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ありがとうございました。

トナカイ

通訳・翻訳者リレーブログ

今週、フィンランド首都圏の学校は秋休み中です。週の前半は通訳案件、後半は子供たちと小旅行をして、ヘルシンキに帰着後、現在通訳学校へ行くための長距離列車の中にいます。
子供の秋休みの週なので本当は自分の学校は休みたかったのですが、通訳学校のあるエリアは秋休みが来週だということ、そして今日は資格取得に関する重要なガイダンスがあるということで、「絶対来るように」と先生に言われていまい、またしても綱渡りのスケジュールに陥っております。。。

そして、突然ですが今日でヘルシンキからのリレーブログは最終回になります。始めさせていただいた頃はちょうど昨冬の雪が解ける頃か・・・というところでしたが、今日のヘルシンキはわずかに小雪がちらついており、北上するにつれて、車窓からは少し積もったところ、少し吹雪いているところさえ見えてきています。いよいよ冬に向けて季節が動いています。

リレーブログを通して、日本や海外で活躍されている通翻訳者の皆様の日常を知ることができ、また自分の仕事についても、文字にすることで改めて整理することができたのではないかと思います(いかにドタバタしているかということを、我ながら改めて思い知らされたという感じですが・・・)。通訳、翻訳の仕事とも、どちらかというと裏方の仕事だと自分は思っていますが、こんな欧州の片隅にも、ちょこちょこと動き回っている者がいるということで、そんな存在にスポットライトを当ててくださったテンナインの皆様にも厚く御礼申し上げます。

これからも自分の通翻訳者生活は続いていくと思います。今年は特に通訳案件が激増したのですが、場数を踏めば踏むほど案件の難易度も高くなってきた気がします。あるいは、時間の関係で、準備を非常に効率的にしなければならない事情から、そう感じているのかもしれません。
世の中が絶えず変化している以上、取り扱う題材も常にアップデートされていくことを実感しています。

最後に一つだけ、特に東京近辺にお住まいの方に宣伝ですが、10月末から開催される東京デザイナーウィーク2010と時と同じくして、フィンランド・デザインのミッション「Hirameki-Design x Finland」が展開されます。ここで、筆者が昨年日本語の対訳を担当した、フィンランドの商空間を紹介する書籍が出品されます。
このミッションの目的は、フィンランドのデザイン、特にまだこれから発展していく新しいデザインを日本の皆様に紹介して、日フィン間のビジネス交流につなげていくことだと理解しています。お時間のある方はぜひ足をお運びいただければと思います。

筆者が制作に参加した書籍は、現在、フィンランド国内の他、イギリス、イタリアなどで洋書として販売されています。今回、日本に逆輸入という形で自分の訳文が入っていく感じなのですが、普段はもちろん直接日本の方とのお仕事もしていますし、フィンランド国内でも需要がありますし、さらに今年はフィンランド国外の在欧の日本人の方とも何回かコラボレートする機会に恵まれました。つまり、通翻訳者には言語を通じてまだまだいろいろな可能性が開かれていると感じています。

その中で、自分の仕事が誰にどのような形で必要とされているのか、それも少しずつ見えてきてはいるものの、逆に、何をやってもし足りないという状況でもあります。多言語対応を名乗ってはいますが、各言語ごとに苦手とする部分だってもちろんあります(逆に、この地域は地理的にどれも似たように見えるのか、時々まったく門外漢の言語についてもお問い合わせがありますが・・・)。いずれにしても、一定の比較文化的な視点を持っているのは確かなので「これでいい」「○×で十分」と決め付けてしまわず、能力と体力(と年齢)の許す限り、いろいろなプロジェクトに、・・・できれば、自分の目線より少し上に目標を置いて、かつクライアントとは視点を合わせつつ、謙虚に、そして果敢にチャレンジしていきたいと思っています。

それでは、本当にありがとうございました。
今週も、よい週末を!

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記事を書いた人

トナカイ

フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。

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