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第7回 Expense③

こんにちは。確定申告の受付期間が始まりました。
最近では個人事業者や小規模の法人向けに経理の自動化ソフトなども出ていますので、使われる方も多いのではないのでしょうか。いわゆるクラウド会計ソフトです。
これは、銀行口座やクレジットカード明細と連携して24時間会計処理をおこしてくれるといるというものです。経理業務に追われて本業がおろそかにならないために導入されてもいいかもしれませんね。

本日も経費のうち経費になる税金等、ならない税金等について説明します。皆様業務上様々な税金を支払っていると思います。経費になるものとならないものを確認しましょう。

経費にならないもの
①所得税
所得の処分としての性格があるので所得計算上、経費に含めることができないとされています。
②住民税
上記①の所得税と同じような性格のものであるため経費に含めることができません。
③罰金・交通反則金など
懲罰的な意味合いから必要経費になりません。
④業務用資産以外の資産(住宅など)に係る不動産取得税や固定資産税
単なる家事費なので必要経費になりません。
⑤国民年金や国民年金の保険料
こちらは必要経費にはなりませんが、社会保険料控除として全額所得控除できるので必要経費と同様の効果があります。
⑥同一生計親族に係る医療費
こちらも当然経費になりませんが、一定金額(大体が10万円)超支出している場合には超える部分を所得控除することができます。(医療費控除)

経費になるもの
①事業税
理由に関しては所得税や住民税との違いが難しいですが、事業を行う上での公共サービスに対する対価と考えられるため、事業税は賦課決定時(納税時)の必要経費になります。事業をやめる場合には概算金額をやめる年の必要経費にすることができます。
②事務所等に係る不動産取得税や固定資産税
業務用資産に係るものなので必要経費になります。
③印紙税や登録免許税など
業務用必要なものであれば必要経費になります。
④自動車税
仕事に使う車の自動車税は必要経費になります。ただし、プライベートと業務に使う場合(家事関連費である場合)には使用割合対応分のみ経費になります。その車の減価償却費の必要経費割合と同様が望ましいです。

読んでいただきありがとうございました。

                   税理士法人青山アカウンティングファーム
                   関 友貴


第6回 Expense②

こんにちは。必要経費について言及した前回以降ブログが滞ってしまいました。
所得税の計算期間も過ぎ、確定申告の時期が近づいてきましたね。
開業したてでこれから初めて経費集計するという方は本日の記事を参考にしていただければと思います。

自宅開業をしてプライベートと業務にかかる経費がある場合

前回、「売り上げを得るためにかかった費用」や「その業務に関係してかかった費用」が必要経費に算入できるという話をしました。
個人の支出には法人の支出と異なり二面性があり、業務上の経費と生活するための経費が発生します。
たとえば自宅開業をして自宅に事務所部分を設けているフリーランスの方も大勢いるかと思います。その場合、家賃や購入にかかる借入金利息は経費になりますか、という問い合わせをよく頂きます。
答えは「経費になります。」ただし、全額は難しいと思います。費用に関しては、使用割合などに応じてそれぞれ合理的な割合を設定して経費に入れるのが一般的です。

①自宅兼事務所の家賃
自宅のうちどれくらいのスペースを事務所として使用しているか。たとえば、部屋数3部屋中1部屋を仕事で使っていれば、3分の1を経費算入すれば問題は生じません。ただし、部屋の広さがそれぞれ違い、割合に合理性が認められなければ税務調査で否認される可能性もあります。その場合には平米数で按分するなどの工夫が必要です。そのほか、ワンルームの場合で全部経費に入れてしまうのは無理がありますので単純に50%経費算入したり、時間数で按分する必要があります。

②持ち家の住宅ローン利息や減価償却費
持ち家で開業している場合に銀行に支払う利息や取得価額のうち建物部分の減価償却費をどうするかということに関しては上記①の按分割合を使用することが合理的ですが、借入金に関して住宅ローン控除を受けている場合には、つじつまが合わなくなるのでご注意ください。

③水道光熱費
使用時間や使用頻度が好ましいですが、上記①の按分割合と同様でも合理的であれば問題ありません。

④通信費
通話・ネット・ファックスなどの使用明細を何か月かサンプルで見てみて、業務の使用割合の平均を算出しましょう。その割合の算出根拠を残して1年分の通信費にその割合を乗じて経費に入れれば問題ありません。

このように、二面性のある費用を家事関連費と呼びますが、家事関連費の経費算入割合に関しては税務調査でしばしば説明が求められますので必ず算出根拠を明確にして、堂々と回答できるようにしておくのがいいでしょう。

読んでいただきありがとうございました。

                   税理士法人青山アカウンティングファーム
                   関 友貴


第5回 Expense①

 みなさま、こんにちは。 

 今年も10月に入りようやく日本の秋らしくなってきましたね。さんまがおいしい季節になりました。寒くなってくると面倒な確定申告を思い出す方もいるのではないのでしょうか。少しずつでも売上や経費や源泉所得税の集計作業を進めてくださいね。

 さて、税金は所得に対して税率を乗じて計算されます。その所得は収入金額から必要経費を控除して計算されるわけですから、フリーランスの方が節税をする場合には必要経費を漏れなく集計したり青色申告で通常経費にできないものを経費にしたりすることが大事になります。(このあたり、前回までで説明してきたところになります。)

 ここで、経費の取扱いですが、領収書をもらいわすれたとか、どこまで経費になるのかとかお悩みの方が多いように思います。
あるいは、とりあえずレシートがあれば何でも経費に算入して大丈夫とか、勘違いしてしまっている方もいるように思います。

 従いまして、今回より、必要経費にフォーカスしていきたいと思います。

 「必要経費」は実は、所得税法という法律で規定されております。法律を読むのは専門家の仕事ですが、経費とは何かという根本を理解しておくことは重要であると思いますので、かなりかみ砕いた文章で載せますので読んでみてください。

 所得税法37条 必要経費
 その年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき金額は、原則として、事業所得の総収入金額に係る売上原価その他その総収入金額を得るために直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他事業所得を生ずべき業務について生じた費用の額でその年において債務の確定しているものとする。

 難しいのでさらにかみ砕きます。

必要経費とは①売上原価と②業務に関する費用であります。

 ということになります。①の売上原価については商品販売業などを営んでいれば仕入金額などがあたりますね。通訳者や翻訳者の皆様にはあまり当てはまるものはないでしょうか。もし、受注した仕事を誰かに外注に出していたりするとその外注費は直接売上に対応するので①になりますね。
 
 みなさまが集計するのが大変なのが②の費用ですね。
 この②のポイントは「売り上げを得るためにかかった費用」や「その業務に関係してかかった費用」が必要経費に算入できるということです。このあたり次回以降掘り下げていきますが、本日はここまでとさせて頂きます。

 読んで頂きありがとうございました。

                   税理士法人青山アカウンティングファーム
                   関 友貴



第4回 Net loss carried forward

 みなさま、こんにちは。

 本日まで3回にわたって所得税の計算体系と青色申告の申請と特典についてご説明させて頂きました。青色申告の特典については本日説明させて頂く、「純損失の繰越控除」で最後になりまして、次回からテーマを変えさせていただきます。
 それでは、本日もよろしくお願い致します。

 今まで説明させて頂いた通り、所得税の計算体系については下記の通りになります。
   第一段階:収入-経費(-青色申告特別控除)=所得(A)
   第二段階:(A)-所得控除(扶養控除とか基礎控除とか)=課税所得(B)
   第三段階:(B)×税率=年税額(C)
   第四段階:(C)-源泉徴収税額(予め天引きされた税金)=申告納税額(D)

 上記の(A)の所得がマイナス(赤字)になった場合、その赤字を翌年以降3年間持ち越すことができるのが「純損失の繰越控除」という制度になります。
(ここで念のための補足なのですが、青色申告特別控除は収益-経費がプラスになる場合のみそのプラスの金額を限度に使えます。したがって青色申告特別控除額で赤字を増やすことはできません。)

 この制度は、その純損失が生じた年の確定申告を青色申告で行っていることと、その後繰越控除を行う年まで連続して確定申告書を提出していることが要件になります。
 
 毎月決まった日に、必ずお給料が振り込まれてくる給与所得者と違いまして、フリーランスは時として収入が不安定になります。病気になって受注した案件を納品できなくなることもありますし、得意先が不景気になって突然仕事を受注できなくなることも事業を営んでいれば当然あると思います。それで所得がマイナスになっても、白色申告だと「今年は所得がマイナスだったので納税は発生しなかった。」で終わってしまいますが、青色申告でしっかり損失を申告しておくことで、来年以降の税金も安くすることができるのです。 
 
 また、所得がマイナスになった年が青色申告で、その前年も青色申告をしている場合には、その損失の金額を前年に繰戻して、前年の納税額から還付を受ける「純損失の繰戻還付」という制度も見逃せない特典になります。

 今回まで説明した青色申告の所得計算の特典をまとめると下記の4点になります。
  ①青色申告特別控除(複式簿記なら65万・簡易帳簿なら10万)
  ②減価償却の特例(30万円未満の固定資産の一括費用処理)
  ③青色事業専従者給与の経費算入
  ④純損失の繰越控除

 フリーランスはどちらにしてもご自身で所得を算出しなければなりませんが、白色申告と簡易帳簿を付ける青色申告とでは手間はほとんど変わりませんから、青色申告の申請が未だの方は節税のためにも青色申告を検討してみてください。

本日はここまでとさせて頂きます。
読んで頂きありがとうございました。

                   税理士法人青山アカウンティングファーム
                   関 友貴


第3回 青色申告の申請と特典

 みなさま、こんにちは。
 前回は青色申告をできる人と青色申告の特典のうち青色申告特別控除について説明していきました。

 本日は青色申告のほかの特典を説明していく前に、青色申告するためには税務署に申請を出さなければならないので、その申請について簡単に説明していきます。

 その年から青色申告をしたい場合には、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」という書類を所轄の税務署に提出しなければなりません。
 つまり、平成27年分の確定申告書は平成28年の3月15日までに提出するわけですが、青色申告で提出したい旨の申請期限は28年3月15日ではなく、27年3月15日になりますので結構きびしいです。(開業した年であれば開業日から2か月以内でOKということになっています。)

 従いまして、今年から青色申告にしよう!と思い立っても、来年分からでなければできないというケースがあり得ますので、なるべく開業した時に開業届と一緒に出すのがいいかと思います。

 申請書は国税庁のHPから打ち出すことも可能ですし、30分あれば作成できるような簡単な書類です。
 前回、帳簿の精度の高さによって青色申告特別控除額が異なってくるというお話をしましたが、申請書に帳簿の精度の高さを選ぶ箇所があります(複式簿記なのか簡易帳簿なのか)。この欄についてはご自身のこれからの帳簿の記録の仕方によって選択してください。

 さて青色申告特別控除のほかの青色申告の特典について本日は2点ほど説明していきたいと思います。

1.減価償却の特例
 通常、10万円以上の資産を購入した場合には耐用年数に渡って分割して経費に落としていく減価償却という処理をしなければなりません。
 ただし、青色申告者は29万9999円までの固定資産であれば一括で経費に落とせるという便利な制度があります。12月31日までに事業に使い始めればその年の経費で落とせるわけですから、所得の状況を見ながら、「今年は税金がたくさん出そうだから年内にPCを買っておこう」という様な判断もできるので節税には使えると思います。(キャッシュは当然出ていくので不要な資産の取得は本末転倒ですが...)

2.青色事業専従者給与の必要経費算入
 所得税における所得計算においては、同一の家計内のご家族(同一生計親族といいます。)にその所得に関する事業に関して何かの対価(例えば給与や事務所の家賃)を払っても、原則的に経費には算入できないと定められています。
ただし、青色申告者に限り、同一生計親族に対し支払った給与は下記の届け出に記載されている金額の範囲内で適正金額であれば必要経費に入れてもいいですよということになっています。
 なお、この制度には、次の要件があります。
 ①その同一生計親族は15歳以上であること 
 ②一年を通じて6月以上従事していること
 ③その年3月15日までに届け出を提出していること
 通訳業や翻訳業でもご家族に文章の公正をしてもらったり、領収証や請求書の管理や集計を手伝ってもらうことができると思います。
 また、帳簿付けをしてもらうこともできると思います。(そうすれば65万円の青色申告特別控除も受けられます。)
 そのような労務の実態があればその労務の対価として適正範囲内で必要経費に算入できますので、制度を知らなかった方はこの制度を使えないかどうかご検討してみてください。

本日はここまでとさせて頂きます。
読んでいただきありがとうございました。

                   税理士法人青山アカウンティングファーム
                   関 友貴



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プロフィール

税理士法人青山アカウンティングファーム
http://www.aoyama-af.or.jp/pc/
税理士 関 友貴さん

2005年 都内会計事務所にて法人税、所得税の一般税務会計業務に携わる。
2006年-2009年 4大会計事務所の一つであるKPMGにて上場企業、国内外資系企業、海外法人の税務に携わる。
2009年-現在 松本憲二税理士事務所(現税理士法人青山アカウンティングファーム)にて中小企業経営のトータルサポート・上場企業の税務のほか、弁護士・外国人・通訳者等の個人確定申告に携わる。
2010年より株式会社テンナイン・コミュニケーションを担当。