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英語類義語活用辞典

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 夜、ベッドに入ってから少しずつ読み進めていった「英語類義語活用辞典」(著者:最所フミ、ちくま学芸文庫)をようやっと読み終わりました。読み始めてからおよそ1年…。
 ご存じの方ももちろん多いはずの有名な著者、著書ですが、どんな辞書かというと、背表紙の解説を引用すると、「類義語・同意語・反意語の正しい使い分けが、豊富な例文から理解できる定評ある辞典。思わぬ誤解や失礼をしないための使用例が、卓越した日本語と英語の語感をもつ著者により解説される」というものです。
 たとえば、mindとspirit。これが出てくると、どうもうまく訳し分けができなくて困っていたのですが、この辞典の解説は明快。「日本語ではこの2つの違いがぼやけている。それは"mind"を「こころ」と訳すからである。−中略− つまり日本語の「こころ」は、"spirit"と"heart"を兼用するが、知性の意味はあまりないようである。ところが英語の"mind"は理性を司り、情感を司る"heart"とはまったく対照的な存在なのである。」
 と、明晰な解説の後に、例文で実際の使用例を紹介しています。さらに、「"mind"の対照語が"heart"なら、"spirit"の対照語は"body"である。−中略− つまり"spirit"とは「精神」であり、「霊」だというのである。」
 そう言われてみれば、なるほどー、と納得です。それ以外にも、certain/sure、talk/speak/say/tell、present/giftなどなど、なんとなく使っていても、はっきりとは使い分けができていなかった言葉の使い方が分かりやすく説明されています。
 英語を使う人には必携書です(ひととおり目を通すのに、1年かかったわりに断言してしまいます)。
 
 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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