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ドロシー・ロー・ノルト博士

通訳・翻訳者リレーブログ

今年の2月、皇太子様の45歳の誕生日記者会見において紹介されたことがきっかけで、多くの反響を呼んだ“子は親の鏡”Children Lean What They Live
という詩をご存知でしょうか?If children live with criticism, they learn to condemn.
から始まる19行の詩です。実際にこの詩が書かれたのは今から50年も前のことですが、以後30カ国語以上の言語に翻訳され、世界中の人に支持され、愛されているものです。
今回は先輩の通訳の方のピンチヒッターとして、この詩の作者であるドロシー・ロー・ノルト博士のインタビューの仕事をお受けしました。
博士はもう81歳のお歳ですが、暖かい笑顔と知的な目が大変印象的で、物腰は穏やかながら内面からあふれでるエネルギーの感じられる婦人でした。私が担当したのは全て雑誌や新聞のインタビューでしたが、どの質問にも大変熱心に答えておられました。印象的だったのが、私が時差があるのでお疲れではないですか?と聞いたところ、私は毎日が新鮮なので大丈夫。昨日のことは今日にはひきずらないのですよ。でも気にかけてくださって有難う。と答えられたことです。
記者、カメラマン、スタッフの方に常に暖かい言葉をかけてくださる心遣いには本当に頭が下がりました。
膨大な資料に囲まれ、準備時間も充分にとれず仕事に望まなくてはならなかったり、資料を何度読んでも日本語ですら良く解らなかったり、せっかく勉強していっても資料と全く関係ない話をされたりなどなど、通訳の仕事には予期せぬ事件はつき物ですが、ノルト博士のような方に合う機会を持つことが出来る事は通訳の特権でもあると思っています。
まだこの詩を読んだことのない方、是非一度は読んでみてください。子育て奮闘中の方は絶対お勧めです。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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