INTERPRETATION

第3回 通訳者操作器とパナガイド送信機について

吉岡余真人

通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座

みなさんこんにちは。

秋の繁忙期で、お疲れのことと存じます。

あと2か月でクリスマスなので頑張ってください。

第3話では、みなさんがお使いになる通訳者操作器とパナガイド送信機について復習したいと思います。

第1話でもご説明しましたとおり、下記の写真の通り、同じチャンネルで電源を入れた場合、受信機にノイズとして聞こえてしまいます、もう1台の電源が切れていることを確認してください。

プレゼンテーション1.jpg

またマイクとの距離も、

プレゼンテーション2.jpg

写真の距離での使用が望ましいですが、30cm以上距離を開けてしまうと、他の空調や音声を拾ってしまいます。

これでは折角の通訳音声も聞こえなくなってしまいます。

次にDISという通訳ユニットをご紹介します。

Danish Interpretation SystemsのことでDenmarkで製造されている機材です。

2005年ごろより、販売されていますが、2013年に世界最大のマイクロフォンメーカー

SHURE社が買収し、日本ではヒビノ株式会社が本年10月より販売を開始しました。

先日弊社でデモンストレーションがあり、拝見しました。

印象を述べますと、通訳ユニットが小ぶりに出来ており、机上の有効活用とマイクのON・OFFスイッチが大きく操作がし易いことが挙げられます。

また、マイクスイッチは通訳ユニットを2台以上、ブースで使用した場合、後押し優先機能があることです。

弊社ではまだ現場での使用経験がありませんので、後日報告いたします。

DIS通訳ユニット  通訳1名に1台使用

③(DIS).jpg

テンナインで使用中のBOSCH通訳ユニット

④.jpg

両社の共通点ですが、通訳言語の送出チャンネルに下記のようなEngaged(隣のユニットで同一チャンネルを使用中)

この場合、BOSCHは隣のユニットのマイクをOFFにしてください。

パナガイドも同様です。

DISは後押し優先です。

⑤.jpg

先日、弊社会議室で行われたデモの様子です。

テンナインではBOSCH製の通訳機材も保有しており、機能の比較を行いました。

⑥.jpg

弊社コーディネーターは日々、探究しております。

では次回。

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記事を書いた人

吉岡余真人

東京オリンピック開催直前 1964年8月に東京葛飾金町にて産声を上げました。専門学校卒業後、稼業の理髪店を経営するが、オリンピックで開催される国際会議にあこがれ、1989年同時通訳機材会社に就職し、東京サミット、APEC大阪、ADB福岡会議の機材運営に携わる。長野オリンピックでは組織委員会にも在籍し、ローザンヌのIOC本部にも出張し、すべての会場の同時通訳機材運用を統括。第107回IOC総会、理事会、メインプレスセンター、選手村、IBC国際放送センタースポーツ調停裁判所、医事委員会などの同時通訳機材運用を統括する。
その後大手通訳会社にて通訳コーディネーターとして勤務し、社内ベンチャーで機材会社を設立。退職後2005年からは舞台を中国に移し、国際会議ディレクターにて活躍。2008年北京オリンピックでは東京五輪の招致記者会見の通訳・機材の運用に携わり中国および東南アジアでの国際会議を運営する。上海・バンコクの通訳会社にも所属し、東南アジアを駆け巡る日々を送る。
2013年から2017まで株式会社テンナイン・コミュニケーションに在籍し
2017年8月からバルビエコーポレーション株式会社を設立し現在に至る。

END