INTERPRETATION

使える!NHK語学講座

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 今年の4月から一念発起してフランス語を学ぶことにしました。そこでフランス語学習にあたり、私が考えた「動機」「目標」および「手段」を今回はご紹介します。

(1)動機

 ただ漫然と「フランス語が上手になりたい」だけでは三日坊主に陥る危険が大きいでしょう。そこで私なりの動機を考えてみました。

(i) 幼少期、海外で暮らしていた頃、学校の授業で第二外国語がフランス語だった→多少はかじった経験あり

(ii) フランス語の響きが好き→英語とは違った難しい発音を操れるようになりたい

(iii) 放送通訳をやっているので、同じ内容のニュースをフランス語で理解してみたい

(2)目標

 目標と動機はある意味で連動しています。上記の動機を踏まえた上で考えた私の目標は以下の2つです。

(i) 6月21日実施のフランス語検定5級に合格する→いきなり高い級を狙うのではなく、確実に突破できそうなレベルからチャレンジする

(ii) 9月までにNHK国際放送のフランス語ニュースを5割ぐらい理解できるようになる→9月にしたのは、NHKの語学講座が9月でワンクール終了するので区切りが良いため

(3)手段

 二つの目標を達成するために、私はNHKのラジオ「まいにちフランス語講座」をメイン教材に進めることにしました。私自身は「独学より通学派」なので、本来であれば学校に通いたいと思っています。しかし、今の仕事スケジュールや子育て・家事などのワークロードを考えると、学校に通う時間を捻出するのが難しい状況です。このため、まずは独学で挑戦することにしました。具体的には、

(i)  NHKラジオ講座を毎日聞く

(ii)  NHK国際放送のフランス語ニュースを毎日聞く

(iii) 仏検1か月前の5月になったら、過去問題集に取りかかる

を3本柱にしていくつもりです。なお、余裕があれば、白水社の月刊誌「ふらんす」も適宜購入し、フランスに関する楽しい話題にも触れていくつもりです。

(4)NHK講座の進め方

 ラジオ講座「まいにちフランス語」はワンレッスンわずか15分です。そこで私は次のような進め方をしていこうと決めました。

(i) テキストに出てくる単語の意味と読みを辞書で前日に予習→予習時間は放送時間と同じ15分ぐらいにとどめ、負担のないようにしておきます。なお、辞書は紙の仏和辞典を使い、調べた単語には下線を引きます。

(ii) 毎日、放送時間に聞く。どうしても聞けないときのみ、タイマー録音をする→これは本来の放送時間中に集中するためです。録音して後で聞こうとすると、どうしても録音がたまりがちになり、「聞き直せるからいいや」といい加減な気持ちにもなってしまうためです。

(iii) 放送中はフランス語の部分はすべてシャドウィングする→リピートの個所でなくても、レッスン中になるべくたくさんフランス語を「声に出してみる」ことが上達の秘訣だと思っています。

(iv) 復習時間は30分とし、テキストの音読のほか、新しい文法や構文などを「声を出しながら」3回ずつノートに書きとる→目・耳・口・手を実際に使うことにより、体で覚えるためです。

 ここ数年間、毎年4月になると書店に並ぶNHKテキストを見ては「何かやろうかなあ」と横目で見つつ、実行できない状態が続いてきました。しかし今年は「仏検をとる」「国際ニュースを理解する」という自分なりの大きな目標ができたため、非常に前向きな気持ちになっています。NHKのテキストはたった380円。毎日わずか1時間をフランス語学習にあてて着実に歩めるのであれば、非常に有効なツールだと思います。

 さあ、こうして私の新たな言語学習が始まりました。とりあえず最初の1週間は聞きとおすことができています。先日のこのコラムでも、「21回続ける」ことが日常化への一歩と書きましたので、私の場合も4月いっぱい続けることをまずは目標にしたいと思っています。

 4月から通訳の勉強を始めた方、第二外国語習得を目指す方、新たな習い事にチャレンジしている方、ぜひ一緒に頑張りましょう!

 (2009年4月6日)

Written by

記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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