INTERPRETATION

健康管理も仕事のうち

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 先日、地元からのお知らせを受けて、市の健康診断を受けてきました。これは毎年受診しているもので、人間ドックに相当するものです。幸い、市から補助金が出るので、費用も人間ドックほどはかからず、私のようなフリーランスにとってはありがたい限りです。

 人間ドックを受け始めたのは、会社員を辞めてフリーランスになった年からです。それまではすべて会社がお膳立てしてくれていました。しかも当時は私もまだ20代で「自分は元気!」と思いこんでいた(?)時期。検診結果もさほど気にしないでいたのです。しかしフリーランスとして自分で仕事を受け、自力でスケジュールを調整しながら業務をこなしていくとなると、健康管理も自分でやらなければいけません。「これからは自分の体を守ることも仕事の一部」と当時の私は考えたのです。それで当時加入していた簡易保険を通じて、郵政省が管轄する病院の人間ドックに申し込みました。一日がかりでしたが、「自分で」申し込んで受けたため、会社員時代よりも検診結果を丹念に読んだのを覚えています。

 病院というと敷居が高いように思えます。「緊張するから行きたくない」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、体調が悪くなったり病気になったりしてから通うよりは、早期発見・早期治療の方がずっと精神的にも楽だと私は思います。特にフリーランス会議通訳者の場合、仕事柄、体力も消耗しますし、神経もつかいます。自分が思っている以上に体は疲れているのです。「疲れたからマッサージへ行こう」というのももちろん構いませんが、単なる対処療法では根本的な解決にはなりません。もしかしたら病気の兆しであるかもしれないのです。病気にかかってしまえば、仕事もできなくなってしまうのですから、やはりスケジュールをやりくりして、定期検診を受けた方が良いでしょう。

 さて、私が健康管理でもう一つ気をつけていること。それは「体を動かすこと」です。具体的にはスポーツクラブに通うことなのですが、そこで汗をどっと流す爽快感は何物にも代えられません。確かにウェアやシューズ、タオルなどを入れるとバッグもそれだけで重くなります。それに加えて「今日は暑いから(雨降ってるから)(疲れてるから)行くのやめようかな〜」と思うこともしょっちゅうです。しかし実際に行って体を動かしてみると「やっぱり来て良かった!」と必ず思うのです。専門家によれば、体を動かすとエンドルフィンが分泌されるため、それが抗鬱作用となって気分が良くなるのだそうです。私個人としては「メンドーと思ったけれど、頑張ってクラブまで来た自分」というのがあるので、それが成功体験となり、さらにうれしくなるのかもしれません。

 ところで今年の検診結果は?骨粗鬆症検査では医師から「20代男性並みの骨密度」と言われました。こうしたコメントも励みになるので、これからも無理のない範囲で健康管理を続けていこうと思っています。

(2008年8月4日)

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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