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ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

ビジネス・経済・金融などの分野の翻訳や通訳でよく出てくる表現をイギリスのメディアから取り上げてお届けします。

第46回 マネジメント用語 その1

皆さん、こんにちは。5月も下旬に入りましたが、イギリスなどの欧米諸国ではこの時期は学年度の終わりで試験シーズンです。大学の学年末試験は5月中旬なので、教師は採点真っ最中の時期。1年間の授業を振り返り、教え子の成長に喜びを感じると共に自分の指導法の改善点を考える時期でもあります。コツコツと勉強はしても試験が苦手なタイプと、試験の緊張した雰囲気の中で妙に力が発揮できるタイプがあると思いますが、前者は翻訳向き、後者は通訳向きと言えるかもしれません。

今回はマネジメント用語をいくつか紹介します。

1.上意下達
こちらは佐藤祐大さんのコラムで読み方の誤りについて書かれていましたが、まず正しい読みは何でしょう? 「じょういげたつ」や「じょういげだつ」と言う人もいますが、正しくは「じょういかたつ」ですね。意味は「上の立場にある人の命令や意向を下に伝えること」。では、それを英語で言うと何でしょう?
日本語では四字熟語なので難しく感じますが、カタカナ語で「トップダウン」とも言われるように英語でもtop-down(意外に簡単ですね!)。このような経営方式をtop-down management styleと呼びます。

2.下意上達
逆に「下の者の気持ちや意見が上によく届くこと」を下意上達(かいじょうたつ)と言いますが、英語ではbottom-up。現場で働く人々が新しい方法などを決めて、上に承認を求めるようなやり方です。あなたの職場はtop-down、それともbottom-up、どちらの経営方式でしょうか? top-downもbottom-upも形容詞なので、a bottom-up approach to corporate decision-makingのように使われます。

3.ブレスト
まずは日本語の「ブレスト」って何? と思うかもしれません。これはbreast(胸)ではなくて「ブレインストーミング」の略。英語では動詞がbrainstorm、名詞がbrainstorming。あるテーマについてグループで話し合いますが、"There is no such thing as a stupid suggestion"という意識のもとに自由に意見を出し合って、創造的なアイデアを引き出そうとする方法です。

4.blue-sky thinking
ブレストでは既成概念にとらわれない斬新的な考え方を引き出すよう様々な工夫がなされますが、そのような斬新的・創造的な考え方をblue-sky thinkingと言います。"think outside the box"という表現もよく似た意味です。

5.燃え尽き症候群
熱心に仕事などに打ち込んでいた人が突然やる気を失って無気力状態になってしまうことですが、これは元々アメリカの精神分析者フロイデンバーガー氏が命名した病名が和訳されて日本で浸透しているので、英語ではそのままback translationでburn-out syndrome。経営者としては従業員が燃え尽きることがないよう気を配る必要がありますが、個人レベルでも燃え尽きてしまわないよう気を付けましょう。

以上、top-down, bottom-up, brainstorming, blue-sky thinking, burn-out syndromeなどのマネジメント用語を紹介しました。お役に立てば幸いです。

私自身、フリーランスで仕事をしているので「燃え尽き症候群」にかからないよう、またワークライフバランスも考えて仕事量や内容を調節していますが、それでも大きな案件を終えた後はある程度の「燃え尽き感」を感じます。翻訳も通訳も気力や体力が衰えては良いパフォーマンスを出せませんから、自分の内側から出るメッセージをしっかり受け止めて「ちょっと無理しているかな」と思ったら一休みするよう心がけています。

万が一、読者諸兄姉で今燃え尽きた状態にあるという人がいらっしゃれば、不死鳥のように灰の中から蘇る日が遠くないと願っています。いきなり羽ばたかなくても、よちよち歩きから再スタートができればいいですね!


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プロフィール

グリーン裕美

グリーン裕美さん
結婚を機に1997年渡英して以来、フリーランス翻訳・通訳として活躍。ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。 元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。 向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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