HOME > LIFE > 通訳・翻訳者リレーブログ > かの > はじめての自転車

通訳・翻訳者リレーブログ

はじめての自転車

[2008.03.03]投稿者:かの

 息子と娘の自転車が届いた。夫から遅まきながらのクリスマスプレゼントである。
 長男は来月で小学校一年生。娘も年中組に進級する。近所のお友達は3歳ぐらいから自転車を練習していたので、我が家は後発組だ。
 思い起こせば、息子はずいぶん前から自転車をほしがっていた。2歳の端午の節句でいただいた三輪車は、あっという間に足が余ってしまい、物足りない。そんなこともあり、自転車にあこがれていたのだ。一方の私も、子ども二人の移動はもっぱら自家用車。歩くのも大好きで2駅分ぐらいホイホイとウォーキングするのだが、時間短縮と行動半径の拡大という意味では、自転車は魅力的。それで今回、一人一台ずつ夫は買ってくれたのである。
 購入先は、近くの自転車屋さん。昔からある小さなお店だ。夫はここで買うことを決めていた。以前、自分の自転車を購入してとても気に入っているからだと言う。
 3台買うとなるとかなりの金額なので、量販店の格安商品でも別に良いのでは、と私は内心思っていた。しかし、実際にこの自転車屋さんへ行ってみて、夫の言う意味がわかったのである。
 自転車店のおじさんは若いころから自転車が大好きで、店内にはレースの表彰状が壁中に掲げられていた。心から自転車を愛しているのだろう、私たちへもずっとニコニコで、きめ細かい応対をしてくださった。我が家の4人とカタログを見ながらどの自転車にするか選んでいた時も、色々とアドバイスをしてくださったのである。
 数日して自転車が入荷し、私たちは取りに出かけた。関東地方に大あらしが吹いた日曜日である。おじさんは「補助輪はいずれ取れますから。あせらずに、むしろ補助輪で楽しむお子さんたちをじっくり味わった方が良いですよ」と私に言ってくださった。実はここのところ私は、息子の卒園と入学という成長の節目をうれしく思う一方で、あまりの成長の速さに少しさみしい気もしていた。それだけにこの言葉は心に響いたのである。
 風と砂ぼこりが舞う中、私たちは新しい自転車とともに帰宅した。「こんな風で寒いから練習は後日かな」と私は思っていたのだが、子どもたちは乗ってみたいと言う。新品の自転車にヘルメットをかぶり、おそるおそるこぎ出す子どもたち。少しずつうまくこげるようになると、ますます笑顔になってゆく。新しいことに挑戦するというのは、こういう喜びをもたらすのだなと私は思った。
 思えば英語を習い始めた時もそうだった。新しい文字、新しい教科書、新しい単語すべてがまぶしかった。それらを書き写し、口に出すだけでも幸せだったのだ。
 自転車は単なる輸送手段だけではないし、英語も単にコミュニケーション道具だけではないはず。そんなことに気付かされた週末だった。


通訳・翻訳者リレーブログ


↑Page Top

プロフィール

すーじー

すーじー
1998年春、研究留学する夫に同行して渡米。大の苦手だった英語をイチから学びなおすことに。現在はシカゴ在住のフリーランス英日翻訳者として、マーケティングから金融・経済まで幅広い分野のビジネス案件にたずさわる。最近、興味があるのは、DIYと健康になること。[2016年1月start!]

いぬ

いぬ
幼少期より日本で過ごす。大学留年、通訳学校進級失敗の後、イギリス逃亡。彼の地で仕事と伴侶を得て帰国。現在、放送通訳者兼映像翻訳者兼大学講師として稼動中。いろんな意味で規格外の2児の父。[2008.4.1 start!]

アース

アース
田舎の翻訳者。外国留学・在留経験ナシ。都会生まれの都会育ちだが、現在はド田舎暮らしで、ネットのありがたさにすがって生きる日々。何でも楽しめる性格で、特に生き物と地球と宇宙が大好き。でも翻訳分野はなぜか金融・ビジネス(英語・西語)。宇宙旅行の資金を貯めるため、仕事の効率化(と単価アップ?!)を模索中。[2015年12月終了]

ぺこたん

ぺこたん
高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。[2007.6.1 start!]

みなみ

みなみ
英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。[2007.5.1 start!!]

さるるん@ロシア

さるるん@ロシア
米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。[2013年7月終了]

トナカイ

トナカイ
フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。[2010年10月終了]

昼顔

昼顔
外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。[2010年3月終了]

フレッヒ

フレッヒ
高校時代をドイツで過ごし、日本の大学を卒業後、再び渡独。ドイツでの日本企業勤務を経て10年前よりフリーランスドイツ語通訳者として活躍。車関係全般・ジュエリー・スポーツ関係・整形外科分野を得意とする。普段はワイン・焼酎をこよなく愛し、庭で取れたハーブやジャガイモで主人や友人達とBBQしながら休日を過ごすのが大好き。そして大の八重山諸島フリーク。[2009年2月終了]

パンの笛

パンの笛
幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。[2008年4月終了]

かの

かの
幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。[2008年3月終了]

まめの木

まめの木
ドイツ留学後、紆余曲折を経て通翻訳者に。仕事はエンターテインメント・芸術分野から自動車・機械系までと幅広い。色々なものになりたかった、という幼少期の夢を通訳者という仕事を通じてひそかに果たしている。取柄は元気と笑顔。[2007年11月終了]

the apple of my eye

the apple of my eye
日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中![2007年5月終了]

仙人

仙人
大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」[2007年4月終了]

ガットパルド(gattopardo)

ガットパルド(gattopardo)
伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで![2006年8月終了]

Hubbub from the Hub

Hubbub from the Hub
幼い頃から英語に触れ、大学在学中よりフリーランス会議通訳者として活躍、現在は米国大学院に籍を置き、研究生活と通訳の二束のわらじをはいている。[2006年8月終了]

雛


大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。[2005.11月末終了]

とと

とと
大学卒業後、数年のサラリーマン生活を経て、フリーランス翻訳者に。技術系から出版物と、幅広い分野で高い評価を得ている。趣味は音楽。ただいま子育て奮闘中。[2005.11月末終了]

背番号8

背番号8
イギリスに長期留学後、インハウス通訳者として数社に勤務。現在は、フリーランス通翻訳者として活躍中。若手通訳有望株の一人![2005.11月末終了]