ENGLISH LEARNING

第21回 想像力でやる気↑、楽苦楽と見える化が継続↑

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

皆様、こんにちは。第20回では、 ニュースを聞き取るコツは背景知識、単語を仕入れてから聞くことであるということをお話させていただきました。

今回も、同様に、別の質問で皆様の疑問を解消していきたいと思います。

いただいたご質問は、「英語を仕事で使えた方が良いと分かっているにも関わらず、忙しくて勉強ができず、つい周りにいる人に頼ってしまいます。どうしたら良いでしょう?」

この相談は複数の方からいただきました。

この相談をいただいた方は全員とても優秀な方々です。職場においてもリーダー的存在です。

そういった方々が優先順位をあげて勉強するのは難しくないのに、なぜ率先して英語を使う機会を生かさないのか疑問でした。

良くお話を伺ってみると、「英語ができたらいいなとは思うけれど、切羽詰まってないし、どこから始めたらいいかもわからないし、日々の仕事に謀殺されてしまうのです。」

といった内容が皆様の共通の意見でした。

これは最後まで、今の選択と行動から生まれる結果を考えきれていないから、モチベーションがしっかり上がりきっていないのだと分析しました。

そこで、英語ができたとしたら、どの程度のメリットがあるのか想像していただきました。

●取引先のリーダーと個人的に電話して、もっと深いコミュニケーションがとれる。

●密な意思疎通でreactive(事後対応)からproactive(事前対応)に変えられる。

●個人的にも海外のキーパーソンと家族も含めた交流もできるので、海外の情報が早く入るし、より充実した人生となりそう。

と、改めて考えることでやる気が出てきたのは見ていて良くわかりました。

デメリットも明らかにしてもらいました。

●問題が起きてから、自分の日本人の部下からの報告で対応するので、事後対応になってしまうと手間もコストもかかる。

●人づての情報で原因分析をするので分析の精度が低く、時間もかかる。

●もし既にできていたら、世界中に友達ができていてもっと広い人脈を楽しく構築できていただろう。

などを上げてもらいました。この時点でかなり「やっぱりやろう」という気持ちになってもらったようでした。

ここまでのプロセスでモチベーションの上げ方は少し伝わりますでしょうか?本でも書かせていただいていますが、メリットとデメリットをしっかりと想像して、明確に文章にすることで、やる気=モチベーションは自分で上げていくことができるのです。

後は、それぞれの個人にあった目標と予定に従って効果的な学習プランをたてて、実行するのみです。

もし皆様も英語の勉強へのやる気が起きない… 日々の仕事を優先します… 育児に追われてしまう… 他の好きな教科ばかり勉強してしまう… 友達の誘いに流されてしまう… など英語の優先順位が低くなってしまう時には、メリットとデメリットをリアルに想像して書き出してみてください。

私も通訳の準備の際に電話帳二冊分ほどの資料を目の前にやる気がでない時には、この手法を使っています。もし二冊分をしっかり読んだらお客様から「通訳をしていただいてありがとう。」と笑顔で感謝してもらえるというメリットが、そして、もししっかり頭に入らなければ、私の通訳キャリアが終わる!というデメリットを鮮明に想像して、自分にカツ入れています(笑)

そしてモチベーションが上がったら、すかさず予定表を取り出して具体的な行動計画を予定表に記入していきましょう。

感情は熱しやすく、冷めやすいものですから、隙間時間に無理せず楽しくできる勉強法を具体的に書き込んでいきます。

この時におすすめしたのは、議事録用に録音した外国取引先との電話会議を通勤中に聞き返し、頭の中でシャドーイングをするということ。疲れている時に聞き流すだけでも大丈夫です。

会議中に発言したい内容が事前に分かっている場合は、それをあらかじめ日本語でまとめ、できる人(この方の場合は翻訳者)に英語にしてもらい、それを自分が読んで伝えるということをご提案しました。

ちょうど実際そのように通訳者・翻訳者を使っているお客様がいらっしゃりその方を参考にこのようにアドバイスしました。

こうすれば時間を新たに捻出することなく、自分にすぐ必要な会議で頻出する表現を学ぶことができると考えたからです。

すぐ使える英語力が欲しい方にはおすすめの学習法です。応用してみてください!

さて、前回、前々回と出版した本について触れました。その本の中でおすすめした本を購入いただいて、ちょっと難しいとか本の厚さに圧倒されたという意見を頂戴しましたので、この場をお借りして補足させていただきたいと思います。

以下の考え方はどんな参考書・学習書・問題集で勉強する時にも使える考え方ですので、購入されてない方もお手持ちの使いきっていない本に応用してみてください。

まずTOEICの英文法書として、勧めさせていただいたTS出版の「TOEFL TEST対策完全英文法」阿部友直先生著。

こちらは、かなり厚く届いてびっくりした方も多かったのではないでしょうか?

もしこちらの本を購入いただいたのであれば、頭から全てやろうとするのでなくて、わかるところ、できるところからさらっとやってみましょう。

そして、解けたという実感を持てたら、それをエネルギーにちょっと難しめの問題にも挑戦してみてください。

楽と苦と楽と苦をサンドイッチするという考え方を応用していただきたいということです。

やったところに付箋紙をつけていき、それがどんどん増えることで達成感を増やすような進捗の「見える化」もおすすめです。

ちなみに私は重すぎたので、この本をカッターで分割して手軽に持ち歩けるようにして、移動中でも勉強し、ちょっとした隙間時間でも見直せるようにしていました。

もう少し英文法の説明書というのを求めていらっしゃる方は、先日見つけました中経出版「世界一わかりやすい 英文法の授業」関正夫さんの本をおすすめいたします。

こちらはどちらかというと入門から中級程度です。

特に動名詞とTo不定詞の違いや、will, be going toの違いなどを丁寧に説明しているので、英会話を上達したい人、英語をやり直したい、文法は苦手ですという方に、まずはだいたい網羅的に理解していくのに良いと思います。

この本はタイトルからわかるようにTOEICの問題はありませんので、TOEICの初心者、中級者の方は、本でもおすすめいたしましたあさ出版「TOEICテスト総合対策初めて→650点」 菊間ひろみさん著にも十分基本的な文法の説明もありますので、こちらでも良いと思います。

次の本がアスカ出版「語源とイラストで英単語」William Currier/中田達也さん、監修清水健司さん著の本です。

これを丸暗記しようとすると、既に通訳者を目指して通訳学校に通っているようなレベルの方でない限り、たぶんかなりハードルが高いと思います。

例えば、P69のhaughtyのaltが高いという語源から覚えようとするとちょっと無理もあるかもしれません。そういうのはそういうのもあるのだと思って、自分の知っている単語を先にチェックして、へー、こういう語源だったんだと納得する方を先にしてみてください。

私だったら、まずは語源の説明が点線の下に書かれているので、これだけを、ばーと見て、なるほどって思ったものだけ、付箋紙をつけて本の最後まで見ます。

その後に、付箋紙をつけたところだけ、下の派生語を見ていきます。その時、知らない単語だけハイライトしていきます。

そして48時間後ぐらいに再度、ハイライトしたところだけ音読します。

そうやって少しずつ本に慣れて、半分以上、この方法で単語と仲良くなると、今度は全部覚えたい欲求が出てきますので、その勢いを使って、最初は納得の行かなかったページも覚えていきます。

とこんなやり方をすると思います。

なんとなく伝わりますでしょうか?最初のページから一ページずつ全てというと、どうも苦痛だという私と同じようなタイプの方は、続けられるように自分の心理をうまく使って、楽しく勉強してみてください。

今日のブログはここまでです。

やる気のガス欠には結果を想像することで燃料補給。参考書の取り組み方は、楽・苦・楽・苦のサンドイッチと付箋紙やハイライトなど活用して進捗を「見える化」していくことで、長く楽しく勉強することができるようになります。

少しでも学習方法の改善に繋がれば幸いです!

それでは今日も最後まで読んでくださってありがとうございました!また次回もお楽しみに♩

Written by

記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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