が進むから
小気味イイほどのテンポで展開する。

面白いのは
どの先生も反論されてもひるがないこと。

科学者って、いつも反論にさらされて生きている。
研究室の勉強会や学会の発表では質問をあびる。
「2010年のネイチャーの論文では反対の結果が出ているが、どう思うか?」
「そもそもそんな研究は人類に役立つのか?」

これは、基本的にはいじわるじゃなくて応援。
(基本的にはね 笑)

科学者って世界中で切磋琢磨して支え合って
みんなで本物を追求している。
どんな研究も、そのベースは純粋なキモチ

「真実を知りたい。それを世の中で役に立てたい。」

でも研究を具体的な事業にする時に
お金や利権がどうしても出てくる。
研究者も、経済政治や人間研究にも興味をもたないと
「こんなはずじゃなかったのに・・・」ってことになる。
原子力研究の今後にまで思いをはせちゃうのね

研究分野でも広い視野と高い倫理観を持った頼れるリーダーが必要だと思うわ



《 前 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 次 》


↑Page Top

プロフィール

武藤順子

武藤順子さん
博士(体育科学)、薬剤師(東京理科大学)。
製薬会社などで働き、医薬翻訳者として独立。メーカーの申請資料、ドクターの論文などの翻訳をする。現在スポーツ医科系大学院の博士課程研究生。脳・運動・ストレス・肥満などの研究を行う。株式会社ビーフィジカルの代表として講演、執筆、エージングマネージメントセミナー講師などとして活動。主な翻訳物:ライフサイエンス選書「米国最新治験事情—臨床研究者の成功までの道のり」。
所属学会:日本体力医学会、日本肥満学会、臨床栄養学会
運動と脳とキレイを科学する女性研究者のブログ武藤順子オフィシャルサイトB-PHYSICAL