INTERPRETATION

第27話 近未来の同時通訳システム

吉岡余真人

通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

みなさん、こんにちは。

お久しぶりです。

今回は次世代の同通機材の運用方法について、お伝えしたいと思います。

皆さんもご承知の通り、同通機材の現場では毎回通訳レシーバーの紛失に悩まされています。

持ち帰らないように司会からのアナウンスや会場スクリーンでの案内など、

受付にて管理する方法など、様々な防止策を行ってきました。

また、近年、赤外線のワイヤレスマイクの普及で、赤外線同時通訳システムが

マイクとの干渉で使用できず、パナガイドのFM方式も同様、ここ20年来、新方式の登場はありませんでした。

しかしテンナインコミュニケーションでは、

株式会社ソニックインスツルメンツ 

sonic-instruments.com

株式会社メディアプラス 

http://www.mediaplus.co.jp/

2社のご協力により、会場内にWifiスポットを設け、通訳音声を限られたエリアに配信するシステムの、実用化に向けた試験を開始します。

このシステムは米国 Williams Sound社が開発した、Wi-Fiライブ音声配信システムです。

公共施設での多チャンネルの音声配信サービスを向けに開発されました。

kizai-1.png

● App store、Android Marketから無料でダウンロード可能

● 最大56chまで同時配信可能(多言語対応レシーバーとして活用)

● MP3以上の高品質オーディオ音声で通訳音声が聞ける

● 低遅延(およそ60ミリ秒)

使い方は以下の通り、簡単です。

kizai-2.png

試験段階ですので導入は未定ですが、このシステムの導入で受信機の管理業務が軽減されます。

赤外線・FMに次ぐ方式として、活用が期待できます。

テンナインでは今後、実用化に向けての問題を解決するように努力いたします。

では次回!

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記事を書いた人

吉岡余真人

東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年から2017まで株式会社テンナイン・コミュニケーションに在籍し
2017年8月からバルビエコーポレーション株式会社を設立し現在に至る。

END