INTERPRETATION

感謝祭

木内 裕也

Written from the mitten

 アメリカは感謝祭が近づいています。今週の木曜日に向けて、ニュースなどでも「感謝祭の天気予報」「感謝祭前後の旅行客の出足」など、日本の夏休みに似た報道が行われています。ミシガン州周辺は例年に比べてかなり暖かい11月で、私の住むEast Lansing市周辺ではまだ雪が降っていません。いつもなら10月には初雪があるのですが。しかしどうも今週は中西部で少し気温が下がるらしく、ミネソタ州やシカゴなどでは寒気が訪れるようです。

 この週末に帰省をする人は例年通り多いようです。クリスマスに並んで感謝祭は帰省ラッシュ。飛行機、バス、高速道路などいつも大渋滞です。私もボストンカレッジに通っていた2002年11月に感謝祭で友人の家に行く際、高速バスが4時間以上遅れたことを思い出します。航空運賃が高騰し、休暇中は特別な手数料が航空会社によっては20ドルも掛かるのですが、それでもやはり帰省ラッシュは激しいようです。友人の数人は今週末から感謝祭の前日までフロリダのサッカー大会で審判をしています。私も去年と一昨年に参加しましたが、空港はいつも大混雑でした。

 感謝祭といえばディナーです。クリスマスのディナーも重要ですが、Food comaという表現がぴったりするのは感謝祭です。クリスマスと同様、アメリカでは家族で集まって、七面鳥に代表される食事をとります。この日は朝から調理をし、2時ごろに皆でディナーを食べ、その後はソファーでゆっくりする、というのがアメリカの習慣です。昨年の感謝祭は出版翻訳のプロジェクトに追われて全く何もしませんでしたが、今年は友人がディナーに誘ってくれました。その友人の実家で七面鳥を食べる予定です。

 感謝祭の翌日はBlack Friday。クリスマス商戦の第1日目です。かつての投稿にも書いたとおり、朝4時位にお店が開店し、セールを行います。先着20名などのクーポンを求めて、3時ごろからお店の前には列ができます。私も1度ニューヨークでBlack Fridayを経験しましたが、氷点下の中、20%引きのクーポンを求めて1時間も行列を作るのは、これが最初で最後だ、と思ったのを覚えています。でも木曜日にディナーに招待してくれた友達次第では、再挑戦することになるかもしれません。

 感謝祭が終われば、街中は完全にクリスマスモード。今でも近所のコーヒー屋はクリスマスツリーが飾られて、次第にクリスマスの様相を呈し始めていますが、それが本格的になるのは今週の金曜日からです。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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