ENGLISH LEARNING

第10回 スピーキングは、単語→短文→長文と段階的に実践!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

前回は、日本人にはなじみにくい冠詞の勉強について、絵を描くように数量を意識することと、特定のものかそうでないかを考えることがコツであるとお話しました。

今回は、前回にも少し触れましたが、タイミングが大切な会話の英語力を上げているコツを、もう少し詳しく掘り下げてお話していきたいと思います。

英語の勉強法で「さしすせそ」の話をした時も触れましたが、文法の正しさばかりを気にして、発言するまでにあまりに時間がかかってしまうと、なかなか会話のキャッチボールがリズムよく出来ません。

そういう時は自分も苦しいですし、相手も話にくいものです。

ですから、その際は、まず発言してみて、その後、補足していくよう、会話のリズムに乗りながら、自分の英語力を育てていくという方法が重要です。

私たち日本人が、間違えることなしに、上達することはないからです。

とは言っても、間違えだらけでは話をするのも恥ずかしいでしょうし、相手もブロークンの度が過ぎれば、意図が理解できず困惑してしまうでしょう。

そこで、単語、短文、複数の短文、長文と段階的に会話を上達させる方法をお勧めいたします。

具体的には、まずは「さしすせそ」の「さ」、単語で会話をする。

これはいわゆるサバイバル英語と言われるような感じで、一番言いたい単語だけで会話をするということです。

実際、ツーカーの中であれば、単語だけで会話をしていることが意外と多いものです。

少し昔の亭主関白な夫が家に帰ると、「風呂」、「めし」、「寝る」しか発言しないと批判されることがありました。

それでも家族として生活できたことを考えると、最低限の意図は伝えられることがわかります。

単語の覚え方については、これまでのブログを見ていただくとして、その次の段階、短文の作り方を説明していきましょう。

ここで言う短文は主語と述語で成り立つ単文で短い文という意味です。

まず自分の会話から、よく使うフレーズを書きだしてみましょう。
例えば、

  • 1. どうしたの?
  • 2. どうしょう?
  • 3.  大丈夫?

そしてそれをGoogle の検索やアルクの英辞郎や電子辞書で調べてみます。

  • 1. どうしたの? What happened?
  • 2. どうしょう? What should I do?
  • 3. 大丈夫? Are you OK?

そして、この短文をどんどん使ってみましょう。

そうは言っても、周りには英語で話してくれる人がいないという方に、私が使った英語を話す機会を作る方法を、お伝えしましょう。

・電車の中、駅、街中で見かけて、道に迷っている方に話しかける。
・空港や駅やレストランなどで待ち時間があり、明らかに時間を潰している様子で話しかけても良さそうな方に話しかけてみる。
・英会話学校の無料のレベルテストや授業を受けてみる。
・スカイプやフェースブックでチャットをしてみる。
・帰国子女だったり、留学経験があるバイリンガルの友人につきあってもらう。

使ってみると相手の発言からも学ぶことができますし、受動語彙を能動語彙に変え、短期記憶の情報を長期記憶に変えることができるので、英語の運用能力が飛躍的に上がります。

ある意味、水泳の本を暗記しても、泳げるようにならないのと同じですね。
使ってみて、体が初めて覚えてくれるところは英会話にもあるので、是非、遠慮せずに使ってみましょう。

ある程度、短文での意思疎通ができるようになったら、少しずつ短い文を複数作成して、会話を長くしていきましょう。

上記の例文であれば、例えばこのように繋げていけます。

  • 1.What happened to her? She is the receptionist. She works in that building. That building is across from our office.
    2.What should I do? He does not come home. But I want to make up with him.
    3.Are you OK? Can you come to my place? I can wait until you are done with your homework.

そして、短い文でコミュニケーションが取れるようになったら、次に長文に挑戦です。
この時には、文法のブログで紹介したように、パターンを活用して文法を覚えて実践しましょう。

  • 1.What happed to her who is the receptionist at that building (which is) across from our office?
    2.What should I do when he doesn’t come home even though I want to make up with him?
    3.Are you OK to come to my place after you are done with the home work?

上記のように、文と文を結合する糊の役目をする太字の単語達をパターンとして覚えていくことが必要になりますが、どれも中学校で勉強した単語ばかりですよね。

そう、英語は意外と簡単なのです!!

もちろん、書きだすことが面倒であれば、NHKの英会話の入門の教材を使ってもいいです。
一冊、この目的で良い参考書も見つけたのでご紹介しておきます。

「中学生レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本」ニック・ウィリアムソン箸 ダイアモンド出版

この本では、タイトルどおり中学校の英語の授業で勉強した単語ばかりで、ちゃんと伝わり、かつ、とっても使える短文が盛りだくさん掲載されています。

かつCD付きなので、間違った発音を覚えてしまう危険も避けることができるので、上記のプロセスが面倒という方はこちらをお求めください。

今回はスピーキングの上達のコツをお話してきました。
参考になりましたでしょうか?

次回は、せっかく話しかけても相手の言葉が聞き取ることができなければ、会話は続きませんので、リスニングの上達法のコツについてお話していきたいと思います。

どうぞお楽しみに。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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