INTERPRETATION

春休み

木内 裕也

Written from the mitten

 アメリカの大学は次第に春休みの時期です。地域によってややずれがありますし、高校や中学はもっと遅くに春休みですが、ミシガン州の大学の多くは2月末から3月の頭にかけて、1週間の休みがあります。私の教えているミシガン州立大学も今週が春休みです。先週は春休み直前の中間試験や、レポートの宿題が多くの授業で出されていたようで(私の授業でも同じでしたが)、学生たちの多くは春休み前のラストスパートという感じで頑張っていました。夜の9時ごろに図書館へ行く機会があったのですが、普段より多くの学生が勉強していました。

 教員にとって、学期の予定を立てる際、いつ試験や宿題を行うかは大きな悩みとなります。特に春休みや休日がある場合はなおさらです。例えば月・水・金に行われる授業を教えている場合(アメリカの大学の授業は月・水・金と火・木の2種類があります)、休みの始まる前日の金曜日に試験を行うと、「土曜日から休みだから、金曜日の授業は休講にしてくれるかな?」という学生の淡い期待を裏切るどころか、「なんで休みのぎりぎりまでこんなに勉強しないといけないの?」と思わせることになります。しかし休みの直後の月曜日に試験をすれば、春休みを学生は満喫することができません。春休みは丁度中間試験を行う時期に重なるので、毎年教員は悩むことになります。私は休みの前の月曜日にレポートの宿題の提出日としたので、それほど学生の負担は大きくなかったと思います。

 学生達の一部はフロリダなど、暖かい地域で春休みを過ごします。この時期は航空運賃が高くとなります。多くの学生は秋学期のうちからこの春休みの予定を立てて、お金を貯めています。また、安いモーテルに何人も一緒に止まったりして、節約しています。

 私は週の前半に友人と近場に旅行に行くことにしています。私はまだミシガン州の北のほうに行ったことがないので、その友人と一緒にMackinaw Cityという場所に一泊で向います。ただでさえまだ寒いミシガン州で、わざわざ北のほうへ向う必要も無いのですが、休暇でリラックスするのが目的です。1泊か2泊を予定しています。週の後半は仕事が入っているので(授業を教える必要がなくても、仕事は入ってくるものです)、ちょっとした休暇を楽しむ予定です。

 休みが終わると、学会シーズンです。通訳業界も春と秋が忙しいものですが、学会も同じです。3月下旬はニューオーリンズ、ダラス、セントルイスと続きます。4月にはボストンが2回ありますし、授業も学期末に向けてスピードアップします。同時に夏学期の授業の準備も必要です。この春休みがちょっとした息抜きとなりそうです。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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