INTERPRETATION

Vol.21 「日米の通訳の違い」

ハイキャリア編集部

通訳者インタビュー

【プロフィール】
北川相子(相子 キーナー)さん Aiko Kitagawa
カリフォルニア州バークレー校中近東考古学専攻卒業。在学時より通訳のアルバイトを経験、卒業後、日本でフリーランス通訳者としての仕事を始める。テクニカル分野を得意とし、その他にもエンターテイメント、通信、裁判、自動車、飲料等、幅広い分野で活躍。1995年ノーザンケンタッキー大学にてMBAを取得。現在米国在住、日本と米国を行き来しながら、グローバルな通訳活動を行っている。

大学時代に通訳のアルバイトを?
そうなんです。当時はバイリンガルの人が少なかったので、日本から来たビジネスマンの商談通訳など頼まれました。これは面白い仕事だ! と思いましたね。若い女の子が、企業のマネジメントレベルの方やプレスの方に会うチャンスなんて普通はありません。人生勉強も含め、常に自分を磨いていくことのできる素晴らしい仕事だと思いました。

日本での通訳デビューは?
米国テーマパークオープニングでのお仕事です。私は外国プレス担当で、プレスインタビューやアテンドで通訳を担当しました。通訳学校で勉強したことがなかったので、最初はウィスパリングって何? という状態でした……。とにかく先輩通訳者を見てやるしかありませんでした。

企業で働くことは考えませんでしたか?
日本に戻って、米国系航空会社に入りました。フリーで通訳をやっていくことに少し不安を感じていたこともあり、一度会社に入ろうと思ったんです。空港までの通勤の大変さと、通訳をやりたいという気持ちが強くなって、すぐに辞めてしまったんですが(笑)。

仕事の大変さは?
意見を求められるときです。同時通訳でブースに入っている時は別ですが、逐次通訳の場合、「君はどう思う?」と聞かれることがたまにあるんです。通訳のやり方、ペース、訳のニュアンスなどは、通訳者が選べますが、そこに自分の意見を挟むことはできません。外国人クライアントで、日本人の物の考え方や感じ方を知りたい場合、一番近くにいる通訳者に意見を求めるケースがあります。通訳者の業務ではないのでとお伝えするようにはしていますが、こういったことは難しいですね。

アメリカの通訳事情について教えてください。
日本では3時間以上の仕事は2名体制で、企業内通訳者と組んで行うこともありますが、アメリカの通訳者は1人で動くことが多いですね。契約社会なので、1時間半ごとに休憩を与えること、通訳者にはコピーを取らせないといったいろんな決まりごとがあります。私なんかは面倒なので、つい「コピーが必要なら取ってきます」と言ってしまうんですが、「これはセクレタリーの仕事ですから」と言われます。何だか逆に人の仕事を取ったような雰囲気になるんですよ。そういう意味では、通訳の仕事にだけ専念できるのかもしれませんが。

心がけていることは?
きちんとした日本語を話すことです。留学生時代請けた、日本生花協会の通訳は今でも忘れられません。当時、英語は割とできましたが、若かったこともあり日本語が雑になりがちだったんです。丁寧に訳そうと思うあまり、尊敬語と謙譲語がぐちゃぐちゃになり、後で「やはりお若い方は、日本語が」と言われてしまいました。それ以来、適切な日本語で通訳できるよういつも心がけています。

海外で生活することで、通訳スキルにプラスになっていることはありますか?
例えば、現在アメリカでよく使われているフレーズ、新しい言い回しなどを耳にすることができることです。アメリカにいるときは、テレビっ子なんですよ私(笑)。毎日テレビを見て、新しい表現、便利な表現を書き出して覚えるようにしています。

アメリカで通訳を目指している人へのアドバイスをお願いします
一番いいのは、現地のエージェントに登録することです。会議通訳レベルの方が非常に少ないので、きちんとスキルを身に付けてから行くことをお勧めします。何か得意分野があると更に強いと思いますよ。

編集後記
「通訳者になっていなければ、大学で考古学を教えていたかも」と北川さん。プライベートはクルージングにピラティスとは、何とも優雅。今後更なるご活躍をお祈りしております!

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