INTERPRETATION

「秋学期の終わり」

木内 裕也

Written from the mitten

 日本の学校でも2学期の終わりが近づいているように、アメリカの大学では秋学期が終わりに近づいています。12月の上旬は、毎年非常に忙しい時期です。

 11月の中旬にフロリダで行われるサッカーの北米大会に1週間以上参加して、仕事の進み具合に影響を与えるのは私くらいかもしれませんが、11月末は感謝祭があります。感謝祭は木曜日で、多くの人は水曜日(有給や仮病を使って火曜日の場合も)に実家へ帰省します。木曜日の午後は感謝祭の食事をし、Black Fridayと呼ばれる金曜日の朝に、クリスマスショッピングが始まります。その週末はあちらこちらのお店で安売りをしているので、クリスマスプレゼントを買うにはちょうどいいのです。

 多くの大学では、感謝祭の休日を終え日曜日の夜に大学に戻ると、その翌日に始まる週が秋学期の授業期間最終週です。約5日間、短い休暇とはいえリラックスし、突然学期末の追い込みをしなければいけません。

 この1週間は図書館が混雑し、焦りに駆られた学生からのメールが数多く送られてくる時期でもあります。場合によっては、「10月中旬に行った中間試験の採点にミスがあると思うのですが」などという、タイミングを逃したメールもあります。また、「最終試験はいつですか?」という質問だけでも、授業要綱に詳細が書いてあるのですから不適切だと思いますが、中には「期末試験は受けないといけないのですか?」という質問まで。

 1つ1つの点数は小さな宿題も、その数が溜まれば授業を落第することにつながります。「授業に毎週出席していた」とは言っても、それが事実でも、結果が良くなければどうしようもありません。1ヶ月以上前に返却した宿題に関する宿題であることも。

 今学期もそんないろいろが学生からのメールが届きました。学生によっては、「成績が悪いと、奨学金がもらえなくなる」などと状況を説明する学生もいます。しかし成績はパソコン上のシステムで管理されていますから、教えるものが個人的な好き嫌いや個人の事情で成績を変えることはできません。

 今週は月曜日に試験を行い、75名分のテストを採点しないといけません。しかし来学期は授業を担当しないことになっています。博士論文の執筆に集中するために、授業を教えているのと同じ手当てを受けながら、実際に教室に向かう必要はありません。ここ2年半は毎週、火曜日、木曜日、金曜日に授業を担当していたので、それがなくなるのは何か不思議な感じがすることでしょう。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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