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米国独立記念日

Hubbub from the Hub

通訳・翻訳者リレーブログ

 7月4日の米国独立記念日には、今年も各地で様々なイベントが行われました。その中でもボストンはアメリカ精神発祥の地でもあり、国内だけではなく世界各地から観光客が集まり、盛大に記念日を祝う姿が見受けられました。しかも独立記念日に関するイベントは1週間前に始まり、ボストン市内で様々なコンサートや集まりが開かれました。特にHaagen-Dazsのスタンドでは、新しいアイスクリームが無料で配られていて、沢山の人が訪れていました。そのそばには健康にいい有機食品も無料で配られており、スポーツジムで汗を流した帰りに、マクドナルドでビックマックとダイエットコーラを楽しむアメリカの縮図を見た気がしました。
 当日の朝は10時に、かつての州議事堂に於いて独立宣言が朗読されました。インターネットも電話もない1776年、実際に宣言文がボストンに届いて、州議会のバルコニーから一般市民に朗読されたのは7月18日でしたが・・・・・・ こちらの大学で教えている授業にはアメリカ史も含まれますから、何度も独立宣言文は読んだことがありましたが、改めて朗読されてみると、21世紀のアメリカに生き残っている価値観や、どこかで消えてしまった価値観などが明らかになってきました。また、独立宣言文の朗読のあとには、アメリカ第2の国歌とも言える、America the Beautifulが黒人歌手によって歌われました。奴隷解放の後とはいえ、アメリカの黒人人口は非常に辛い日々を送っていた時代に書かれた歌詞です。アメリカの光と影を考えさせられるシーンでした。
 夜にはチャールズ川の川岸で50万人を超える観衆を集めたコンサートと、それに続いて花火大会が開かれました。人ごみを避けるために、友人達と少し離れた所から花火を見る約束をしていましたが、お互いを見つけることもできず、見つかった友人はタクシーで現地まで来たものの帰り方がわからない人ばかりという結末。夜1時過ぎまで2時間以上、ボストン市街地のビルの明かりを北極星代わりに、徒歩で独立記念日を味わいました。後から聞いたところによると、他の友人は誰も見つけることができずに、1人で寂しく花火を見たとか。これもよい独立記念日の思い出となることでしょう。

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Hubbub from the Hub

幼い頃から英語に触れ、大学在学中よりフリーランス会議通訳者として活躍、現在は米国大学院に籍を置き、研究生活と通訳の二束のわらじをはいている。

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