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インタビュー感想

通訳・翻訳者リレーブログ

そして、ひと粒のひかりの監督、マーストン氏は、コロンビア料理店で出会った女性から聞いた話があまりに衝撃的だったことからこの映画を製作しようと思ったと語っていました。当時大学3年生だったカタリーナは、大学でマーケティングの勉強をしていましたが、コロンビアの映画を作ると聞きオーディションを受けその結果合格し、この映画でアカデミー賞で主演女優賞の候補にノミネートされました。現在はニューヨークに住み、新たな映画に取り組んでいます。キャストを集めるためコロンビアの高校を訪れた時、物理の授業を受けていたブランカ(マリアの親友役)は、物理が大嫌いで、授業を抜け出すためにオーディションを受けたとも聞いています。思いもしなかったことがきっかけとなり、次の何かにつながったり、偶然出会った人が、自分の人生に大きな影響を及ぼすこともあるような気がします。あたかも自分の力ではなく、運や縁がそうさせているようにも思えます。でも良く考えてみるとやはりそればかりでもありません。監督は大学で政治科学を学び、もとから社会情勢には大変興味を持っていましたし、麻薬撲滅戦争に対しても問題を感じていました。異文化に対する興味も深く、高校生の時の夏をフランスで過ごした他にもプラハで英語教師をしたり、フランスでジャーナリストのインターンをした経験もあります。カタリーナはオーディションを受けた時には俳優ではなかったとはいえ、高校の頃から演劇を勉強していました。全く偶然が重なってこの映画が自然に出来た訳ではありません。やはり日ごろの努力の成果が、良い結果となって現れたのです。仕事がらインタビューで、様々な方々の人生の一こまを垣間見ることが良くあります。結果だけを聞いていると、運が全てを左右したように聞こえることもありますが、やはりそれは結果論。常日頃の努力は不可欠だといつも感じさせられます。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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