HOME > 英語の勉強 > すぐ使える英語表現

放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第167回 「素直に認める」

make no bones about ...~を素直に認める、~について率直に言う

I saw her going out with a new boyfriend so I asked her. She made no bones about it.

(新しい彼氏と歩いていたので彼女に聞いてみました。率直に認めていましたね。)

make no bones about ... の語源には諸説あるようです。中でも有力なのは「サイコロ遊び」から来たというもの。サイコロは昔、骨から作られていました。ただ、実際のところ、ネイティブスピーカーもこの表現の成り立ちについてはあまり知らないとインターネットの各ページには出ています。

boneを辞書で引くと、こうした珍しいフレーズが結構ありました。たとえばa bone of contention(争いの種)、throw ... a bone(人に多少の援助をする)、to the bone (節約などがぎりぎりまで)などです。「からからに乾いた」はbone-dryと言います。形容詞です。

ところで私は昔から辞書引き遊びが好きで、今でも紙辞書を広げてはどんどん「脱線」しています。たとえば今回のboneの場合、最後のeを他の母音にしたらどのような単語があるか調べるのです。bonaから連想してbonafide(真実の)、boni→bonito(カツオ)、bono→U2のBonoという具合。uならbonusですよね。私にとって既知の単語をあらためて引き直すことそのものがbonusです。


第166回 「簡単に解決できる問題」

low-hanging fruit 簡単に解決できる問題

My classmate thought it was a low-hanging fruit. In fact, it was much harder than originally anticipated.

(クラスメートは簡単に解決できる問題だと思っていました。けれども実は当初の予想より難しかったですね。)

low-hanging fruitは文字通りの訳では「低い所にぶら下がる果実」ですが、比ゆ的な用法もあります。今回ご紹介するのは「簡単に解決できる問題」という意味です。各種辞書サイトを調べると、この表現は1980年代に誕生したようです。投資関連の分野では「投資チャンスとして簡単に買収できる企業」という語義もあります。

ところで「果物をもぎ取る」はpluck off fruitと言います。pluckは楽器の弦をかき鳴らすときにも使う単語です。一方、fruitは動詞用法もあり、That tree fruits early.は「あの木は早く実を付ける」という意味です。vegetableやsaladは動詞で使えませんが、fishは動詞になりますよね。

hangingと言えば、私はイギリスのパブが好きで、お酒は飲めないものの、パブの建物外に飾られたhanging basketに魅了されます。GoogleでUK pub hanging-basketと入れて画像検索をすると、美しいパブの写真が出てきます。真冬でも花を飾るイギリス。そろそろクリスマスの飾りが華やかな頃です。


第165回 make a big splash 大成功する

make a big splash 大成功する

The athlete made a big splashby winning the gold medal in the Olympics.

(その選手はオリンピックで金メダルを獲得したことにより大成功を収めました。)

make a big splashは「大成功する、大きな評判を得る」という意味です。文字通りの意味は、「大きく水を跳ね上げる」です。

splashは擬音語です。海外のマンガを読んでいると、「ザブン、バシャン」などの水をはねる音はsplashで表されています。個人的にはsplashあたりならしっくりくるのですが、thud(重い物がドシンと落ちる音)やthump(激しくドシンとぶつかる音)などは日本語と違うように感じます。興味深いところです。

もう一つ、splashには「斑点」という意味もあります。たとえばa white dog with black splashesは「黒いぶちのある白い犬」です。spotのことですよね。イギリスの絵本に"Where's Spot?"という作品がありますが、なぜか邦題は「コロちゃんはどこ?」です。こうしたネーミングの違いも面白く感じます。

ところでmake a big ... を使った表現は他にもいろいろあります。make a big drama(大げさに言う)、make a big scene(これ見よがしなことをする)、make a big entrance(カッコ良く登場する)などです。


第164回 「詳細な調査の対象となる」

put under the microscope 詳細な調査の対象となる

The country's election system is being put under the microscope since there had been some frauds.

(その国の選挙制度は詳細な調査の対象となっています。不正があったからです。)

microscopeは「顕微鏡」、put under the microscopeは「詳細な調査の対象となる」という熟語です。比ゆ的に用いられるもので、人や物を徹底的に調べるというニュアンスを有します。put under the microscopeは文字通り訳せば「顕微鏡に入れる」ですので、雰囲気は想像しやすいですよね。

microscopeはmicro(小さい)とscope(見る機械)が組み合わさった語です。microの反対はmacroですが、macroscopeという語はありません。ただし、macroscopicは辞書にも掲載されており、これは「肉眼で見える、大規模な、巨視的な」という意味です。ちなみにコンピュータ用語にもmacroがあります。これは複数の作業工程をショートカットキーなどの「マクロ」として記録することで、プロセスを簡略化できるというものです。同じ作業を何度も繰り返さずにすみますので時間節約になりますよね。

ところで顕微鏡を初めて発明したのはオランダの眼鏡師・ヤンセン親子です。17世紀初めのことでした。その後イギリスやドイツで改良が加えられ、レンズで有名なドイツのツァイス社も顕微鏡で人気を博しています。


第163回 「~に伴って、~に足並みをそろえて」

in lockstep with ... ~に伴って、~に足並みをそろえて

Hearing difficulties may come in lockstep with listening to loud music with your headphones.

(ヘッドホンを通して大音量で音楽を聞くに伴い、耳の聞こえが悪くなることがあります。)

今回ご紹介するin lockstep with ... は「~に伴って、~に足並みをそろえて」という意味です。辞書でlockstepを引くと、名詞で「密接行進法」とあります。これは歩き方の一種で、前の人との間隔をできる限り詰めて歩調を合わせるという方法です。

lockstepはこうした意味の他に、「厳密な方法、融通の利かないやり方」という語義もあります。たとえばa lockstep approach to training(融通の利かないトレーニング法)などがその一例です。lockstep自体、主にアメリカで使われる英語とされています。

今回この原稿の執筆にあたり、紙辞書をいつもの通り使用したところ、lockstepの上の方にlockerがありました。こうして改めて既知の単語も調べ直してみると、色々な発見があるのですね。たとえば「コインロッカー」の正式な表現はcoin-operated lockerであること、また、locker roomもイギリス英語の場合はchanging roomを使うなどです。

ちなみに「ネッシー」で有名になったスコットランドの「ネス湖」はLoch Ness。このLochの発音はlock(錠)と同じです。・・・もっとも、「ネッシー」自体が古い世代の話題になりつつあるかもしれませんね。



《 前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 次 》


↑Page Top

プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。 「放送通訳者・柴原早苗のブログ」 http://sanaeshibahara.blog.
so-net.ne.jp/