INTERPRETATION

”思い込み” と “決め付け”は大敵!

上谷覚志

やりなおし!英語道場

先週、新しい仕事をしました。“新しい”と言っても教える仕事なのですが、普段対象としている方とは違い、TOEICスコアが500点いかない人たち、しかも30人!中には英語なんて高校以来です(25年ぶり?)という人もいましたし、中学校で習ったような単語すら覚えていないという方もいました。英語を教え始めたころはこういう方を対象に教えていたので、古巣に帰ったという感じで懐かしい気持ちで2日間の授業をしました。

単語覚え方から、辞書の引き方の説明から始めました。単語は丸覚えでは次の日には70%以上は忘れてしまいますよ・・・と忘却曲線を引用しながら説明し、辞書の使い方では他動詞自動詞や可算名詞や不可算名詞の表示方法も含めて説明し、文章を使って、自分ならどの単語をどう引いて意味を確定させていくのかを説明していくと2時間ほどかかりました。

普段の授業とはかなり違いますが、新鮮な発見もいろいろありました。しかし意外にもレベルの高い人たちと共通点もありました。文法力や語彙力いろいろな意味で普段教えているグループとこのグループは違いますが、語学を学んでいく上での足かせとなっているのは同じだと感じました。つまり一番の障害は生徒が持っている“思い込み“と“決め付け”だということです。〜はこうあるべき、こうでなければいけないという“思い込み”と所詮自分なんて〜だからという“決め付け”が実は一番の障害になっているということです。

例えば、1日50個単語を覚えましょう!と話をしたら、絶対無理ですという人や、忙しいから1日10個しか覚えられませんという人がいました。確かに1日50個の単語を覚えることは大変なことかもしれません。しかしやる前から、自分にはできないと自分で決めてしまうことはどうでしょうか?絶対無理といった人や1日10個と言った人は自分の中で自分の能力をその時点で見切ってしまっているので、この方はこれ以上伸びることはありません。

本当に自分の能力を伸ばしたいのであれば、自分こそが一番のサポーターでなければなりません。語彙であれ、文法であれ、リスニングであれ、リーディングであれ、自分の能力はこの程度だと思った瞬間に本当にその程度の能力で終わってしまいます。自分はもっとできると思える人だけが、次のレベルに到達できるのです。

勉強方法に関しても同じです。単語はこう覚えるべきとか、XXXの勉強方法は無駄だという決め付けも禁物です。何も考えずに鵜呑みにするのも良くないですが、それ以上に試す前からこれは良くないと決め付けるのも良くありません。過去の経験に基づいてならまだしも、何の根拠もなく無駄だと決めつけてしまうのは、結局自分の成長の可能性を制限しているだけです。

語学の勉強はこれさえやればいいというものではありません。一見無駄と思えることでも意外な形で自分の力となってくれるものです。今伸び悩んでいる人は、今の勉強方法やこれまでの勉強方法に固執してきて、他にもいろいろな勉強の機会があったのをことごとく拒否してきた結果、伸び悩んでいるのです。これは今の語学レベルには全く関係しません。逆にレベルが上がれば上がるほど、こういう傾向は逆に強くなるような気がします。

勉強方法が自分に合っているかどうかは、試す間は本当に良いと信じて、本気で取り組み、しかも何週間か試してみてからでないと評価はできません。“思い込み”と“決め付け”を捨てて、オープンな気持ちで勉強できるかどうかが、何よりも大切だと思います。今伸び悩んでいる方、近道を急ぐあまり、“思い込み”と“決め付け”に捉われていませんか?

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記事を書いた人

上谷覚志

大阪大学卒業後、オーストラリアのクイーンズランド大学通訳翻訳修士号とオーストラリア会議通訳者資格を同時に取得し帰国。その後IT、金融、TVショッピングの社での社内通訳を経て、現在フリーランス通訳としてIT,金融、法律を中心としたビジネス通訳として商談、セミナー等幅広い分野で活躍中。一方、予備校、通訳学校、大学でビジネス英語や通訳を20年以上教えてきのキャリアを持つ。2006 年にAccent on Communicationを設立し、通訳訓練法を使ったビジネス英語講座、TOEIC講座、通訳者養成講座を提供している。

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