BLOG&NEWS

隣の芝生は青い

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 気がつけばもう今日から四月! 本当に月日の経つのは早いものです。私が日々家に蟄居して仕事をこなしている間にも息子はどんどん成長して、再び春休みがやってきました。現在通っている学童(のようなもの)は給食が出ないので、学校の給食が終わってからはお弁当を持たせなくてはなりません。ですが、普段お弁当を作る習慣のない私にとって、ある期間だけ毎日お弁当を作らないといけないというのは正直大変苦痛です。そこで、ついお弁当を作りたくないあまりに休ませてしまったり…。でも、それはそれで後になって後悔したりもします。休ませてはみたものの、私がちゃんと相手をしてあげられるわけでもなく、息子は退屈そうにしていたり、はたまた私も色々と話しかけられてなかなか仕事に集中できなかったりして、お互いに決して楽しく充実しているとは言えない状況に陥ってしまうのでした。そこで、この春休みは思い切って子供だけが参加するタイプのスキーのキャンプに申し込みをしたのです! スキーは過去に一度しかしたことのない息子ですが、当日が近づくにつれてとても楽しみにしているのが手に取るようにわかるほど興奮していました。一方の私も、息子がいない間には何をしてフリーの時間を過ごそうかしら、とあれこれ計画を立てたりもしました。そうこうする内に、息子は元気に出発していきました。雪があるかしら、とか、友達ができるかしら、とか、スキーのレッスンについていけるかしら、とか、色々と心配している私をよそに、本人はあっさり「行って来まーす!」と出発してしまったのです。息子を送り出して自宅に戻ってみた私は、ふと冷静になりました。息子が出発する前は、息子がいない間をいかに普段できないことをして楽しむか、そればかり考えていましたが、いざ息子がいなくなってみると、そもそも仕事も結構入っていてそんなに遊びまわれる状況でもなく、さらには、なんとも言えず家ががらんどうに感じられて、寂しいという印象の方が強くなってしまったのです。結局、息子のいない約4日間は、計画通りにでかけたりもしましたが、仕事も随分して、あまり普段とは大きく違わない生活を送ったのでした。あーあ。隣の芝生は青かっただけで、現実にはそれが自分にとっていいかどうかはわからないものです。息子も、とにかく家にいたらまったく仕事にならなかった赤ん坊の時代を気がついたらとうにすぎて、家にいても仕事もできるようになっているわけですから、それを上手に私が利用するのが、どうやら私にとっては一番の策のようです。おっと、とは言え、息子はスキーを大満喫して帰ってきました。家にいてほしいと思っているのは、親の私だけかもしれません。

Written by

記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

END