INTERPRETATION

第128回 「使命」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

calling 使命感、強い衝動

After visiting the refugee camp, he felt a strong calling to work at the United Nations.

(難民キャンプを訪れた後、彼は国連で働きたいという強い衝動を感じました。)

今回ご紹介するcallingは「使命感、強い衝動、強い希望」という意味です。ほかにも「天職」「神のお召し」などの語義もあります。英英辞典を引いてみると”a strong desire or feeling of duty to do a particular job, especially one in which you help other people”(オックスフォード現代英英辞典)、”a strong desire or feeling of duty to do a particular kind of work, especially religious work”(ロングマン現代英英辞典)と出ていました。callingは人を助けることや宗教関連的な意味のようです。

では同じ「使命」でもmissionとはどう異なるのでしょうか?こちらも英英辞典で調べてみました。オックスフォードの方は”particular work that you feel it is your duty to do”となっており、ロングマンには”something that you feel you must do because it is your duty”でした。いずれもdutyという言葉が使われています。となると次に気になるのはdutyで、その語義を英英辞典で見たところmoral やlegalという言葉で説明されていました。

このように、一つの単語をきっかけに英英辞典をどんどん読み進めてみると、日本語の辞書だけではなかなか説明しきれないニュアンスまで伝わってきます。学習者向けの英英辞典は例文も豊富で使いやすいですので、ぜひ皆さんも辞書の世界を楽しんでくださいね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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