ENGLISH LEARNING

第36回 話せるかはシミュレーション・すぐ実行力で決まる!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

皆様、こんにちは。

今回はお知らせから始めさせて頂きます。

TEDx東京の動画はまだTED2013Global Talent Searchが終わるまで公開されないのですが、5月29日に開催されたTalent Searchの時の動画が公開されました。

http://talentsearch.ted.com/video/Yayoi-Oguma-Behind-the-scenes-o;TEDTokyo

8月31日までのRatingとcommentは選定に入るとのこと、是非、温かいご声援をお願いいたします。

前回のブログはJohn前田さんとの雑談から学んだ「人生の教訓と失敗と勇気は成功のもとである」ということについて、そのコツをお伝えしました。

今回は、また目的別英語勉強法に戻ってお話していきたいと思います。

せっかく勉強してるのに話せないという悩みを抱えている人が多いようですので、スピーキング上達のための勉強法をお話しましょう。

10回目でもスピーキングは短文をつなげて長文にしていくと良いという基本の勉強法をお伝えしました。

まだ読んでない人は是非、読んで活用してください。

https://www.hicareer.jp/english/sekai/post-18.html

さて、最近になってスピーキングがめきめき上達していく人とそうでない人の違いにはある行為をしているかどうかにかかっていることに気づきました。

その違いとはなんでしょう?

30回目の電話会議の際にもちょっと触れたことでもあります。

わかった方は素晴らしい!

違いはシミュレーション力&実行力です。

具体的には頭の中で一度、話す相手を想定して会話をし、すぐ実行するということです。

この場合の実行力、すぐ実行とはすぐ使うということです。

間違っていても、すぐ使った人は間違ったことも含めて学ぶことができますから、使った時点でpassive(受動)だった語彙をactive(能動)に変えられたことになります。

日本人は暗記文化のおかげでこのpassive vocabularyが多いけれど、 active vocabularyが少ないと言われています。

ですが、実行すぐ使う人はactive vocabularyとpassive vocabularyの差が少ないことになります。

さて、このシミュレーションしてしてからすぐ使うという方法は、ある大学で講演をさせていただいた時に「どうしたらスピーキング力をあげられますか?」と質問を受けた時に、答えた内容なんですが、その時に驚いたのは、ハーフの司会をしてくださったバイリンガルの学生さんも全く同じ事をしていたということです。

それから周りに聞いても飛躍的にのびている人は、自動的にシミュレーションをしていることがわかったのです。

単語を学べばすぐにその単語を使う相手を考え、今度会ったらこう言おうと考えておくのです。

例えば、一眼レフという単語を今日学んだとしましょう。

Single lens reflective, SLR

そうしたら、すぐに一眼レフをいつも片手にイベントで写真を撮ってくれているJasonを思い浮かべて、

“It seems that many use Japanese SLR. I wonder why?”

(日本製の一眼レフを持ってる人多いみたいだけど、なぜかしら?)

文法でも仮定法を学べば「なるほど、それならさりげなくアドバイスする時に使えるな」とすぐにどう使うかを考えて、実際に使ってみているのです。

例えば、

If I were you, I wouldn’t keep blaming the external factors like that.

(私だったら、そんな風に自分以外のせいばかりにしないわ。)

次の場面でも同じです。

明日、同僚の外国人の方とランチに行く予定があるのであれば前もって一通りの会話を頭の中でしておくのです。

プレゼンや講演を日本語でする時でも、声に出して練習しないまでも頭の中でリハーサルしてますよね?

それと同じようにするということです。

自分:”Hi Susan, are you ready for lunch?”

スーザン:”No, not yet. Give me a minute to send out this email.”

自分:”Ok, take your time. I will be waiting at the elevator hall.”

スーザン:”Thanks.”

自分:”Hey, so what do you wanna eat? Eat in the canteen or outside? We can buy a bento downstairs and eat it at the park nearby.”

などなど

こんな感じで会話をどんどん自分の中で続けていくのです。

こうしていくと途中で「あれっ、これは英語でなんて言うのだろう?」というのが出てきます。

この瞬間が学習の好機になります。

なぜならば、脳は知りたいという学習飢餓状態になり、その時に知ると脳はスポンジのようにその答えを吸収してくれるからです。

ですから、すかさずそこで辞書で調べたり、グーグルで検索しましょう。

もちろんその瞬間に調べられない時もあるでしょうから、そういう時はメモ帳に書き込みましょう。

もちろん超初心者、入門者の人は頭の中のラリーはテニスの初心者と同じようになかなか続かないかもしれません。

その場合はまずはラリーをするというよりも自分の今の行動や考えを英語にしていきましょう。

その際に自分がすぐ使える表現がのっている参考書を片手にやってみてもいいでしょう。

補助輪をつけながら自転車に乗るのと同じような感じです。

例えば、「朝おきてから寝るまで英語表現700」のような参考書であれば、自分が日本語でよく使う表現がそのまま英語で書かれていますから、何度も音読することで、自分のものにすることができるでしょう。

ただし、これは暗記するというよりも、「へー、こうやって言うんだ。こういう風に使ってみよう」という気持ちで吸収いくと良いでしょう。

機械的な暗記は、場面の想像ができていないので、とっさに使えるようにはならないからです。

通訳を目指している方は、リセプションでの挨拶や会議の中でリハーサルすると良いですよ。

今日はスピーキング力が飛躍するシミュレーション力について説明 してきました。

お金も時間もほとんどかからないちょっとした差が大きな差を生みますから、どうぞ今日から通勤中、ちょっとした待ち時間などを活用して、賢くスピーキングを磨いていきましょう。

次回はリスニング力を磨く賢い勉強法をお伝えします。

お楽しみに。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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