INTERPRETATION

第4回 ステレオとモノラルについて

吉岡余真人

通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

みなさんこんにちは。

このブログを読んでいただきありがとうございます。

今回は、ステレオとモノラルについてお話をしたいと思います。

みなさんが普段お使いになっているPCやステレオ機器は、左右にスピーカーがあると思います。

イヤホンも左右あると思います。

この2つから違う音が出ていたらステレオ、おなじ音が出ていたらモノラルです。

スピーカから出る音は両方からおなじ音が出ている気がしますが、

録音の仕方によって実は違ったりしています。

たとえば、左方向から右方向に走って行く蒸気機関車の音をステレオで録音すると、

左のスピーカーから右のスピーカーに音が走ってゆくように聞こえると思います。

あるバンドが演奏していて、

ギターが右に、ベースが左にいて、ボーカルが中央にいるときに

実際に演奏している現場にいくと、

ギターの音が右から、ベースの音が左から、ボーカルの声は中央から聞こえますよね。

そうなるように、ギターの音が右のスピーカーから大きく聞こえて

ベースの音が左のスピーカーから大きく聞こえて

ボーカルの声が両方から同じくらいの大きさで聞こえるように録音してやったのがステレオです。

最近流行の5.1chサラウンドは

ステレオの左右の概念に音の前後の概念を取り入れたものです。

中央、前右、前左、後右、後左、臨場感のための低音専用のスピーカー(ウーハーといいます)

の5本のスピーカーと1本のウーハーでステレオ以上の臨場感を演出しています。

国際会議のブースには、通訳者操作器というマイクの音声を聞く機材がありますが

これらにはヘッドホンをつなぐジャックが機器の側面にあります。

以前は現場で通訳さんより、

この機械は

ステレオですか?

モノラルですか?

と聞かれましたが、結論はどちらでも使用可能です。

会場にあるマイクは、前述のステレオでの収音がされていません。

演劇ではありませんので。

動いている音声は必要ないため、モノラルで収音されています。

下記が形状の写真です。

上はステレオプラグ(3つに分かれているもの)

下はモノラルプラグ(2つに分かれているもの)

プラグ.jpg

ただし大きさが異なる場合があります。

フォーンプラグ.jpg

フォーンプラグの例。左より

2.5mm 2極(マイクロ)

3.5mm 2極(ミニ)

3.5mm 3極(ミニ)

6.3mm 3極(標準)

通常は3.5か6.3の2種類に大別されますので

このような標準(6.3⇒3.5mm)変換プラグがあれば、大丈夫です。

変換プラグ.jpg

このプラグはamazonなどで¥400前後で販売されています。

ご参考にしてください。

ではまた次回!

Written by

記事を書いた人

吉岡余真人

東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年から2017まで株式会社テンナイン・コミュニケーションに在籍し
2017年8月からバルビエコーポレーション株式会社を設立し現在に至る。

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