同時通訳と逐次通訳、ウィスパリングの違いとは何ですか?
同時通訳は一般的に「同通」と呼ばれています。スピーカーの発言を2〜3秒遅れて(ほぼ同時に)通訳します。話し手の発言と同時に通訳を聞かせることが出来るため、大人数が参加するシンポジウムやセミナー、時間が限られている会議やスピーディに進行するディスカッションなどで使用されます。通訳者は通訳ブースの中で、ヘッドフォンを通して発言者の声を聞きながらマイクに向かって通訳します。
逐次通訳は、スピーカーがある程度まとめて発言した後、一旦発言を止め通訳を挟んでいく手法です。少人数の会議、通訳機材がない場所での通訳の他、スピーチなど話者の声を直接リスナーに届けたい場合や、契約確認など細かな単語に間違いがないかどうかを確認しながら進める会議で使用されます。発言と同じ長さの通訳を挟んでいくため、会話の2倍の時間がかかることも特徴です。
ウィスパリングは同時通訳の一種です。会議の中で、1~2名の参加者のみが通訳を必要とする場合によく用いられます。リスナーの耳元でささやく(ウィスパー)ような小さな声で同時通訳をします。簡易的な機材(パナガイド)を使う方法もかなり多くみられます。
通訳学校などでは、逐次通訳からトレーニングを始めますがやはりビジネス会議では同時通訳(ウィスパリング)が主流のため、同時通訳ができるようになればお仕事の幅がぐんとひろがります。
シャドウイングとは何ですか?
通訳の訓練技法の一つで、英語音声の少し後について、聞こえたとおりそのまま影のように追いかけながら発音していくことを言います。リスニング力だけでなく、発音強化やスピーキング力の向上にも役立ちます。フリーランス通訳者になってからも日々の日課として行っている方も多くいらっしゃいます。
通訳学校学校に通った方が良いでしょうか。
通訳の勉強は個人でもできますが、通訳養成学校ではより実践的な学習ができます。メモの取り方、サイト・トランスレーション等の通訳技術を習得できるだけでなく、同じ目標を持った仲間に出会えたり、学校から仕事を紹介されるというメリットもあります。通訳を目指す人は、学校で訓練を受けることをお勧めします。通訳者の場合は、大勢の前で緊張しないことも大事ですので、パブリックスピーキングのサークルに通う方もいます。
通訳者に求められる条件とは何ですか?
まず基本的な英語力は必須です。それから好奇心旺盛で、ポジティブな人。通訳の勉強は目に見えてすぐに結果が出る訳ではありませんので、常にモティベーションを維持できる粘り強い性格の人、例え一つの仕事がうまく行かずに落ち込んだとしても、すぐに立ち直って次に進めるバイタリティーのある人が向いています。ただ、通訳には色々なタイプのお仕事があります。キチッとした堅い会議、華やかなパーティ、クリエイティブな現場…。そういった点では、穏やかな方、明るく元気な方、控えめな方などクライアントが求めるタイプも様々です。
英語ネイティブや帰国子女でないと通訳者にはなれないのでしょうか?
英語ネイティブや帰国子女の方は歓迎されますが、英語圏に滞在経験がなくても、もちろん大丈夫です。たゆまぬ努力により、国内でびっくりするほどの英語力を身につけることが出来ます。また、通訳は英語力だけでなく日本語力も大変重要です。話者の思いを汲み取る的確な日本語表現で訳すのは、案外難しいものです。普段から読書や新聞を読むなど日本語力を磨くと、通訳にきっと役立ちます。綺麗な英語の発音が喜ばれることは確かですので、ご自身で日頃から気を付けたり、中には発音矯正のスクールに通われる方もいらっしゃいます。
社会人経験がなくても、通訳になれますか?
学生時代から語学を勉強していて、そのまま通訳になった方もたくさんいらっしゃいます。ただ、語学だけでは通用しないのが通訳の世界ですから、会社組織のしくみ、社会人としての振る舞い方や各業界の知識など、実務経験があるからこそプラスになることもたくさんあります。
通訳者になるのに、年齢は関係ありますか?
スタートは、早ければ早いにこしたことはありませんが、現在活躍されている現役通訳者の中には30歳を過ぎてから通訳の勉強を始めた方も沢山いらっしゃいます。社会人経験があり、何か専門を持っていれば、現場に出たときに生かせますし、どんなことであっても「遅すぎる」ということはないと思います。通訳者になりたいと思ったら、今すぐ勉強をスタートしてみてはいかがでしょうか?
男性だと、通訳の仕事に就くのは難しいでしょうか。
通訳は確かに、女性の占める比率が圧倒的に高い職種ではありますが男性の方で通訳者としてご活躍されている方はたくさんいらっしゃいますので、性別は全く関係ありません。男性からのご登録もお待ちしております!
通訳は、他の仕事と兼業できますか?
通訳の仕事は平日のオフィスアワーがほとんどですので、正社員をしながら通訳の仕事を受けるのは難しいです。ただ通訳をしながら語学学校の教師をしたり、週末や夜に別のお仕事をされている方もいます。
通訳・翻訳の両立は可能でしょうか?
通訳と翻訳は似て非なるものであり、それぞれに特別な別のスキルが必要とされる職種のためフリーランスになる際には通訳なら通訳、翻訳なら翻訳とどちらかを専門にされる方がほとんどです。またどちらも高い技術が必要なことから、簡単に両立できるものでもありません。ただだからと言って、両立ができないわけではありません。中には「通訳も好きだけど翻訳も好き」「通訳の仕事をしながら翻訳もしている」「翻訳をすることによって通訳の勉強にもなる」とおっしゃる方もいらっしゃいます。どちらもやってみたい、という方は、まずはどちらもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお英語以外の言語の場合は、依頼件数が少ないこともあり両方やっていらっしゃる方が多いです。
海外/地方在住なのですが、通訳の仕事はありますか?
日本国内では通訳のお仕事は東京都内とその近郊、および名古屋・関西などの都市圏がほとんどですが、地方の企業でも通訳者を募集することはもちろんあります。ただ、案件数に限りがあることは確かですので、貴重なチャンスを逃さないよう、こまめな情報収集が重要かもしれません。ご家庭やご自身の状況が許すのであれば、東京に引っ越して通訳のお仕事に従事するのも一つの手でしょう。また最近ではグローバル化に伴い、大手企業だけでなく中小企業や個人の方でも海外進出をされていることなどから海外現地でのお問合せも急増しています。弊社からもお問合せをする機会がございますので、是非ご連絡ください。
ボランティア通訳とはどういう仕事ですか?
大きな国際事業や地域の国際交流などのイベントで、報酬を受けずに通訳することを言います。過去にもオリンピックやワールドカップなどでボランティア通訳が活躍し、それがきっかけで通訳を目指した方もたくさんいらっしゃいます。次のオリンピックでも多数のボランティアを募集するようですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
フリーランス通訳者になりたいのですが仕事が安定するのかどうか心配です。
フリーランスの通訳者は、組織的なしがらみに縛られることなく自由に仕事が出来る立場ですが、それだけに自分の実力をシビアに評価されます。初めは数少ないお仕事でも、頂いたお仕事に対し真摯に全力で向き合い、結果を出すことで次第に依頼数や指名案件が増えていきます。高い技術だけでなく、サービス提供者としての常識的な振る舞いや謙虚な姿勢、クライアントへの気遣いも重要です。また他の人には負けない得意分野、専門分野を持つことも必要です。
社内通訳者からフリーランス通訳者になるには、どの程度経験を積めばよいのでしょうか。
「この経験を積んだらフリーランス通訳者として活躍が約束される!」という明確な基準は残念ながらありませんが、フリーランス通訳者になる前に、社内通訳者として3-4社は経験しておくスタッフさんが多いです。フリーランスのお仕事は事前資料がなかったり、準備時間に限りがあったり、中には過酷な環境下のお仕事もあります。「クライアントから事前資料を十分に入手出来なくても、この分野なら任せて!」と自信を持って対応出来るような分野が3-4つあると、ご自身の自信になるでしょう。得意分野は必ず通訳コーディネーターに教えて下さいね。お仕事紹介の参考にいたします!
エージェント登録の際に結ぶ、秘密保持契約とは何ですか?
派遣先企業では経営、新規事業、人事など企業秘密に関わる情報を取り扱うことがあります。仕事上で知り得た情報は、その情報如何に関わらず、絶対に第三者に口外してはいけません。これを秘密保持と言います。秘密保持は通訳の仕事の基本ですので必ず厳守してください。
弊社に登録いただく際には、必ず秘密保持契約書を締結させていただきますので、ご理解の程、よろしくお願いいたします。