INTERPRETATION

冬季オリンピック

木内 裕也

Written from the mitten

 約2週間にわたった行われていた2010年冬季オリンピックが閉幕しました。オリンピックを海外で経験するたびに思うことですが、自分の国の活躍をいかにして報道するか、他国の成績をどう伝えるか、自分の国が余り活躍しない競技の扱いをどうするかなど、面白い観察をすることができます。ここ数回のオリンピックはアメリカで観戦していますが、今回も非常に興味深い観察をすることができました。

 今回のオリンピックはカナダで行われていたということもあり、アメリカ対カナダの様子が非常に強く映し出されていました。特にアイスホッケーではカナダがトップの実力を持っていますが、アメリカのリーグは世界で一番ですから、お互いの意地が見えてきました。1度目に両国が対戦した際にはカナダ有利の予想に対してアメリカが勝利を収め、アメリカの国内では非常に大きな話題となりました。しかしその決勝戦では同じ対戦カードが見られ、延長戦の結果カナダが優勝しました(このブログを書いている数時間前の出来事です)。未だにアメリカではやや落胆の様子があります。

 またオリンピックでは普段目にすることのできない競技がTVで放映されることも非常に興味深いです。例えばカーリング。普段カーリングのTV中継はありませんが、オリンピック期間中は頻繁に放送されていました。そこでも面白いと感じたのは、にわかカーリングファンが私の教えている大学のキャンパスでも現れ、2週間超の期間でしたが、キャンパス内でカーリングが盛んに話題になっていました。

 オリンピックではドラマ性も非常に重要です。日本でも感動させる演出がテレビで行われますが、それはアメリカでも一緒です。特にフィギュアスケートの女子選手が競技数日前に母親を亡くし、国内の感動を呼んでいました。同様に、大会開始寸前に怪我をした選手が、悪天候の影響で競技が順延になり、それに助けられて金メダルを手にするなど、やはりドラマ性に大きな焦点が当てられていました。

 ショートトラックの競技では日系アメリカ人の選手がアメリカ人の冬季五輪記録となるメダル数を獲得しました。またアフリカ系アメリカ人のスケート選手を目にすることは非常に少ないのですが、今回の大会では1人その様な選手がいて、話題を集めていました。

 大会が終わると、テレビ番組も日本でいうと年末年始の特別編成の終わりのように、普段のスケジュールに戻ります。今回は時差の少ないオリンピックでしたが、それでも平日の夜に12時過ぎまで起きてTV観戦をするのは容易ではありません。少しは寝不足が来週からは解消されるでしょうか。

 次の大きな大会はサッカーのワールドカップ。なかなかアメリカでは人気のないサッカーですが、サッカー人口は決して少なくありません。わたくしもまだ大会は4ヶ月先ですが、すでに近所のバーでサッカー放送をする場所を確認してあります。また友人とも「絶対にこの試合は見逃せないね!」などと話をしています。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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