ENGLISH LEARNING

第20回 背景知識・単語を仕入れてから聞けば簡単!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

皆様、こんにちは。

ハイキャリアの世界衝撃TOEIC勉強法も今回で20回目になりました。

これまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

前回はTOEICの点数が上がらない原因は分析不足であるということを、通訳現場のお客様よりいただいた英語学習についての質問に答える形で、お話させていただきました。

今回も、同様に、別の質問で皆様の疑問を解消していきたいと思います。

その前に、今回は皆様にお礼させて頂きたいと思います。

前回、告知させていただきましたように、10月26日に幻冬舎より「TOEICテスト280点だった私が半年で800点、3年で同時通訳者になれた42のルール」というタイトルで本が発売されました。

発売後、アマゾンの総合部門で最高6位、英語読み物部門、英語学習部門では1位を今でも達成し続けており、一週間で5万部という大変ありがたい状況となりました。

上記をインターネット上で確認した夜は思わず「夢が叶ったのだ。」涙が出てきました。

これも本当に多くの読者の方に購入していただいたおかげです。

本当にありがとうございます。

また本の販売に向けて、幻冬舎の編集者の方々、デザイナー、英語チェッカー、写真家の方など本当に多くの方に惜しみない援助、時には叱咤激励をいただいたからこその結果だと思っております。

この場をお借りして、ご協力くださった方皆様にも是非心よりお礼をお伝えするとともに、今後も是非、引き続きご指導ご鞭撻いただければ幸いです。

それでは、今回の本題に入りましょう。

前回は、私が通訳をさせていただいたアンソニー・ロビンスの「一流と二流の間は2ミリの差」という言葉を借りて、爆発的な結果を出すための微調整を、質疑応答の形で行いました。

今回も引き続き、欲しい結果をモノにする2ミリの調整を行いたいと思います。

今回は読者の方から寄せられた以下の質問を取り上げます。

Q:英語の目標は「英語ニュースを一回で聞き取れるようになること」。通訳育成学校にも入学できるし、英会話学校でも上級と診断されますが、自分では全く実感がありません。日常会話を身につけてからでないと、目標であるニュースを聞き取れるようにならないのでしょうか?

この方の本当の目標は英語ニュースを一度で聞きとれるようにすること。

ですから、上記の質問に対する答えはNO。

すなわち、日常英会話をわざわざ勉強する必要はないと思います。

それよりも、一度で聞き取れるようになるためにやるべきことは、まずニュースを理解するための十分な背景知識を持つことです。それにはNewsweekやTimeを読むことが有効です。

フリーランスの通訳者の場合、ほぼ必ず仕事の前に事前に資料を送っていただきます。

というのも、英語力が有ったとしても知らないことを聞いて、それを適切に訳すことは至難の業だからです。

逆に言えば、知っていることは、英語力がそこまで無くても相手の言いたいことは分かるのです。

ということはニュースを聞き取るという目的であれば、ニュースを理解するために、場所、人物、出来事についての知識があれば、より聞き取りやすくなります。最終的には背景知識なしでも、初めて聞いた時に聞き取れるレベルが理想かもしれませんが、1つずつ聞き取れるニュースを増やしていけば、目標には確実に近づくはずです。

ですから、日本語の新聞の国際面を読んでから、聞くということも有益でしょう。

或は、私が大好きで愛読している池上彰氏の「学べるニュース国際問題外交編」などニュースの背景を説明してくれる本を読んでみるもの入門者には良いでしょう。

その際に、チェックしたいのが「さしすえそ」の「さ」である単語です。

単語が分からないと、そこで引っかかってしまい話が見えなくなることは通訳をしている現場でも起こりうることです。より多くの時事英語で出てくる単語を覚えているほど、聞きこぼしが少なくなります。

そういう意味でおすすめしたいのが、NHKラジオの朝8時半から放送されている「ワンポイント:ニュースで英会話」

毎日5分間でその日のニュースのキーとなる用語と日英対訳を無料で参照できるので、とってもおすすめです。

http://cgi2.nhk.or.jp/e-news/index.cgi

中級者以上であれば読売新聞の社説を読み比べして単語を仕入れてもいいですね。こちらも無料で入手できます。

英語:http://www.yomiuri.co.jp/dy/editorial/

日本語:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

通訳者を目指す人であれば、日本語の社説をまずはサイトラ(黙読しながら口頭で翻訳すること)をして、その後英語版を読んで訳語チェックが効果的でしょう。

この方の目的であれば、英語を読んで分からなかった部分を中心に、日本語版を見て確認するだけでも十分でしょう。

特に、海外のニュース番組は日本の話題よりも海外の話題が当然比率としては高くなりますから、国際関係の話題が社説になっている時だけを選ぶとより目標に合致した勉強法になりますね。

もっと上級の方はニューズウィークの英日併読です。

この背景知識と単語の仕入れが一度聞いて理解するまでの下準備と言っても良いでしょう。

その後にニュース番組の大量聞き流しやシャドーイングをしていく事で、慣れることができます。

これはプールで泳ぐのではなく、海で泳ぐ練習を海で水に入って慣れるという作業になります。

最後にもう一つ確実に聞けるにするためにできることがあります。

それはディクテーションです。

ご相談くださった方もディクテーションもされているということでした。

ディクテーションは時間がかかりすぎるという難点がありますので、使い方は少し気をつけしょう。

すなわち、聞き流して、どうしてもここが使えるなという時にのみ活用する方が時間効率はあがると思います。

ただ機械的にディクテーションするのではなく、よりディクテーションを効果的にするにはもう一つコツがあります。

何だと思いますか?

ヒントは前回のポイントです!

そう、分析をするということです。

aやtheと冠詞を聞き間違えることが多いとか複数形のsが抜けやすいとか、時制を間違えやすいなど自分の傾向を分析して、知るということです。

そして分かった弱点を文法書や参考書を使って補正すれば良いのです。

さて、今回の2ミリの調整はいかがでしたか?

なるほどと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでない方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方はいつでもツイッターからでも、フェースブックからでもご質問いただければ、このブログでさらに詳しくお話しさせていただきます。

ツイッターはInterpreteryayo、フェースブックはYayoi Ogumaで検索ください。

それでは次回のFAQによる2ミリの調節もお楽しみに。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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