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枝廣淳子のNext Stage

同時通訳者、翻訳者、そして環境ジャーナリストとして、環境問題に関する講演、執筆、翻訳等マルチにご活躍の枝廣淳子さん。代表的な翻訳本として「不都合な真実」(アル・ゴア:著 枝廣 淳子:訳)、著書である大ヒットシリーズ、「朝2時起きで、なんでもできる!」などでも知られる枝廣さん代表の有限会社イーズでは、翻訳力アップのための自己トレーニングメール講座、「Next Stage」を開いています。 本コンテンツでは翻訳者を目指す方をNext Stageへと導く枝廣さんからの楽しくもためになるコラムを毎月第1水曜日にお届けします。乞うご期待下さい。

第7回「おしゃれとエコって、両立するの?」

ちょうど講談社から翻訳書『女子エコ日記 366days おしゃれとエコって、両立するの?』(ヴァネッサ・ファーカーソン著、枝廣淳子・長澤あかね訳)がでたところです。

これは、ヴァネッサ・ファーカーソンというカナダのフツーの若い女性が、なぜだか「1年間、1日1コずつエコやろう!」と決意したところから始まります。最初はいいんですけどね、できそうなこと(かつそれほど負担がなくて価値観まで変える必要がないこと)を思いつきますから。

でも、そういった「イージー」な取り組みが底をつき始めたら? カンタンかとやってみたら、実は大変な格闘(ミミズとの格闘?)が待ち受けていたら? オシャレじゃないと人生じゃないと思っているのに、オシャレに反しないエコを探したら? ボーイフレンド大募集中なら、エコが狙い目? そして、エコにめざめた彼女がステキな彼氏を手に入れるまでの取り組みの汗と涙の顛末。

楽しい本です。ぜひ手にとって見て下さい。amazonではこちらにあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062158531?tag=junkoedahiro-22

この本の翻訳は、これまでとはまた違った面白さと大変さがありました。エコといっても、私がこれまで多く翻訳してきたような「マジメ系」ではなく、「エンタメ系」ですから、原書もそういう感じだし、そういう感じに訳さなくてはなりません。これまでエンタメ系では、『ライオンボーイ』を訳したことがありますが、今回は若い女性向けということで、またまた新領域開発、となりました。

現在は、年末に出たアル・ゴア氏の『私たちの選択』につづく本を訳しています。こちらは、若い世代に読んでもらえるように、という作りになっているので、中学生にも読んでもらえるよう、考えながら翻訳を進めているところです。

じょうずな俳優さんは何人もの人間や何通りもの人生を演じ分けることができる、と言いますが、私たち翻訳者も、毎回その内容や対象者、トーンに応じて、訳し分ける力が大事だなあ、と。

少しずつ日差しが温かくなってきましたね。新年度、春からすぐに動ける体(訳せる頭)になるよう、この時期、翻訳力の基礎トレーニングも念入りにどうぞ!

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翻訳力アップ自己トレ「メール講座Next Stage」では、いろいろな読者層を想定して、文章を練り直すコツも学べます。

正確でありながら「早く続きが読みたい!」と思わせる訳文作りに、みなさんもトライしてみませんか?

講座の詳細はこちらからご覧いただけます。
http://www.es-inc.jp/courses/course09.html


第6回「一石二鳥で進もう! メタ・トレーニングのススメ」

12月末と1月上旬に、「翻訳道場」を開催しました。年の瀬・新年という忙しい時期にもかかわらず、翻訳力アップに本気に取り組む参加者が、お互いに学び合いながら、自己研鑽を積みました。

翻訳の仕事もトレーニングも、自分ひとりの世界に浸れる楽しさもありますが、ときには、やはり他流試合に出かけていって、よりよいトレーニング法をゲットしたり、刺激を得たり、カツを入れてもらったり、という機会は大事ですね。

今回は特に「メタ・トレーニング」を強調して、お伝えしました。トレーニングによって、自分の翻訳を改善していくことももちろん大事なのですが、同時に、自分の翻訳トレーニング法も改善していくことができれば、グングン! と進んでいくことができます。翻訳の中身と同時に、翻訳トレーニングのやり方も改善していくことを私は「メタ・トレーニング」と呼んでいます。

その第一歩は「いまからやるトレーニングは何のためか?」をしっかり意識することです。ただ漫然とやっているとしたら、いくら時間をかけてもどれだけ量をこなしても、ブレークスルーにつながる進歩は得にくいでしょう。どんなに短い時間でもよいので、ひとつずつ「どの翻訳の筋肉?を鍛えるのか」を意識すること。ぜひ試してみて下さいね。

今回の道場参加者の感想をいくつか共有したいと思います。こうやって手応えを感じつつ、つねに自分の翻訳も鍛え方も進歩させながら、進んでいきましょう!

○今何を鍛えようとして(何を改善しようとして)これをしているかという目的意識をもって課題にとりくむことが大切だなと思いました。(けっこう漫然とやっていることが多いような気がしたので)また一つの方法にこだわらず(限らず)試して自分に合った方法で力のつくやり方は何かを考えてみようと思います。

○自分の翻訳を客観的にじっくりと見つめなおすことができて良かったと思います。「トレーニングをする時は、常にこれからなにを得ようとしているか決めてからのぞむこと」というアドバイスは、目からウロコでした。定期的に自分の目標や達成度を振返ることと同様、ただ課題をこなすのではなく、目的意識をもつことの重要さを実感しました。

○文章のどういうところに目がいってなかったのか自分のクセに気づくことができました。同じ目的を持った人たちとの集まりは、やはりとても刺激になります。

○具体的なトレーニング方法を複数学べたのが大きな収穫だった。前回同様、枝廣さんの最終的な訳語・訳文へのおとし方を考えるプロセスを学べて大変良かった。

○日々の雑事に流されるままの生活だったので、カツを入れていただけて良かったです。今年一年の目標ができました。

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翻訳力アップ自己トレ「メール講座Next Stage」では、エダヒロのヒトリゴト解説やQ&Aで、いろいろなトレーニング法をご紹介しています。

鍛えたい「翻訳の筋肉?」を意識して、一緒にトレーニングを進めていきませんか?

講座の詳細はこちらからご覧いただけます。
http://www.es-inc.jp/courses/course09.html


第5回「翻訳の勉強に必要なのは、量?それとも質?」

この冬、夏に続いて翻訳道場を開催します。翻訳者として独り立ちする日をめざして、トレーニングに励んでいる受講者のみなさんと、一文ずつ丁寧に細かいところまで押さえながら、真の力をつけるための学びの機会としていきます。
翻訳を勉強している方々から、よく「翻訳の勉強に必要なのは、量でしょうか、質でしょうか?」と聞かれます。皆さんはどのように思われますか?
私の答えはいつも「量も質も!」です。自分の経験からも、翻訳者の卵さんたちの様子を見ていても、実際、翻訳トレーニングの「効果=量×質」だと思います。
翻訳の勉強をしている人はまじめな人が多く、細かく落とさずに丁寧に勉強を進めていることが多いように思います。でも、丁寧にやればやるほど、時間がかかり、進み具合はゆっくりになります。この場合、よほど意識していないと、トレーニングの「絶対量」が足りず、一生懸命やっているのになかなかブレークスルーできない、という状況に陥ります。

 この1年、やる気のある受講者数十人と「誤訳バスターズ」という、メールでのやりとりで翻訳トレーニングを行うシステムを試してみました。開始にあたって、私がみなさんに言ったのは、「この1年間で10万ワードの翻訳をめざしましょう!」です。

 私がこれまで訳してきたビジネス・自己啓発・環境問題関係の書籍の平均的なボリュームは、10万ワードぐらいです。1冊訳しあげるぐらいの分量をこなすことは、翻訳トレーニングのどこかの段階で必要になります。英文解釈の間違いがほぼなくなり、正確さを確保できるようになってきた頃ですね。

 この1年間に私は5冊の翻訳書を出しました。1冊ごとに、翻訳のやり方をくふうし、変えてみました。そうしながら、年間50万ワードほどのトレーニングを積んだことになります。
といっても、いくらやっても、「もうこれでいい」という境地には決して達することができず、いつもいつまでも「翻訳修行中」です。一生続いていく道なのだから、めざす頂から目を離すことなく、同時に、道中を楽しみながら歩んでいきたいなと思っています。

翻訳のトレーニングには終わりがなく、ひとりで長い道のりを進んでいかなければなりませんが、時には一緒に楽しみながら進んでいきませんか?翻訳力アップ自己トレ「メール講座 Next Stage」では、「質」と「量」のトレーニングをどうやって進めていくかについてのヒントも提供しています。

講座の詳細・お申し込みはこちらから。
http://www.es-inc.jp/courses/course09.html


第4回「ツイッター実況中継 アル・ゴア氏の新刊『私たちの選択』翻訳格闘記」

 2ヵ月と7日間の熱い熱い日々が終わり、ようやくアル・ゴア氏の新刊『私たちの選択』の翻訳が終わりました。どんな感じで進めていたのか、8月から始めたツイッター(junko_edahiro)から拾い読みをどうぞー。

(9/23)
「小さいことを積み重ねる事がとんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています イチロー」 イイコト言うねぇ。そして、その積み重ね方に工夫があるんだよね。何も考えずに積み重ねてもあまり進まない。翻訳のトレーニングも同じ。

(10/3)
今日は名古屋へ日帰り講演。帰り夜に海オフィに入る。ゴアさん翻訳、自主缶詰〜。

(10/4)
5行にもわたってとうとうと続く1文……ゴアさん、勘弁して〜。(涙)

(10/11)
私って、翻訳が本当に好きなんだろうなあ〜とつくづく感心しつつ。一休みしてご飯食べればいいのに、「もう1パラ」「もうちょっと進んだら」と、おなかはすいているのに、翻訳が止められない〜。(^^;

(10/25)
おはよー。今日はゴアさん18章です。がんばらなくちゃ!1行目から、よーい、ドン!
途中で少し道草をくってしまったけど、今のところ快調に走り続け、折り返し地点。(18章は短いから助かるなぁ!)
18章、ゴール! 6時間25分。最後の方は、もう泣けてきて、うるうるしながら翻訳していた(うるうるしながらランニングするのと同じく、ペースダウンしてしまうが)。きっとゴアさんも泣きながら書いたんじゃないかと思う。

(10/28)
お日様がどんどん動いていく。海の上のきらきら輝く帯を連れて。 待って〜! 翻訳はそんなに早くは進めないんだよ−。今日中に何とか17章を終えたい。ちょうど折り返し地点に到着。

(10/29)
夜が明けた。私の17章の夜も、ようやく開けた。早起き生活をしているとわかるけど、夜明け前がいちばん暗く、いちばん冷え込む。翻訳も同じである。。。うー。見直しをして(って、これにも2時間ぐらいかかるんだけどね)、朝ご飯を食べて、次の章へゴー!
今日、すでに10時間以上稼働。(頭の中は「まだ」白くないよ−^^;)
だんだん自分が翻訳マシンになってきた気がする。ちゃんと歩けるかな? ちゃんとしゃべれるかな?(これがけっこう怪しくなる……)。今日の目標地点まではまだ遠いのだけど……あと1時間がんばってみることにする。そのあとは、そのときに決めようっと。
朝2時過ぎから、実働15時間超。さすがに目が回ってきた〜 (@_@);;;; そろそろ帰ろうっと。

(11/2)
森林の章に入る。他の章より長い。。。森林は大事。けど、翻訳するときは短めの方がいいなぁ。さあ、始めようっと。
森林の章、予想以上に手ごわい……。真っ向からの向かい風の中を進んでいるような感じ。うー、もっと速く進まなくては。。。
日本語にしにくい英語の1つが、「integrity 」。森林の integrity とは何のことか???

(11/3)
さあて、今日は森林の章の続きから。がんばるぞ〜。
「植林」と「植樹」の違いに悩むこと、20分。。。英語ではどちらもtree-planting なんだけどね。。。「緑化」っていうのもあるね。ビミョーな日本語の違いで、どう訳し分けるか……。

(11/4)
原発の章。のっけから長考に入る。。。ゴアさん、そんなふうにいっちゃっていいの??? 文字どおりそのまま訳出してよいのだろうか??? うーん。。。

(11/5)
ちょっと風邪気味みたい。。。ここで風邪を引いているわけにはいかないのだ。ゴアさんの翻訳、締め切りまであと11日。

(11/6)
ゴアさんの原子力の章の冒頭、「このまま訳してよいのかな、もうちょっと先まで進んでから判断しよう」と置いてあるところ、「なんて書いてあるの〜?」という声が聞こえてきたので、原書も発売されたので、ご紹介。ゴアさん、原子力のことを「white elephant」だって書いているのですよ。
white elephant って文字どおりに訳せば、「維持費ばかりかかる無用の長物」みたいな感じです。ゴアさんが温暖化対策として原発推進派なのか反対派なのか、とても大事なところなので、とりあえず、先に進んでます。だいたい見えてきた。さすが、感情論なく、論拠がしっかりしている。
それにしても、今日はなんて気持ちのよい日なんだろう! こんな日に、自分が大事だと思う本の翻訳ができて、とっても幸せ。

いま翻訳しながら思ったけど、ツイッターを使って、リアルタイムで翻訳トレーニングをすることができるね。私と受講者が同じものを訳していく。受講生の訳を見ながら、なぜその訳語を選んだのか、どこに気をつけているのか、自分が翻訳しているときに頭の中で起こっていることをツイッターで中継。
たとえば、convert 。どういうときは「変換」で、どういときは「転換」なのか、区別して訳し分ける力が必要。翻訳って、最後は、日本語の力と、その分野の勉強と、調査力。

(11/7)
完全な風邪となってしまった。。。締め切りまであと10日。だましだまし、slowly but steadily にほふく前進のように続けていくだけ。薬、キライだけど、今日は飲もう。
今日は12時間ぐらい翻訳をやっていた。最後は時間の感覚を失う。このままだとずっと続けてしまいそうなので、ここらでおしまいに。

(11/8)
grow なんて簡単な言葉にけっこうひっかかる。植物の場合は、「成長」じゃなくて、「生長」にしたほうがよいのかな……など、いろいろ考えたり調べたり聞いたりすることが増える。
historic ではなく historical が使われているという事実を、どう日本語に反映させるか、考え中。
前も悩んだことがある。。。harvest って単語。ふつうは「収穫する」だけど、その対象が water の場合はどう言えばいいんだろう??? イメージはよくわかるけど、日本語がついてこない〜。そういえば、「ハーベスト」って、おいしいお菓子があったね……

(11/9)
翻訳作業って、地下を掘って進んでいくみたいだ。一歩一歩、足下を確認しながら、真っ暗な中を進んでいく。暗闇はどこまでも果てしなく続くように思われる。。。地熱エネルギーの章を訳しているからそんな気がしてきたのかな?(いま息継ぎのため浮上中)。翻訳者がモグラだったとは!(^^;

(11/16)
ゴアさんの翻訳の校正。ふつうは原稿を渡して、しばらくしてから校正なのだけど、今回は特殊な進行で、渡した原稿から校正ゲラになって戻ってきている。ブーメランみたいに……。
謝辞とクレジットの翻訳の仕上げ中。本当に多くの人々がゴアさんを助けてこの本を作ってきたのだなあ!と思う。そして、ゴアさんほどじゃないけど、たくさんのメンバーや方々に助けてもらってこの翻訳を進めていること、本当にありがたいことだと思う。

(11/22)
ゴアさんの本の「あとがき」を書こうと、前回の「不都合な真実」のあとがきを見たら、最後に「2006年11月23日、誕生日の日に」と書いてあった! この人のいつものパターンでいくと、きっと前日に下書きをしたのだろう。ちょうど3年前の自分と握手しちゃったような気分。(^^;

(11/23)
ゴアさんの缶詰も大詰め。今週、すべて終わらないと間に合わないからねー。

(11/25)
今日が、ゴアさんとの最後の日(になる予定)。制限時間の範囲内で、できるだけ読みやすく、と読者の目で校正中。もっとも、原文が入り組んでフクザツな場合は難しいのだけど……。
オフィスで届いていた再校ゲラを確認。うーむ。今日最終日なのに、まだ全部出ていないんだ−。今回、原稿の到着がかなり遅れたので、私たち翻訳も大変だったけど、校正や編集もスケジュールがずれて苦労している模様。とりあえず、届いているところを終えよう。

(11/26)
まだゴアさんから離れられない〜。(^^; 

(11/27)
1日の企業研修を終えて、19時近くに外に出て、最後の再校ゲラを受け取る。明日の午前中にはすべてが終わる。。。これで本当の最後ね(何か、塩化の菓子、じゃなくて、演歌の歌詞みたいね!^^;)。

(11/28)
コーヒーを淹れて、ゴアさん、さあ、始めるよ〜!
編集者と電話で再校の直しを確認。残り90分!最後のがんばり〜(90分というのは、飲み放題の制限時間だけじゃないのね〜。^^;)

ついに、終わった〜! もう、再校も再考もない。サイコー!(^_^)Y

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翻訳力アップ自己トレ「メール講座Next Stage」では、エダヒロが翻訳するときに、どのように言葉を選び、読みやすい日本語にしていくのか、そのプロセスが追体験できます。

「正確で読みやすい」翻訳をめざして、一緒にトレーニングしませんか?

講座の詳細はこちらからご覧いただけます。
http://www.es-inc.jp/courses/course09.html

また、少人数制で開催の「実践型トライアルをかねての冬の翻訳道場」、1月9日(土)開催分はまだお席に余裕があります。
http://www.es-inc.jp/news/001733.html

成績優秀者はイーズの「翻訳プロジェクト」に参加できます。
みなさまのご参加お待ちしています!


第3回「アル・ゴアさんの新著、ただいま翻訳中!」

 今、アル・ゴアさんの『不都合な真実』に続く新著、『私たちの選択』の翻訳の真っただ中です。
米国では11月に刊行されるとのこと。できるだけ早く日本語版も出したいとの出版社の意向で、前作以上に、ハードな勝負となっています。

 前回の『不都合な真実』は、翻訳にかけられる時間が25日間しかない(すでに出張などが入っており、1日使える日は4日しかありませんでした)という状況で、死に物狂いで進めましたが、写真や図表が多く、文字数は割と少なめだったので(といっても訳してみると、それはそれで分量がありましたが)、何とかぎりぎりセーフで間に合いました。

 映画の上映などに合わせて来日されたアル・ゴアさんと、楽屋裏で少しお話をすることができました。「この人が本の翻訳者です」と紹介された私に、ゴアさんは、「私は残念ながら日本語は読めませんが、日本の友人たちが、口をそろえて素晴らしい翻訳だと言っています。素晴らしい翻訳をしてくれてありがとう!」と、あたたかい手で握手をしてくれました。

 今回の本は、前作に比べ、何倍もの文字量があります(原書のファイルを受け取ってはじめて知りました......)。前作は、短い文が並んでいたので、短くて効果的でわかりやすい日本語にしようと、コピーライティングのトレーニングを受けているようでしたが、今回は1文が数行から10行以上にわたる文も多々登場し、長文読解のテストみたいで(?)、前回とは違う筋肉をトレーニングしている気分です。

 納期が短いため、何度も見直す時間はとれませんから、最初から完成度の高い――誤訳がなく、読みやすい――訳文に仕上げていかなくてはなりません。しかも、スピードを上げたまま、長時間続けなくては間に合いません。「なんだか、最近始めたマラソンと似たところがあるなあ」なんて思いながら、翻訳を進めているところです。

 日本語版は、年内には何とか刊行したいとのこと。もちろん、翻訳が終わらなくては出版にこぎつけないわけですが、自分に与えられた締め切り日をにらみながら、もう少し頑張る日々が続きそうです。

 みなさんもどうぞお元気で!


翻訳力アップ自己トレ「メール講座Next Stage」では、「誤訳がなく、読みやすい」翻訳のためのポイントやトレーニングのコツなどを紹介しています。この春開講してから現在まで160名以上の方が受講しています。「翻訳の秋」のトレーニングのお供にいかがですか?

講座の詳細はこちらからご覧いただけます。
http://www.es-inc.jp/courses/course09.html

また、12月と1月に少人数制で「実践型トライアルをかねての冬の翻訳道場」を開催します。自分の訳した文章にその場で講師からコメントやアドバイスをもらったり、 他の方の訳と比較したりすることで、「今の自分に必要な力は何か。そのためにどういうトレーニングが必要か」を体感しませんか。成績が優秀だった方はイーズの「翻訳プロジェクト」に参加できます。よろしければぜひご一緒に!

12月27日「実践型トライアルを兼ねての冬の翻訳道場」
http://www.es-inc.jp/news/001748.html


1月9日「実践型トライアルを兼ねての冬の翻訳道場」
http://www.es-inc.jp/news/001733.html



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プロフィール

枝廣淳子

枝廣淳子さん:Junko Edahiro
東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。2年間の米国生活をきっかけに29才から英語の勉強をはじめ、同時通訳者・翻訳者・環境ジャーナリストとなる。環境問題に関する講演、執筆、翻訳等の活動を通じて「伝えること、つなげること」でうねりを広げつつ、行動変容と広げるしくみづくりを研究。世界と日本をつなげる役割としての翻訳者を育て、活躍の場を提供する取り組みも行っている。