INTERPRETATION

第5回 機材の運用例(東京モーターショー)

吉岡余真人

通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

みなさんこんにちは。

繁忙期も、もうすぐ終わりますね!

読者のみなさんから、ブログを見てますと言われ、うれしく思います。

第5話では、11月に開催された東京モーターショーについて、ご紹介します。

日常、通訳者のみなさんがお使いになっているパナガイドは、

工場見学の使用目的として開発されました。

その一例をご紹介します。

この写真は先日開催の東京モーターショーの様子です。

「自動車ジャーナリストを廻るモーターショーツアー」です。

11月25日~29日の5日間、毎日3回、5グループに分け

自動車ジャーナリストが一般来場者に対して、自らの視点で解説するという、とても面白いイベントです。

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ジャーナリストは送信機を使用して、参加者に解説の内容を聞かせます。

自動車評論家ですので、各メーカーの担当者から、自動車に対する想いや開発ストーリーなどを普段では聞くことができないコメントを聞くことができます。

また一般公開で登壇できないステージ上(写真)での観覧もできます。

機材の運用内容は、

送信機5台(5グループ)に、参加者用レシーバーをそれぞれ10台(合計50台)

貸し出しをしました。

ジャーナリストにはあらかじめ、

場内が各ブースの演出で非常に騒音が大きいため

マイクを口元に近い位置で使用するようにお伝えしました。

これも普段の運用のノウハウが生かされています。

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モーターショーではワイヤレスマイクの使用について厳しく管理されており、

パナガイドは無免許での運用が可能ですが

混信を防ぐため事務局の自動車工業会様の許可を得ております。

私は、1991年第29回東京モーターショーより同時通訳機材を担当させていただいております。

電波の使用状況には細心の注意を払っており、パナガイドは簡単な機材ですが、事前準備はかなり神経を使います。

ちなみに、今回のモーターショーで14回目になります。

その他、北京・上海・広州モーターショーの同時通訳を10回以上担当しましたので

後日、お話ししたいと思います。

その他のトピックスとして

簡易ブースを広めに活用しました。

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資料が多く、通常のテーブルでは通訳業務がしづらいとの指摘を受け

奥行45㎝テーブルを2本使用し、奥行90cmのテーブルとして運用しました。

ただし、簡易ブースということもあり、通訳音声の音漏れがあります。

狭い会場ではおすすめしません。

その他、機材のことでご不明な点などありましたら、私までご遠慮なく連絡ください。

メールアドレス:yoshioka@ten-nine.co.jp

よろしくお願いいたします。

では次回!

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記事を書いた人

吉岡余真人

東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年から2017まで株式会社テンナイン・コミュニケーションに在籍し
2017年8月からバルビエコーポレーション株式会社を設立し現在に至る。

END